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宝石💎のような

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感銘を受けた珠玉の記事を感謝と共に収めました。ありがとうございます。
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#エッセイ部門

運命の扉の開き方

運命の扉の開き方

実は、9月の終わりに、もうそろそろ今年は終わるなと急に思い立ち、10月以降の1年間の年間スケジュールを立ててしまっています、笑

ま、1年の始まり・・・
というか、新しい月日の始まりって、人によって違ってもいいもんね♪

なんでそのタイミングで今年の終わりが来たのかな〜って改めて考えてみると、私にとって大半を占めていた物事があるのだけど、それを手放す時期が来たから、「あ!一年が終わる」って感じたの

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賑やかし帯を使ってくれる、みなさんへ。

賑やかし帯を使ってくれる、みなさんへ。

日々、 賑やかし帯 を使ってくださっている

みなさん、本当にありがとうございます!

沢山の御縁に恵まれ、有り難いことに沢山の方に 賑やかし帯 を知っていただき、ご使用いただけております。

今回は、使ってくださる皆さんへ改めて『お礼の気持ち』と、2点の『伝えたいこと』があり、この記事を書くことにしました。

しかし、文章がダラダラ長い事で定評のあるいつき。

お時間を取らせても悪いので、最初の

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ここにいるよ、ここにいる。

ここにいるよ、ここにいる。

じぶんの歩いてきた道をたとえば
白い地図に点と点でつないでゆけば
どんな線を描くんだろうって時々
夢想してしまう。

でたらめな線を描きながらも、変わらず
そこにいてくれたのは母かもしれない。

結婚もしなかったから。
離婚した母と暮らしてどれぐらいに
なるだろう。

太陽がいっぱいみたいに、わたしにとっては
まぶしいほどいっぱいだ。

昔は喧嘩もしたし、悪態もついてシカトもした。
沈黙戦を決めて

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『女子留置所の中』【5715文字】 #エッセイ部門 企画参加作品

『女子留置所の中』【5715文字】 #エッセイ部門 企画参加作品

『女子留置所の中』

「わかっているわよね」
店を出た私に中年女性が声をかけた。
鋭い視線で、私の前に立った女に向かって私は頭を下げた。

引きずられるようにして店の事務所へと連れて行かれる。女は私を離さないとばかりに腕を強く握っていた。

事務所では店への弁解の余地無く警察官へと身柄を引き渡された。ヨロヨロとした足取りを両脇で警察官に支えられながらパトカーに乗り込む。
パトカーの後部座席は思った

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ハルヲさんのロールキャベツって、手紙みたいだった。

ハルヲさんのロールキャベツって、手紙みたいだった。

昔、わたしがまだ小学生くらいだった頃、母の暮らす家には母の弟の叔父さんハルヲさんが住んでいた。

ハルヲさんはわたしにとって、お父さんでもない。

なにか友達のような存在だった。

だから、ハルヲさんのことをおじさんではなく、ハルヲちゃんって呼んでいた。

仕事はデザイナーをしていた。

ハルヲさんの事務所に行くと、いろいろな面白い形のオレンジ色の雲形定規や、色とりどりの鉛筆削り。

切り張りする

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父が描いた絵に、さよならの時の父の背中を思い出していた。

父が描いた絵に、さよならの時の父の背中を思い出していた。

父親が定年してから、はじめたのは絵画だった。

昔から、絵を描いて暮らしてゆくのが、

夢だったらしく。

画家を目指したこともあったらしいけど。

暮らしていけないからと、医療従事者の

職業を選んだ。

今も週に何度かは勤務していて、

ずっと働いていた事業所の定年間際から

教室に通っていると、聞いていた。

絵画の先生が、寡黙だけど、なかなかええんや。

って言って。

じぶんでちゃんと描

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勝手に逝くなよ。

勝手に逝くなよ。

静謐な鼓動へ、勝手に逝くなよ、とぶっきらぼうにつぶやいて涙した。そんな言い方しかできないのは、これから訪れる深い喪失に対しての防御だったし、言葉がわからなくても心は通じ合っている、と信じていたから。

すると、愛犬は、頭をスクッと持ち上げて後部座席から父母を見て、そのあと隣の私をじっと見た。その眼は、晴れた日の空色でとてもとてもきれいだった。そして、愛犬は、眼を瞑り口をくちゃくちゃさせて大きく長い

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