三山 優

読む人の心の奥に触れる文章を紡げる人でありたい。言葉の意味、言葉の由来を辿れる書き手で…

三山 優

読む人の心の奥に触れる文章を紡げる人でありたい。言葉の意味、言葉の由来を辿れる書き手でありたい。

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最近の記事

あなたと月が見たかった 月の綺麗な日は あなたと一緒に 見ようと思うのだけど いつもおしゃべりに夢中になって 翌朝になって思い出す あなたと月が見たかった ふと、あなたがソフトクリームを 食べたいと言って 二人で夜のマクドナルドへ バイクを降りたら 月が大きくまんまるで 「綺麗やね」 二人で見た やっと見れたのに もうすぐはなれて暮らすんだね 願いが叶って ひとつの終わりを告げる 食べたかった月見バーガー 食べられなくてもよかった 月が見れなくてもよかった あなたがそばにいれ

    • だれかのしあわせ

      だれかのしあわせを もっともっと 喜べるひとになりたい だれかのしあわせを こころから喜べないとき そこにはじぶんという ものさしだけがあって つまらない ものさしだけがあって じぶんに返ってくるから 人にやさしくするというような あさましさがあって じぶんにはいっさい 利益のない むしろじぶんがすこし 不幸になっても だれかのしあわせを どこまでも喜べるように もっともっと 喜べるように じぶんがよく思われたいからではなく 悪く思われないためでもなく 2024.09.18

      • 20240916 ねこずき

        早朝から、明日が一旦納期の仕事を片付けて、電話で諸々手続きをして、今から仕事仲間に会いに箕面へ向かう。 わたしの登録しているLINEグループに「ねこずき」というグループがある。 在宅での仕事をいただいている職場へ通っていた時、同じくその職場へ通う先輩と同期、そしてわたしの3人に猫好きという共通点があり、同期の子がグループを作った。 わたしが心の中で天使と呼んでいるその2人とは、数ヶ月から半年に一度集まっては女子会をしている。 1人は20代、もう1人は30代の主婦と、年齢も環境

        • 20240915 ハレの日

          今日は人生初の出張仕事。 岡山のホテルで結婚式の当日エンドロール映像を編集した。 昨日の神戸での反省を踏まえて、今日は我ながらいい仕事をしたんじゃないかと思う。 この仕事が好きだ。 しあわせの日。ハレの日。 ファーストカットは、岡山の街並みを眺める新婦手作りのてるてる坊主にした。 人の笑顔を見るのが好きだ。 悲しい顔や、怒ってる顔を見るとつらくなってしまう。 涙を流して喜ぶひと、眩しい太陽のように笑うひと。 そんなひとたちの、思い出をあつかうお仕事。 できれば、今後も続けた

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        記事

          20240913 忘れ物

          ここ数日、仕事が立て込んでいて、並行して引越しの準備もあり、それ以外の思考が停止している。 今日は朝から奈良へ取材に行き、夜は実家に泊まり、明日は神戸、明後日は岡山で仕事。 リュックサックに買ったばかりのノートパソコンと着替えを詰め、カメラを肩から掛けて、重装備で家を出る。 飼い猫のアイスはしばらくひとりでお留守番。 こんな風にバタバタしていると、決まって何か忘れ物をする。 実際、電車に乗ってから、メモを取るためのメモ帳を忘れて家を出たことに気づく。 最寄駅に着いたらコンビ

          20240913 忘れ物

          20240910 躊躇い

          現在住んでいる大阪府堺市のハイツで、お向かいに住んでいる女性と結構濃いお付き合いをさせていただいている。 作った料理を互いに分け合ったり、いただきものをおすそ分けしたり、ベランダ越しに洗濯物を回しながら世間話をしたり。 近ごろは、朝に時間が空くと、お向かいさんのお家にお邪魔をして、珈琲を飲みながらそれぞれの生活の話をする。 お向かいさんは先日70歳になったばかり。年が離れているけれど、親しくしていただいている。 とてもその年齢には見えないくらい若々しくて、吉野のブックカフェの

          20240910 躊躇い

          20240909 はじまりの日記

          9月9日。今日から日記を始めてみようと思う。 紙だと机に向かう時間が必要で、今のわたしではきっとつづけられないから。 ネット上に残すことで、自分で振り返ることもできるから。 いつまでつづくか、わからないけれど。 今日は引越し先の物件の契約へ行った。 不動産屋の開店時間に予約をしていたので、朝の通勤ラッシュとかぶる。 難波で乗り換えたけれど、都会は人が多くてたくさんの感情がぶつかり合っていて、自分が自分じゃないみたい。小さなことに、トゲトゲして、心の余裕が持てない。 ずっと、

