僧侶の傍ら根付を彫る

浄土真宗大谷派僧侶見習い。 小さなお寺で、こりこり木彫根付を彫りつつ 家事と育児に慌て…

僧侶の傍ら根付を彫る

浄土真宗大谷派僧侶見習い。 小さなお寺で、こりこり木彫根付を彫りつつ 家事と育児に慌てふためく日々。 【YouTube】Daishin′s netsuke 【Instagram】@netsuke_daishin

記事一覧

難中ノ難

 最近はトノサマガエルを彫りたいと思いまして。キノコと蛙をちまちま彫っています。  先日院号法名の手続きで別院に行った際、聖典第二版を購入したものの、インデック…

今宵もまた過ぎゆく

不安というものは常に付きまとう。それは苦の根源。ゴータマが見出した真理をうんと頷けない私の叫び。世は事実しかなく、それ以外は何もない。しかし、都合の良い答えが欲…

人は不安なのだろう

 不安を隠すため人は何かを頼る。自分、金、力、生活。悪魔化された宗教といえる。どれも絶対的に確かなものでは無くすぐ転ぶ。生み出した執着は自らを知らず知らずに蝕ん…

 自分の場合、彫刻は考えすぎるとよくないので思うがまま進める。靴だけ用意してあとはひたすら進む。なるようになるし、なるようにしかならない。そんな感覚で、ある意味…

木彫根付展もあと2日

 ここで本物の根付が見れる!買える!という認知がある程度出来てたのか思っているより売れて来た事に感動。パラミタミュージアム一階小ギャラリー「森羅万掌」木彫根付展…

展示残り2日!!

 今日は割と雨。集大成、現時点での精一杯を集めた木彫根付展もあと2日。今日は三線の仲間が来てくれたり、お寺で根付仲間がきてくれたり、新聞の記事きっかけで昨日見に…

泥に咲く花のように

 今日は午前中に同じ地区のお寺の満中陰を終えて、昼からはギャラリーに足を運びました。  知り合いも来てくれて、作品も満遍なく売れつつありがたい日々。振り返るとモ…

150

今後

 ただ今、三重県パラミタミュージアム1階にて木彫根付展「森羅万掌」を月末まで開催しています。孤高の作家たちを集め、至高の木彫を約100点程。平日にちょこちょこ売れて…

南無

本日は夜の勉強会に。 煩悩を断ずる事などできず、己すらまともにコントロール出来ないのが人の身であると改めて学び直してきました。日々の生活でもそれは常に感じる事で…

大体のことは些細なことで

まぁもう5月も終わりますね。次の展示も近い。彫りたい欲は止まりません。まだ未完もあるのに新規を2つ始めました。笑。 さて、今日もまぁ何かと反省の日でしたが、全く…

花影抄さんにてお世話になっております。

【木彫根付選集】 花影抄 2024年5月18日〜26日(20日は休み) 13:00〜19:00(最終日18:00まで) 東京都文京区根津1-1-14 らーいん根津202 #woodart #根付 #着物 #芸術 #日

その身を生きる

 先日知り合いの前住職が亡くなられたので当日夜隣寺の住職と手を合わせに行き、お顔を拝見してきました。 生前とあまり変わらぬお姿で、しかし精が抜けたかのように見え…

価値

価値とは難しいもので、なんでも価値をつけたがるのが人間です。できるできないで価値をつけたがる事はよく体験もするし、自身も思いがちです。これができるから価値がある…

先日の続き

先日の「三つの髻」の話は昔に習いました。 当時、仏法を学ぶ学舎にいながらも、全く顔は向いてませんでした。しかし、その時を思い起こすと頭に浮かぶワードのひとつです…

5月か…

3つの髻(もとどり)という話があって。 何が3つというと ●勝他(他より勝っていたい。負けたくない。) ●名聞(名声、名誉、肩書きが欲しい) ●利養(良い思いをした…

