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三山 優
2024年2月2日 22:10
あなたが好きあなたのいない世界なんて考えられなくてあなたのそばにいればいるほどあなたとわたしの境界が溶けてわたしの中にあなたが見えなくなって触れられなくなるからあなたとわたしのあいだにちかすぎずとおすぎない適切な距離をつくってあなたの光をその輪郭をわたしに反射させてください手を伸ばせば触れられる距離にあなたの形をあなたはわたしとちがうひとだからわたしは
2024年1月30日 05:24
あなたを想う星夜空を流れて静かに涙したどうして心はあなたに伝わるのどうしてぬくもりはわたしをあたためるのどうして夜空は広いのに同じ星を見ているのあなたが想う星夜の隅で光って優しく笑った2017.12.20
2024年1月24日 21:33
中学生のころ誰と話しても面白くなくて休み時間に十円玉たくさん持って公衆電話からでたらめにかけてたって社会人になって旅先で出会った女の人と日本に帰って食事をしたとき宇宙の話を熱く語ってつまらないって言われたってああわたし、そのときそこにいたらあなたを好きになってた窓から飛ぶことばかり鏡に沈むことばかり考えていたわたしは大人になってもなんにでもなれると
2023年10月18日 21:07
過去の風吹いてひさしぶりにあなたの名前つぶやいたその名に含まれた波の色を夜空の色を思い出してああ、わたしはあなたをあなたを、愛したわたしをいつだったかいつだったか手放した何度くりかえし呼んだかわからないその名を好きだったその名が意味するものをすべて今だってあなたに会いたい会ってどうするでもないけれどすこし照れて名前を呼んで、笑い合っていま好きなひとがい
2023年10月18日 20:48
明日なにを着ようかあなたと会う前のわたしのささやかなたのしみこの前セールで買ったばかりのキャミワンピースをおろそうかでもそろそろ寒いからお気に入りのニットワンピもいいかもそれともあなたにもらった同じ趣味のパーカーも着たいあなたに喜んでもらえる服を着ることそれがわたしのささやかなよろこび服を着ることお化粧をすることおめかしをすることはあなたに会うための聖なる儀式あ
2023年9月30日 10:13
「ここ、いきたい」パンを齧りながら送ることしの夏はふたりで走れなかったから大阪のはずれの山のカフェお掃除とお買い物すましてスマホを見たら起きたばかりのあなた「いいよ」とひとつ返事めずらしいなとおもってなれないまとめ髪してたらちかづいてくるおおきな地響きはいつもとおなじあなたにかりたヘルメットとサングラスいつも似合わないって笑われるまっくろな車体にピンクの座布団しいてうし
2023年9月25日 10:06
すきということはしりたいということとおなじなのかなすきなひとやすきなもののことはしりたいとおもうものけれどずっといっしょにいるともうしったようなきがしてすきということはただそばにいることのようなそんなきがするけれどおだやかにしりたいとおもいつづけるきもちそれがたえないことがあいというものなのではないかとおもうだからあいはえいえんにそんざいするのだとおもう2023
2023年9月12日 10:35
目が覚めたら昔の彼がいたわたしは安堵ではなく喪失感を覚え彼はわたしを抱きしめ「おかえり」とささやいたわたしは、この抱擁で感じられないあたたかさがついさっきまであったことを思い出したけれどそのあたたかさが誰によってもたらされたのかどうしても思い出すことができなかったそのあたたかさはわたしがつくりだしたまぼろしなのだとひとりごちて目が覚めわたしはひとりなのだと
2023年9月9日 18:43
あなたのことばあなたの思考の迷路からやっと出てきたそれなのにわたしはそのことばわたしの思考の迷路に当てはめて迷宮入りわたしの思考の迷路の中で出口が見つからずに腐りかけてる悲しみや怒りがあなたのことばを攻撃するあなたの迷路からやっと生まれてきたばかりのきれいで未完成なことばがわたしの黒黒とした感情に殺されてしまうわたしの迷路は悲しいわたしはわたしの迷路を彷徨う
2023年9月5日 21:57
夜になるとあなたのことを思い出すうそ、朝でも昼でもふと、こころがあなたを追いかけているさみしいんだと思ってたあなたに会いたくてなのに会えなくてこどくを感じるのだとけれど、あなたからの電話であなたの声を聞いてほっとこころがあたたかくなったとき同時に、胸がくるしくなってただただあなたを好きな気持ちだけがわたしをくるしくさせるのだと気がついたあなたと出逢ってず
2021年12月30日 12:15
今日は寒いからなんだか少し寂しくて声を聞きたくなったけれど迷惑かなってコートのポケットにしまったばかりのスマホが鳴ったあなたの名前がディスプレイに浮かんで考えるより先に指が動いたもしもし?弾んだ声であなたの返事をねだるもしもしいつもの落ち着いた声に一瞬で心が温まるわたしに話したいと思ってくれたの?それともわたしの声を聞きたくなった?わたしは相槌を打ちながらあな
2021年7月9日 08:43
涙の季節にあなたと出会い以来7月7日は止んでいたそれまで必ず降っていた雨さえ前日まで晴れていても必ずその日は雨だった会いたい人に会えない涙が空から溢れていたあなたわたしの何もかも変えたわたしの涙声悲しかったのにいつもひとりだったのにいまわたし、笑ってるみたい今朝、起きたら窓の外、雨が降りしきってあなたとの約束を思った一年で一日だけ降らないでと願う日に初
2021年6月10日 00:47
走る雲エンジンの唸りガソリンとカボティーヌと遠くの海のにおいあなたと眺める空はいつも忘れられない予感がする懐かしい木々と太陽の光線とダイアモンドの海二〇二一年六月どこにも行けなくて誰もいない空港へ行った飛行機が見たいとあなたは言ったあなたの見たいものが見たいと思った広い空港を彷徨ったけれどお店はほとんど閉まっていて飛行機は見当たらない今日は月曜だからほとんど
2020年9月21日 12:52
あなた、その話楽しそうにするのわたし、あなたの話嬉しそうに聞くの出会ってきた沢山の人たち訪れた場所や触れたものあなた、好きなのねわたし、彼らや彼女らには会えないけれどそこへは行ったことないし見たこともないけれど繰り返し何度も聞くうちにほら少しずつ見えてくる若さの匂いとか悲しみや絶望の手触りとか迷いや苦しみの輪郭とか喜びや希望の本質とかきらきら光って宝石みたいね