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当世風姿花伝 ―かりそめの命に『魂』を吹き込む人々―

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世界最古の演劇論・芸術論は、中世の日本で生まれたとされている。約600年前、能楽観世流の中興の祖たる十五世・世阿弥が著した一子相伝の秘奥義書、それが『風姿花伝』である。 本書の… もっと読む
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#舞台

公演前日に出演決定。演技未経験の人間が俳優になった日。

公演前日に出演決定。演技未経験の人間が俳優になった日。

前日、3/15当日きたお客さんの中から一人を舞台に上げてショーを行う。主催者はこの企画を行うのは3度目だが、即興のため共演者とは当然初めてになる。
セリフも台本もない。打ち合わせも、ない。
どんな事を考えて結末に向かうのか?

そんな挑戦を見たかった。見るだけのはずだった。

が、前日に事態は思わぬ展開を見せた。

3/15、公演前日。Twitterのスペースにて。

「台本がある舞台は起承転結が

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俳優マネジメント事業。俳優のスキルって応用力が高いから、いろんなところで活かしたい。

俳優マネジメント事業。俳優のスキルって応用力が高いから、いろんなところで活かしたい。

2月1日付で、4人の俳優が合同会社舞台裏の所属となりました。
小学3年から一緒にお芝居をやってきた柴田茉莉、中学高校と演劇部の同期の加藤彩、劇団Яealityで出会った丹波枠、そして先日のStage LARPでビビッと来た大塚琴子。
それぞれの長所を存分発揮してマネジメントしていこうと思っております。

舞台裏が所属を作ったわけついに舞台裏が俳優マネジメントを始めました。舞台の裏側に徹すると言う会

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台本をすべて読む

台本をすべて読む

ぼくが以前専門学校で講師をしていた頃、
「台本は一日一回以上、自分の出ていない部分も含めて最初から最後まですべて読む事」
と伝えていました。

今もこの考えは変わっていません。

どんな仕事でも言える事ですが、仕事は仕事であるからです。
たとえ誰かに支持された『仕事』であっても”動作”や”作業”ではなく、あくまでも結果が伴う仕事だからです。

つまり、世の中にあるありとあらゆる『仕事』は『結果』が

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女にゃ勝てない。

女にゃ勝てない。

最初に申しておきますが…この記事はフェミニスト云々ということではなく、ぼくが舞台演出をする上で大切に思っていることを書くつもりです。

結論から申せば、ぼくは女性を非常に尊敬しています。
それは産み出す力を持っているからです。

▼産み出す力世の中には男と女が居ます。
世界中の生物の中には例外もあるかもしれませんが…人間で言えば、女性には「産み出す」力が備わっていると認識しています。

男にはない

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#舞台邪神ちゃんドロップキック @大阪!

#舞台邪神ちゃんドロップキック @大阪!

3月20日に舞台邪神ちゃんを観劇させていただきました~(🎀 ֦ơωơ֦)✨

コロナで延期になってしまってから数か月、やっと幕が上がる日を迎えられてキャストの皆さんの気合が凄かったです!

新幹線に乗ってビューンと新大阪へ、そこから地下鉄でなんば駅に

そしてふら~と劇場の係りの方に「キャストなんですけど、どこから入ったら良いですか?」と声を掛けたら

「えっ!?おひとりですかっ!?」と凄くビッ

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オーディションに落ちることは、必ずしも実力がないからとは限らない

オーディションに落ちることは、必ずしも実力がないからとは限らない

先日、劇団Яeality第8回公演に出演してくれた中田くんとご飯を食べに行きました。

中田くんは=9という劇団の主宰で、現在旗揚げ公演の稽古をしています。
その中で、オーディションの話になりました。
=9は、演出家(中田くんではありません)が合格者を決めたとのこと。私もかなり私の裁量で合格者を決めるのですが、オーディションで何を見ているかがかなり違いました。

何度もオーディションを受けているの

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残心

残心

ぼくがお芝居を創る上に大事にしていることの一つに「残心」というものがあります。

この言葉は演劇で使われる言葉ではなく、武道や茶道で特に用いられる言葉です。

▼残心とは・・・Wikipediaによると

残心(ざんしん)とは日本の武道および芸道において用いられる言葉。残身や残芯と書くこともある。文字通り解釈すると、心が途切れないという意味。意識すること、とくに技を終えた後、力を緩めたりくつろいで

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オペラの"台本"を読むときに知っておきたいこと

オペラを勉強しようと思ったときに、かならず直面する作業がふたつあります。

ひとつは、楽譜を読むということ。

もうひとつは、台本を読むということです。

ほとんどのオペラ歌手は音楽大学などで、専門の音楽教育を受けています。なので、能力値の差はあるかもしれませんが、一様に一定以上のクオリティで、楽譜を読むことができます。

ただ、台本を読むということはそうはいかないようです。

これは僕の実感も伴

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古典から学び、自分の作品づくりをすすめる

古典から学び、自分の作品づくりをすすめる

舞台俳優は体一つでできる。とても簡潔なのだけれど、そのぶん突き詰めれば突き詰めるほど奥が深い。あらゆる能力の総合値が指標になる。体も心も頭も鍛えなければならない。やるべきことは多すぎるほど多い。