苦あり苦あり

 毎日少しずつ大量の本を読む。とは言え時間がなかなか取れない中でちびちびと。色々読んでいるがとりあえず『観無量寿経』周りと『維摩経』を。  仏教は内観、いや自分…

難中ノ難

難中ノ難

 最近はトノサマガエルを彫りたいと思いまして。キノコと蛙をちまちま彫っています。

 先日院号法名の手続きで別院に行った際、聖典第二版を購入したものの、インデックスシール貼るならカバーも買っときゃ良かったなと帰路の途中思いましたので今度行った機会に忘れないようにしたいと思います。
何の因果がそこで同級生に会いまして、子供が産まれていた事を知って驚いたものの別に腰が抜ける程でもなく、ぁあそうなのかと

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今宵もまた過ぎゆく

今宵もまた過ぎゆく

不安というものは常に付きまとう。それは苦の根源。ゴータマが見出した真理をうんと頷けない私の叫び。世は事実しかなく、それ以外は何もない。しかし、都合の良い答えが欲しい私は彷徨う。
だがしかし眼前の事実は揺らぐことなく、ただそこにある。
ただ、ある。

真実は常に淡々としている。そこに優しさや誤魔化しはない。故に、優しさや誤魔化しを求める私はその厳しさに目を背けたくなる。

故に、方便を必要とする。梵

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人は不安なのだろう

人は不安なのだろう

 不安を隠すため人は何かを頼る。自分、金、力、生活。悪魔化された宗教といえる。どれも絶対的に確かなものでは無くすぐ転ぶ。生み出した執着は自らを知らず知らずに蝕んでいく。
 近代化とともに人間は世界の一部から世界を見る立ち位置に。それは世界から離れた視点であり、より自己に潜む王様性が肩をまわす。
とかなんとか考えながら買い物につきあい、その後、昼食時間に偏食の子供にやきもきする昼のひととき。
今日は

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夏

 自分の場合、彫刻は考えすぎるとよくないので思うがまま進める。靴だけ用意してあとはひたすら進む。なるようになるし、なるようにしかならない。そんな感覚で、ある意味とても不器用な歩み。正解はあるようで無く、無いようにみえてある…こともなく「ある」とか「ない」とかはない。

昨日今日と連日早朝に別院の講座に足を運びつつ、蝉の音に夏を感じる日々。まだ5時過ぎは涼しくもそれ以外は夏の様相。

木彫根付展もあと2日

木彫根付展もあと2日

 ここで本物の根付が見れる!買える!という認知がある程度出来てたのか思っているより売れて来た事に感動。パラミタミュージアム一階小ギャラリー「森羅万掌」木彫根付展。30日までなのであっという間にもう直ぐ終わります。
根付好きなら遠方からでも来る価値のある作品たちだと思います。作家が売れなければ工芸も消えます。それもまた諸行無常ではありますが、仲間が消えるのは辛いので残り会期も何か売れるとありがたいで

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展示残り2日!!

展示残り2日!!

 今日は割と雨。集大成、現時点での精一杯を集めた木彫根付展もあと2日。今日は三線の仲間が来てくれたり、お寺で根付仲間がきてくれたり、新聞の記事きっかけで昨日見に来て今日もう一度来て根付を買ってくださった方と談笑したりと濃い数時間を過ごし、昼からは用事のため帰宅。もともと行き先の決まっている根付を合わせると全メンバーの根付が売れた事になり、とてもありがたい展示になっています。
来年も胸を張って開催で

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泥に咲く花のように

泥に咲く花のように

 今日は午前中に同じ地区のお寺の満中陰を終えて、昼からはギャラリーに足を運びました。

 知り合いも来てくれて、作品も満遍なく売れつつありがたい日々。振り返るとモヤモヤとした根付人生を歩んできましたが「森羅万掌」木彫展を始めて3年目、初めて充実してきました。顔を向けてこなかった仏道に触れ始めたのも良かったと思います。自身を見る事ができるようになりました。とはいえ煩悩具足ゆえの身の事実を感じる事は多