          20240909 はじまりの日記

          ひとりでは

          ひとりでは 生きていけないと おもったけれど ひとりで 生きてきたから あなたを 大切にできた きっとあなたも ひとりで生きてきたのね いつでも あなたをおもう ひといきついたわたしを 待ちかねたように 連絡がくるとき もう少ししたら 電話するとか もう寝たかなとか 連絡がなくて あなたが きっと汗を流しているときも 落ち込んでいるときも わたしの知らないところで ひとり 生きていること ひとりでは 生きていけないと おもったけれど これからひとりで 暮らしていくのは ひと

          ひとりでは

          永遠

          通り過ぎた過去の 思い出の密度は いつも 通り過ぎてから 大きくなる わたしが愛したあなた あなたが愛したわたし ふたりの距離が 限りなく近かった そんなことが 涙がでるほど いとおしい 失ってはいけないと しっていた けれど わかってはいなかったのだ 永遠に続くなら それでよかった けれど ふたりがどれだけ近くにいても 重力で塞がれた出口からは どこへもいけない気がして 永遠とは あなただと思った 掴めないひかり それでもわたしを照らすひかり 2024.08.29

          語る

          静かになりたくて本を読む 静かでありたくて書く けれどそれを出すことで 水面に波紋がひろがる よくも わるくも 本当に静かでいたければ 書いても出さないことだ ひとりでただ 書きつづけることだ 人に読まれるということは 関わるということだ 話すということだ 話さないことは できないだろう けれど話すときは 言葉少なに 小さく とりとめのないことを 語っていたい 2024.08.29

          なんでもない一日の終わりに

          かみさまの光は すべてのひとにふりそそぐ けれど幸運は うつわがなければ こぼれ落ちていく どんよくに すこしでも つかみとろうとするひとほど すこしの不運を堪えられず わたしは 与えられた幸運さえ 一歩さがって おずおずと 受け取りそこねる そんなひとに かみさまが 住んでいる気がして なにか いいことがあっても 喜びすぎない 過剰にもとめない 喜びのうらにある せかいの哀しみに 自覚的であること そんな気づきを 言葉にして なんでもない一日が 終わろうとしている 202

          なんでもない一日の終わりに

          信じること

          揉まれていないひとの言葉は 信用しない そこには「我が」という気持ちが 多分に含まれていて 「あなたが」という 自分の背を少し低くして それでいて誇らしく立つような そんな視点が見当たらない なぜ、そうなったのか 耳を澄ますこともなく はじめは誰だって 遠慮する 思いやりがあるようなそぶりを 見せる人もいるだろう よく知らないのに 一方的に距離を縮めてくるひともいる 人を批判することで 偉くなったと勘違いするひともいる 悲しいね 裏切らないひとが ひとり ふたり 裏切る

          信じること

          言葉と土

          そのままで なんと美しいことだろう 変わらないことの中に 変わることがあって わたしたちは どんなに変わろうとしても 変わらないのだ 着飾らない 肩肘を張らない そんな言葉が どんなに有名な人の名言よりも どんなに権威のある人の演説よりも どんなに売れる本の一節よりも 光っている その光をもとめて わたしは生まれてきた 言葉は売れると 輝きをうしなう わたしだけの言葉は あなただけの言葉は あえかな星のように、 ひととき 光って あとはいのちになればいい 言葉とは やはり 土

          たまごサンド

          たまごサンドが食べたい サラダを添えて コーヒーと一緒に 芝生の上に シートを敷いて そう思って 外に出たのだけれど コンクリートが照り返す熱射に 息をするのにも苦しい 花は枯れる そう思っても 咲く花があり 木は風を呼ぶ 台風が来る そんな日に あなたとピクニックをしたい けれどあなたはいない きのう わたしが寝ているあいだに そっと帰っていった 2024.08.28

          たまごサンド

          視野

          小さな国で 生まれた なぜ 小さいのか と 思ってた 小さな人から 生まれた なぜ 小さいのか と 思ってた わたしも 小さく 生きて いる この国を 出なければ 大きな 世界を見て 大きな こころでもって わたしの 視野を 大きくして それではじめて 考える ことが できるのだ 小さな国の 小さな視野で 考えていては ますます 近眼に なってしまう から 知らない 世界が ある 知らない 土地が ある 知らない 人が いる それでも 境は ない 宇宙から 青い地球

          背表紙

          本棚にならんだ 背表紙をたどると ともだちがいる あの青い大地や 見たことのない とおい異国に かれらもいて わたしは かれらを知っている そのことが 勇気になる なにかわからない とうめいなうみに みまもられている 向こうはわたしを知らない それがいいのだ 「関係」はときにきゅうくつだ 生きている もしくは生きていた それだけでむすばれる それだけでいまを生きていける わたしはわたしで かれらはかれらで きっと 生きていける 2024.08.26