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秋夜は歩みが遅くなる。
夜道の電話では必ず月の話になる。
それは告白の言葉でもあるが「そろそろ電話を切りましょう」の合図でもある。
公演初日の夜は中秋の名月だった。
多少の疲れを引きずって、劇場を後にした僕は折り返しの電話に耳を傾けながら家まで歩くことにした。
電話の相手は中学までの同級生である。
差し入れへの御礼と、忙しさにかまけた素っ気ない態度を詫びたら、あとはたわい無い話しが続いて少しずつ英気が養われていっ
本音を言えば、チッチキチー。
漫才コンビ大木こだま・ひびき師匠の
代名詞的ギャグと言えば「チッチキチー」。
たしか、僕が小学校2年生くらいのときに大流行した。
おかげで当時の教室には親指の先にサインペンで「チ」と書いた子供が何人もいた。
大木こだま・ひびき師匠の漫才には、
必殺フレーズが無数にある。
「そんなやつおれへんやろ〜」
「わからへんねや〜」「ボケとんのや〜」
「情けないんや〜」「往生しまっせ〜」などなど。
中で
ごめんあそばせ、ギャングエイジ。
大学の友人が今年から、
新宿のど真ん中にある小学校で働きはじめた。
しかも、
いきなり3年生の担任の先生をしている。
小学校3年生の頃の記憶など皆無に等しい。
年齢にして9歳ごろ。
誰と仲が良かったのか、
何に興味を持っていたのか、
運動会の演目はなんだったか、
好きな子なんていたのだろうか、
どういうわけかほとんど思い出せない。
僕にとっては特別な思い出が無い、
空白の一年だった
それは7月の夜の四条通りよりも美しかった。
僕がケスクセクモアの稽古場で、
親しくなった一人は役者の藤澤賢明さんだ。
藤澤さんと僕は、
共に京阪電車に乗って帰るので稽古終わりの四条通りを一緒に歩くことがある。
その日もたまたま同じタイミングで稽古場を後にしたので駅まで歩くことにした。
二人とも「安住の地」の芝居をまだ観たことが無いという共通点があり、帰り道には決まって「いやぁ、面白いっすよねー。安住の地」という話にはじまり、その
接吻との再会(もしくは犬のTシャツ)
パンダ族を避けてクリムトに逢った。
年号が変わって3日目。
午後の予定が無くなったので、
急遽東京都美術館に行くことにした。
クリムト展がやっていることは、
渋谷駅で知った。
井の頭線のホームを降りたところの
ポスターはいつもどうしてあんなにも
魅力的なのだろう。
渋谷駅と新宿駅には、
クアトロボードと呼ばれる
掲示板があるのだがあそこに
載っている展示を何度観に行ったことか。
塔浪記〜或いはマサイの奮闘記〜
念願叶って太陽の塔の中を観た。
高校生の時にBOOKOFFにて百円で買った『自分の中に毒を持て』を読んで以来すっかり岡本太郎の虜である。
上京したての頃は、
TAROフリークの友人と共に “TAROめぐり”と称して関東各所にある岡本太郎ゆかりの地を巡ったりもした。
“芸術は爆発だ!”が最も有名な岡本太郎の言葉だが、僕が好きなのは“字は絵だろ”である。
“字は絵だと思う”
みたいなど