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仕事についてなんて話したくねえよ

仕事についてなんて話したくねえよ。本当のところ、会社員の誰もがそう思っているんじゃないだろうか。

そもそも労働というのは、大きな嘘である。新卒から一貫して法人営業という詐欺みたいな行為で生計を立てていたから、余計にそう思う。銀行員の頃は、利益率の高い金融商品をひたすら客に売りつけていた。諸事情により詳細は書けないが、別の職場では”こんなサービス買うバカいるのかよ?”と思いながら営業をしていたこともある。みんな嘘つきで、自分もその一端を担っている。それが大人になるということだと、二十代の頃は思っていた。恋愛もキャリアも人生が何もかもうまくいかないのは社会がクソだからで、こんな世界は爆発すれば良いと思っていた。

出口が見え始めたのは、三十代を過ぎて、副業を始めた時だった。当時、会社では上がいたため、自分のスキルはまだゴミクズだと感じていた。しかし副業では、自分のスキルを高く買ってくれる人がいる。何より会社と違って、感謝してもらえる。くだらない出世ゲームからも抜け出すことができる。

だから、とにかくなんでもやった。銀行の経験を生かして融資を受けるためのアドバイスをしたり、お金のコラムを書いたり、英語の翻訳をしたり、漫画のシナリオなんかも書かせてもらった。中でもインサイドセールスのコンサルティングは楽しくて、時間を忘れてしまう程だった。これは業務が始まる前から”早く仕事、終わんないかな”と思っていた会社員時代には、考えられない変化だった。

仕事はいくらでもある。突拍子もない変な案件もたくさんある。もし今、”仕事についてなんて話したくねえよ”と考えている人がいたら、ぜひ副業をやってみてほしい。地球の爆発を願うより、必ず幸せをもたらしてくれる。相手に感謝されて、しかもお金がもらえる”仕事”では、誰かに話したくなるような経験や、素敵な人との出会いがきっと待っている。

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