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日々思ったこと。

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巷で耳にした、誰かが話していた。 そんなことを、あれこれ考えてみる。
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揚げ鍋からのアプローズ

揚げ鍋からのアプローズ

私としたことが、うっかりしていた。
明日の晩ご飯にと丹念に唐揚げを仕込んだあとで気づいた。
あぁ、私の誕生日じゃないか。
なぜ自分の好物にしなかったのか悔やまれる。
加えて、休日に揚げ物なんて、余計な労力まで費やさねばならない。
怠惰を決め込んでも文句を言われない年に一度の日を見落とすなんて、いやはや、うっかりにもほどがある。

ともあれ、ここ数年、どうにも自分の年齢がしっくりこない。
ふとしたと

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屑のような時間から生まれるもの。

屑のような時間から生まれるもの。

何から書けばいいかわからない。
そんな気持ちのまま、気づけばもう一月の終わりが見えようとしている。
新たな年を迎えたにもかかわらず、今年の見通しとか、予想図とか、そんなものが一瞬でぐにゃりと歪んだ年始だった。
明るい兆しを浮かべれば浮かべるほど、嘘臭く、空虚に見えてしまう。

それでも、誰にも変わらず、毎日は巡ってくる。

こういう時、いつも思う。
自分の手には実に無力なものしか備わっていないのだ

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Unlock my locks.

Unlock my locks.

片付けるというのは、「動かす」と「捨てる」というじつに複合的な作業だ。
「動かす」だけならば単なる模様替えに過ぎないけれど、「捨てる」となるとまた話は変わってくる。
これまでも幾度となく取捨選択を強いられてきた、こまごまとしたものたち。
今、手元に残るのは、それらの中からさらにふるいにかけられた選ばれしもの。
要は、もう後がないベテラン小品ばかりなのだ。

そんな中でも、いつもとりわけ手が止まって

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虹の切れ端

虹の切れ端

下校時刻、電話が鳴る。
あぁ、またか。
だいたいは、誰それと遊んでよいか、お腹が痛いから迎えに来てくれないか、そんなのが大半である。
やれやれと思いながら通話ボタンを押す。
ところが、今日は何だか声音がすこし違う。
「めっちゃでっかい虹が見える」から見てくれ、と上気した息が混じる。

へぇ、虹か、ひさしぶりだな。
ベランダに出てみるも、それらしいものは見当たらない。
諦めてふたたびパソコンに向かう

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隔たりの中。

隔たりの中。

日々流れくるタイムラインの混沌に混乱しながら、それに慣れてしまいそうな感覚の麻痺をどこかで嫌悪する。
普通に暮らすこと、と思い描いても、そこからかけ離れた無数の普通を垣間見ると、自分のいる場所がぼんやりと霞んでくるような気がする。

日常を続けられる人は日々を維持することで、回り回るうち、少なからず、日常が崩れた誰かの役に立つこともあるのかもしれない。
そう思っていた。
けれど、そんなふんわりと甘

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ようこそ、ここへ。

ようこそ、ここへ。

すれ違いざま、外国人の男性とぶつかりそうになり、とっさに「Oh,sorry!」と声が出た。
同時に、「あ、すみません!」と流暢な日本語が返ってきた。

いつからだろう。
ここはそういう街になった。
あらかじめ学ばれている。
言葉も、作法も、楽しむべきことも。
先ゆく道は手の中の画面が教えてくれる。
ここはどこの国だろうかと思うほど、海外の人ばかりが目についても、道を訊かれることは少なくなった。

