中学生のころ
誰と話しても
面白くなくて
休み時間に
十円玉たくさん持って
公衆電話から
でたらめにかけてたって

社会人になって
旅先で出会った女の人と
日本に帰って食事をしたとき
宇宙の話を熱く語って
つまらないって
言われたって

ああ
わたし、そのとき
そこにいたら
あなたを好きになってた

窓から飛ぶことばかり
鏡に沈むことばかり
考えていたわたしは
大人になっても
なんにでもなれると
思っていて
浮いてた

ふつうがきらいだった

それは感情の箱だった
思考の檻だった
そのなかに閉じ込められるのが
いやだった

あなたは
地球を見ることがなかった人が
生前、青い色が好きだったと知ったときの
そんな
信頼に似ている

わたしも同じ青い色を好きなように
わたしもあなたと
何かが同じだった
あのとき

2024.01.24

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