【俳句観4】素人は意味をたくさん含む単語を使おう☕
俳句は使える字数が限られているので、できるだけ意味を多く含む多含意単語を使いたい。例えば、「サイフォン」は ”コーヒー☕の香りが漂う喫茶店の中で何か飲食している” 情報をたった5文字で説明・表現することができる。
その前提として、「サイフォンを置いている家庭なんてそうそうないでしょう?普通は喫茶店くらいのもんでしょうよ」のような偏見が含まれていて、またそれを忖度して読んでくれる読み手がいて初めて成立する。もちろん例外があるのは承知しているけれど、いちいち例外を考慮していたら俳句が詠めなくなる。ほとんどの人は喫茶店の光景を頭に思い浮かべるはずだ、と苦渋の割り切りをするしかない。これが俳句特有の忖度の典型例だ。
話は変わるが、数年前から喫茶店業界にはコーヒーの抽出を実演し、その出来上がっていく過程や雰囲気をお客さんが楽しむことができるサードウェーブ(ブーム?)が来ているらしい。抽出方法にはサイフォンをはじめ、紙で濾すペーパードリップ、布で濾すネルドリップ、上から押さえつけるフレンチプレス、水出しのダッチコーヒーなどたくさんの種類があって、油分量によるコクと香りの違いを楽しめる。自分はペーパードリップの味しか知らないから、いつかはサイフォンで淹れたものを味わってみたい。おそらく、ペーパードリップは手っ取り早く抽出できて、後片付けも簡単だから喫茶店でも家庭でも多用されているのだと思う。
さて、「サイフォン」には状況の説明以外に、作者に嬉しい五感情報もボーナスとして含まれている。
これら全てに訴えられるので「サイフォンからどういう展開に持って行くのか?」の分岐の多さ(想像の広がり)は読み手にとってもありがたい。自分のような創作素人には、意味をたくさん含んだ単語の助けがあることで句の窮屈さを和らげてくれるメリットもある。
ちなみに、コーヒーカップの取っ手(輪っか)に指を通して飲むのはダサいとされている。もし、喫茶店に行くようなことがあれば親指・人差し指・中指の3本で摘んで飲むのが無難かもしれない。自分はこれを喫茶店に行ってやってみたのだが、これが案外難しい。指がぷるぷる、コーヒーの水面もぷるぷる震えて怖いことこの上なく、別の意味でダサい結果になってしまった。慣れればできるようになるのだろうか?
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