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filtered words

filtered words

最近、違う国の言葉を勉強している。
といっても、勉強というよりは、知らない言葉をぽろぽろと調べては照らし合わせてなるほどと思う。
そんな感じに近い。

聞いたことのない響きは、自分の国の言葉についあてはめて、すこし面白く感じたりもする。
はじめて触れる言葉というのはこんなふうだったかと、とても新鮮な心持ち。

新しい言葉に触れるうち、同じような言葉や言い回し、よく見かける単語があることに気づく。

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黄金ロード

黄金ロード

お酒とはつくづく不思議な飲み物だと思う。
同じお酒でも、ちょっとした気分や、体調、雰囲気なんかで本当に味が変わってしまう。
いや、どうかすると、楽しい時間に置かれたそれはまるで味がしない。
水で喉を潤すかのように、するするといつまでもグラスを傾け続けている。

ところが、心が刺々しいときはまるで、良薬のふりをして近づき、苦々しく舌の上に嫌な味を残す。
その苦さを消そうと、つい盃に手を伸ばしては後悔

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そこにだけある。

そこにだけある。

空は正直だ。
温度は変えずとも、きっかりと次の季節の姿になっていく。

美味しくないわけではないけれど、あまり出来のよくなかった夕食を食べ終えると、どっと疲れが上乗せされるようで、流しの鍋がいつもより重い。
美味しくないものを食べるから疲労が加速するのか、調子が悪いときにつくるから旨くないものが出来上がるのか。
ニワトリが先かタマゴが先か、それに似ている。
ともかく、不調と失敗料理の連鎖はそろそろ

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丸くおさまらない。

丸くおさまらない。

つくづく、丸とは無駄の多いものだなと思う。
空間にあれば、どこかに隙間ができる。
収まりの悪い、置けば転がる不安定さ。

毎日、四角い画面と睨めっこをして、その中にある、さらにちいさな四角の中を整える。
丸より四角。
無駄のない余白。

けれど、自分の手から生み出されるものはどれも、丸っこいものばかり。
机上にコロンと転がる、アンバランスさ。
誰かがつくった四角を整えること。
自分だけの丸さをつく

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nonfiction to fiction

nonfiction to fiction

共有されずに放置された記憶というのは、時間が経つと、本当にあったのかどうかすら、わからなくなることがある。

たとえば友人と、あの時あんなことがあったよね、そうそう、というやり取りが、数年に一度でも続いていたとしよう。
するとその記憶は、名はなくとも、たしかにあったこととして、二人の間に残っていく。

けれど、仮に片方だけが覚えていたとして、それが本当にあったことなのか、どうやって証明できるのだろ

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あと半分への手土産。

あと半分への手土産。

これだけギラリとした暑さが続いているというのに、このところどうにも夏が過ぎたあとのことばかり考えてしまう。

何事も、半分過ぎるともう終わりの気配が漂ってくる。
仕事なら昼休み、一週間なら水曜日、四季なら夏、といった具合に。
同じ時間が残されていたとしても、流れゆく速度はやけに速く感じて。
あれよあれよという間に、ついこの前脱いだはずのダウンジャケットをもう羽織っていたりするのだから恐ろしい。

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曇りの日とチューニング。

曇りの日とチューニング。

昔からFMラジオが好きで、一日数時間は聴いている。
アナログの代表みたいだったラジオですら、今やアプリに乗る時代。
聴き逃したものまで追いかけてくれたり、遠く離れた土地の音まで聴けたりするのだから、便利になったものだ。

かつてはアンテナ線を窓辺で右へ左へと動かしながら、ノイズが最も少ない場所を探したものだった。
あぁここだ、というところで手を離すと、ふたたび雑音にかき消されてしまう。
しかたなく

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真夏の夜の夢

真夏の夜の夢

子どもの頃は、寝る子は育つとよく言ったものだ。
しかし育ちきったこの歳になるともはや、何のための睡眠なのかと思うことがある。
体力を回復させる。
そうはいっても、そもそもの体力がまず土台薄い。
やれ夢見が悪い、やれ肩を寝違えたと、ぐったりして目が覚めることも珍しくない。

先日、飼っていたハムスターが自転車のカゴから脱走した。
あっという間に走り去る毛玉。
呆気に取られ、その姿を見送ってからしばら

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