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エッセイ

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ノンフィクション、実録エピソードです。生きづらさ、自己肯定感、悩みが中心。
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#スキしてみて

ミュートのすすめ

ミュートのすすめ

今まで誰にも言わなかったことがある。かなり性格が悪いことが露呈してしまうから、黙っているつもりだったのだが、最近やたらネットで目につくようになったので、ここで書くことにする。

特定の人たちの「それって、ただの自慢ですよね?」と思うような発信についてだ。

具体的な名前は伏せるが、先日「うちの子どもは、こんなに本を読むのが好きなんです」という作家の親バカを、新聞のコラム欄で見かけた。また、「私って

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妬みは幸せのチャンス「あの人の海外駐在を、なぜ素直に喜べないのか?」

妬みは幸せのチャンス「あの人の海外駐在を、なぜ素直に喜べないのか?」

Facebookを開くたびに、少し緊張する。「どうか嫌なものが目に飛び込んできませんように」と思いながら、いつも恐る恐る開いている。

「じゃあ、そもそも見なければいいじゃないか」と思うかもしれないが、友人と連絡を取るために必要なのだ。友人の中には数名、LINEを使っていないからFacebookのメッセンジャーだけでやり取りしている人がいる。その人から連絡が来そうな時はFacebookを開くのだが

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ぎっくり腰で、車に轢かれそうになる #育休から育業へ

ぎっくり腰で、車に轢かれそうになる #育休から育業へ

第二子の育児休業は、ぎっくり腰とともに幕を開けた。

長女が生まれたのは、長男が2歳の頃だった。0歳と2歳の子供たちは、二人とも赤ちゃんみたいなものだ。どこかへ移動する時は2歳長男をベビーカーで、0歳長女を抱っこ紐に入れていた。

栄養不足、運動不足、寝不足。母親にとって産後は、足りないものをあげたらきりがない。育児給付金もしばらく経たないと振り込まれないから、お金も満足にあるわけじゃない。
当時

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【エッセイ】創作大賞の中間選考を通過するまで~自己肯定感とのデスマーチ~

【エッセイ】創作大賞の中間選考を通過するまで~自己肯定感とのデスマーチ~

「五菱銀行 怪奇事件 専門課」が漫画原作部門を通過するまで

五菱銀行 怪奇事件 専門課「呪いの銃①」 が、noteが主催する創作大賞の中間選考を通った。これまでに出版詐欺に遭い、賞に応募して落選することに慣れ切っていたから、「【おしらせ】あなたの作品が創作大賞の中間選考を通過しました」というメールを受け取った時、「詐欺か?」と感じてしまった(運営さん、疑ってすみません)。

また創作大賞には四部

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【エッセイ】いきなり老人ホーム

【エッセイ】いきなり老人ホーム

 物心ついた時から「高学歴で大企業の会社員か医者か弁護士にならないと、人生終了」という思い込んでいた。これが変わったきっかけは、大学入試に惨敗したことだけではない。祖父の老人ホームで遭遇した、ある出来事だった。(思い込みが変わった後も、「今まで必死に求めてきた学歴が全てじゃない。だとしたら、自分は今まで何をしていたんだ? そもそも人間の価値って何なんだ?」という問いに、苦しむことになるのだが)。

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存在理由

存在理由

陽が暮れた学校ほど、おかしなことが起こる場所はない。人生で最もおかしなことが起きたあの場所は愛知と岐阜の県境にある、私立の中高一貫校だった。

あの頃、高校校舎の一階廊下の突き当りに鏡が置かれていた。何の特徴もないガラスの板だ。だだ、置いてある場所が妙だった。誰が廊下で身だしなみを整えるだろう? 機能としては最悪だが、高校生の暇潰しには最高だった。正解のある受験勉強に飽き飽きしていた生徒たちは、「

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いいことを言う奴は、だいたい疑った方が良い

いいことを言う奴は、だいたい疑った方が良い

 思想家・吉本隆明による言葉で「いいことを言う奴は、だいたい疑った方が良いぞ」というものがある。どういった文脈で書かれたのかは忘れたけど、大学時代にこの『教え』に出会い、十年以上経った今でも心に残っている。

 同じような意味で「巧言令色すくなし仁」という四字熟語もあるが、少しニュアンスが違う。「巧言令色~」は「口先八兆でうまいことおだてて、高額の住宅ローンを組ませる不動産営業マン。自分の利益を優

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仕事についてなんて話したくねえよ

仕事についてなんて話したくねえよ

仕事についてなんて話したくねえよ。本当のところ、会社員の誰もがそう思っているんじゃないだろうか。

そもそも労働というのは、大きな嘘である。新卒から一貫して法人営業という詐欺みたいな行為で生計を立てていたから、余計にそう思う。銀行員の頃は、利益率の高い金融商品をひたすら客に売りつけていた。諸事情により詳細は書けないが、別の職場では”こんなサービス買うバカいるのかよ?”と思いながら営業をしていたこと

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