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夏の終わり

夜になると
あなたのことを思い出す
うそ、
朝でも昼でも
ふと、こころが
あなたを追いかけている

さみしいんだと思ってた
あなたに会いたくて
なのに会えなくて
こどくを感じるのだと

けれど、あなたからの電話で
あなたの声を聞いて
ほっとこころが
あたたかくなったとき
同時に、胸がくるしくなって

ただただあなたを好きな気持ちだけが
わたしをくるしくさせるのだと
気がついた

あなたと出逢ってずいぶん経つから
わたしはもう恋などしていない
そんな気がしたのに
わたしがどんどんわがままになるのも
慣れのせいかと思っていたのに

くるしみはくるしみのままで
あのころと同じだったなんて
そのくるしみを恋と思わなくなって
わたしは不安でした
あなたへの愛が
いつかなくなってしまいやしないかと

恋がくるしいから
男と女はいっしょになるのかもしれない
いっしょにいたら
くるしくないのかしら

わたしはずっとあなたのそばにいる
あなたが死ぬまでそばにいる
声だけでそう伝えた、夏の終わり
ふたり会えなかった日のおわり

2023.09.05

※画像はお借りしました。

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