マガジンのカバー画像

人材紹介業をアップデートする

72
私が属する「人材紹介業」の未来について個人的見解をつぶやきます。
運営しているクリエイター

#中途採用

海外駐在員の処遇は適切ですか?

海外駐在員の処遇は適切ですか?

 海外駐在員の処遇の見直しを検討する企業から助言を求められることが増えています。
 当社が今年2~3月に行なったアンケート調査の結果では、急激な為替変動や物価高騰などの経済環境の変化に伴い、回答企業の43%が直近1年程度で処遇の見直しを行なっており、加えて31%の企業が今後見直しを検討しているという結果となりました。

※アンケート結果はコチラ・・・ 

 今週はこのレポートをご覧になったお客様か

もっとみる
なぜか研究者が職務経歴書に書き忘れること

なぜか研究者が職務経歴書に書き忘れること

 研究者が転職の際に職務経歴書に書くべき研究実績について、「問題関心(問い)と動機」が書かれていないことが多いように感じます。
 これらは、大学(院)の入学ガイダンスで一番初めに"最も大事なこと"として教わることです。

 実験の内容や使用した実験機器、研究室内での役割などは事実情報として重要ですが、面接官が研究者としてのスキルやマインドを判断する上では"問い"や"動機"が欠かせません。

 そし

もっとみる
続・人材紹介コンサルタントの専門性とは

続・人材紹介コンサルタントの専門性とは

 先の投稿はNoteと同時に投稿したLinkedin でも数多くの方々にご覧いただきました。
 "いいね"をして下さった皆さん、有難うございました。

 閲覧者の属性データを見てみると、人材コンサルタントの方はもちろん、人事部門でお仕事をしておられる方々にも多数ご覧いただいたようです。

 人材紹介のユーザーである人事の方々にとって、人材紹介サービスの品質はより重要な関心事であるはずです。

 コ

もっとみる
オンラインと対面はどちらがよいのか?

オンラインと対面はどちらがよいのか?

 コロナ禍によって一気に普及したオンラインコミュニケーション。人材採用のシーンでも、オンラインで面接を行なうことはもはや当たり前のこととなりました。

 2021年7月に転職活動を行なった人を対象として行なわれた調査によると、回答者の半数強が転職先との選考段階でオンライン面接があったと答えています。

 私の実感値では、ホワイトカラーの中途採用においてオンライン面接を行なっている企業の割合は7〜8

もっとみる
アンケート結果「人材紹介サービスの今後」

アンケート結果「人材紹介サービスの今後」

数あるSNSの中でもビジネス目的で使われることが多いLinkedin。

先ごろ、そのLinkedin上で、現役の人材紹介コンサルタントや人材紹介サービスを利用する人事の方々を対象するアンケートを実施しました。(有効回答数33件)

お尋ねしたことは3つ。
1) 今後の手数料(成功報酬)相場の変化について
=35%(または相場だと思う料率)は今後上がるのか、それとも下がるのか?
2) もし下が

もっとみる
エシカル就職 という考え方

エシカル就職 という考え方

東洋経済オンラインより、『50%が上位校「エシカル就活」を生んだ22歳の正体』。自らの体験をもとに、社会課題に取り組みたい学生と企業をマッチングする「エシカル就活」というサービスを立ち上げた現役大学生起業家の勝見仁泰氏に関する記事です。

え近年、国内でもSDGsの認知が広がり、環境や人権、社会などに配慮した商品やサービスを選択する「エシカル消費」(※エシカルは英語で「倫理的、道徳上の」)という消

もっとみる
日本語を正しく使おう

日本語を正しく使おう

人材紹介ビジネスの関係者が用いる言葉の中で、長く違和感を覚え続けている言葉(用語)について、ついに我慢できなくなり投稿してしまいました。

それは「母集団形成」という言葉です。

「特定の求人に対して応募者を集める(=応募者群を形成する)」ことを指して日常的に使われるのですが、その意味合いで使うべき用語は「応募集団形成」です。

そもそも「母集団」とは統計学の用語で、『調査や観察の対象とする集団全

もっとみる
新しい顧客のつくりかた

新しい顧客のつくりかた

山脇秀樹氏著『新しい顧客のつくりかた』(東洋経済新報社)。
消費者の観察と丹念な洞察をもとに、デザイン思考によって商品に独自の世界観と意味をもたらす手法について、極めて具体的なユーザー像やその購買活動に関する事例を挙げて解説しています。

かつて性能と品質で世界を凌駕した日本製品には、それらとは異なる新たな意味付けを行なうことによって再び世界を驚嘆させ得るポテンシャルがあるという前提で、その道筋を

もっとみる
データは有益だが「顧客の声」の代わりにはならない

データは有益だが「顧客の声」の代わりにはならない

#Harvadbusinessreview から『データは有益だが「顧客の声」の代わりにはならない』
顧客に関する真のインサイトを得るためには、ビッグデータをもとにした詳細な分析データではなく、一人一人の顧客に向き合うことが必要であるという論考です。

 まず筆者は、相関分析と回帰分析などの手法を用いて大量のデータを解析することには一定の意義を認めながらも、そうした分析手法に頼るあまり企業の経営

もっとみる
“35%”はいつまで続くのか /第3回

“35%”はいつまで続くのか /第3回

前回は、世の中の変化に伴い日本の労働市場がどのように変化するのかを予測してみましたが、今回はそれに伴い人材紹介会社や人材紹介コンサルタントがどんな変革を余儀なくされるかについて考えてみます。

<第1回> 世界的に見て高額なわが国の人材紹介手数料(35%)

<第2回> わが国において予想される労働市場の変化

前回私が挙げた変化(予想)は以下のようなことです。
変化-1)年功型賃金カーブ

もっとみる
”35%”はいつまで続くのか /第1回

”35%”はいつまで続くのか /第1回

 人材紹介会社にとっての売上とは、取引先企業に推薦した登録人材が選考を通過し、実際に入社した際に成功報酬として受領する「紹介手数料」です。
今日の相場では、入社した人材が入社初年度に受領するであろう想定年収(残業や通勤を除く諸手当と賞与)に35%を乗じた金額で、例えば想定年収1,000万円の人材を媒介した際の成功報酬は350万円ということになります。

 この「35%」が高いのか安いのか、それ

もっとみる