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今後

今後

 ただ今、三重県パラミタミュージアム1階にて木彫根付展「森羅万掌」を月末まで開催しています。孤高の作家たちを集め、至高の木彫を約100点程。平日にちょこちょこ売れてくれるので仲間のモチベーションに繋がれば良いなと思いながら過ごしています。
数年前まで自分自身は伊勢根付をなんとか盛り上げたいなと思いやってきましたが、力も及ばず、特に認められる事もなく、せめて仲間たちの役に立てればと思い始めた根付展。

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南無

南無

本日は夜の勉強会に。
煩悩を断ずる事などできず、己すらまともにコントロール出来ないのが人の身であると改めて学び直してきました。日々の生活でもそれは常に感じる事です。
自ら苦を生み出す身を頷く事が仏教と受け取っています。
その歩みが、煩悩を断ぜずして涅槃を得ること。
不断煩悩即涅槃。
仏法に触れる事でその身を照らしていく。
仏法は特効薬でもなく、都合の良い術でもありません。あくまでもその身を照らす月

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大体のことは些細なことで

大体のことは些細なことで

まぁもう5月も終わりますね。次の展示も近い。彫りたい欲は止まりません。まだ未完もあるのに新規を2つ始めました。笑。

さて、今日もまぁ何かと反省の日でしたが、全くもって人の身とは複雑怪奇な地獄製造機で御座います。人間に真実などない、とまで言われるようにこれ程困った存在はそうそうありませんね。我が身を見るに深く頷きが止まりません。顎が身体にめり込みます。
さて、心のモヤモヤの大半は執着です。対象は自

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その身を生きる

その身を生きる

 先日知り合いの前住職が亡くなられたので当日夜隣寺の住職と手を合わせに行き、お顔を拝見してきました。
生前とあまり変わらぬお姿で、しかし精が抜けたかのように見える(こう言う言い方は違うが感覚として)魂の器がそこにおられました。
思えば私が彼は車の免許をとりに行った先の教官でもありまして、なんやかんや長いお付き合いでございました。
そしてなんやなんやでお葬儀も終わり今これを書いています。
人の生き死

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価値

価値とは難しいもので、なんでも価値をつけたがるのが人間です。できるできないで価値をつけたがる事はよく体験もするし、自身も思いがちです。これができるから価値がある。できないお前は価値がない。俺は知っている、お前は知らない。だから俺の方が価値がある。
そういう価値で人も自分も評価していく。はて、その価値は誰にとっての価値なのか。意味もそうですね。意味をつけたがる。意味があるのかないのか。
世間を生きる

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先日の続き

先日の「三つの髻」の話は昔に習いました。
当時、仏法を学ぶ学舎にいながらも、全く顔は向いてませんでした。しかし、その時を思い起こすと頭に浮かぶワードのひとつです。
それから幾つかの寺で法務を手伝い、地元に帰り10数年、そのことも忘れ木彫りに一生懸命生きていました。寺とは離れられないと思っていたので何となく付き合ってきました。正直出会った僧侶の6割は屑人間ばかりに思えて余計積極的に仏法を見る事はあり

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5月か…

5月か…

3つの髻(もとどり)という話があって。
何が3つというと
●勝他(他より勝っていたい。負けたくない。)
●名聞(名声、名誉、肩書きが欲しい)
●利養(良い思いをしたい。)
…まぁ、煩悩の話しでして。髻ってのはなんていうか、髪を束ねた部分だったかしら。
まぁつまり煩悩とは身に備わっているんですね。
それぞれに執着してしまうがゆえに自ら迷い苦を生み出していくのです。

都合でしかモノを見れない救われ難

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苦あり苦あり

苦あり苦あり

 毎日少しずつ大量の本を読む。とは言え時間がなかなか取れない中でちびちびと。色々読んでいるがとりあえず『観無量寿経』周りと『維摩経』を。
 仏教は内観、いや自分のことすらまともに理解できない我が身を知っていく沼だと思う。終わらないし、終わったと思ってもひと時だ。
改めてゴウタマが悟った真理の系譜に感嘆しながらも頭の理解は遅いので現代人の感覚とのバランス取りが難しい。今持ってる本も一回読んでもよく分

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