CUTBOSS MAGAZINE 2019年3号(1月20日号)
年末、マクドナルドが「トランプ」を「0円」で配っていたので、いくらか貰ってきた。カードが「ポテトの逆三角の形」をしているので、切るのに手が痛い。実用的ではないような気がするのだが、マクドナルドの「福袋」にも入っていたので、結構な数を配るつもりだったのだろう。
いくらか貰ったのには理由があって、うちの会社のエンジニアたちにそれぞれ配ったのだ。うちの会社は日本人不足で、求人応募が外国人しか来ない。だから私以外のエンジニアが全員外国人なのだが、日々、その文化の違いが面白い。この「トランプ」も、その内のひとつだ。
今までに考えたことがなかったのだが、「トランプ」自体は世界共通の遊具なのだろうか?それは「イエス」のようだ。しかし、では、そのゲーム内容は?これが面白い、世界共通ではないのである。勿論、カジノで行われているようなトランプゲームは共通だ。ポーカー、ブラックジャック、、、などではなく、「大貧民」や「ジジ抜き」「セブンブリッジ」「ナポレオン」……などなど、ローカルルールが多いようなゲームは、韓国では知られていないが、ベトナムでは知られている、なんてのも多々あって、その統一性にルールがないのが、また面白い。これらゲームのルーツはどこなのだろうか?
ベトナムにも「大貧民」に似たゲームがあった。その名前は「進む」。どんどん勝って上り詰めろ、という意味らしい。えげつねーな、と素直な感想をもらしてしまった。日本の大貧民のルールだと、「最下位が最上位に一番強いカードを献上する」のだが、ベトナムだと、なんと、「最下位が残りの全員に要望通りのカードを献上しまくる」というもの。これはもしかして、ベトナムの歴史を反映しているのか?ちょっと悲しくなってしまった。革命を起こさなければ、最下位は本当に勝てないくらいに弱いんだから。弱者に容赦のないルールだ。こえーな。
皆さんも異文化交流なら、折り紙じゃなくて「トランプ」がよっぽど面白いので、是非、試してみてください。
目次
・サンドボックス型ゲームと「ドラクエ」というRPG
・時代は流れて、製品品質は上がったのか下がったのか
・「外国人を受け入れた企業」を拒絶する社会
・「抱負」や「目標」を持たなくたって別にいいだろ
・頑張らなくて構わない自分の「裏設定」
サンドボックス型ゲームと「ドラクエ」というRPG
年末年始の休暇は、ほぼ「ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島」のプレイで終わった。仕事始めまでにはクリアできなかったが、その後に早々にクリアした。
感想を一言で添えるなら、面白かった。二言だと、内容が幼稚だった。マイクラにハマったのは、チュートリアルの無い世界にいきなり放り出されて、自分で試行錯誤しながら、強敵にも備えていく、まさにその「サバイバル性」なのだが、このゲームにはそれが無かった。
ゲーム内のキャラたちに指示された通りに建築し、ストーリーを進めていく。確かにその作業は楽しいが、クリアしてみると、その長大なストーリーこそが、全てチュートリアルという位置づけになっているように感じる。クリア後、さあ自由にクラフトしていいよ!みたいに放り出されるからだ。
しかし、その長大なストーリーの中でほとんどの建築をしてしまっていて、強敵も倒してしまったので、残りは自己満足の建築しか残されていない。だから、クリアした時点でもうやめてしまった。むしろ今、マイクラが無性にやりたい(というかやった)。
結局、このゲームを「マイクラのドラクエ版」だと捉えた時点で間違いなのだ。ドラクエというRPGにサンドボックス仕様が追加になったゲームと捉えると、これは面白かった。元々はドット絵の世界だし、お使いのゲームだから、ブロックを積み上げていくのも、イメージが湧きやすく、相性が良い。しかし、RPGとしては細かな指示の通りに操作するだけなので、幼稚だったと言わざるを得ない。あのドット絵のドラクエ2を小学生の頃に遊んだからこそ、あの王子とすれ違いを体験したからこそ、このストーリーが面白かったし、懐かしいドット絵の建築が楽しかった。それを知らない今の子どもたちにとっては、このゲームは幼稚にしか感じなかったのではないだろうか?
ゲーム内で「トルネコの大冒険」のBGMが流れるのだが、これにサンドボックスを組み合わせても面白そうだ。不思議なダンジョンで新しい素材を発掘し、それは武器や防具もで、トルネコは自分の家も自分で発掘した素材でどんどん大きくしていく。確か、ツルハシで壁も掘れたよね?やべー、これ、凄く面白そう、かなりやりたい……出ないかな。マジで。出してくれないかなー。
……それにしても、すっかり私には創造性が皆無で、何も一から生み出せない。これはレゴで遊んでいても同様で、昔のような子ども的な発想ができないのが、本当に悲しい。悔しい!
時代は流れて、製品品質は上がったのか下がったのか
しかし、ゲームも変わったと思わされる。「ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島」だが、不具合だらけで、本当に本当に酷かった。進行不能になる、フリーズする、強制終了する、など、致命的な不具合ばかりが頻繁に発生した。後々にパッチで修正可能なのだが、いやいや、これはハッキリ言って、興が削がれる。
最近は、とにかくリリースし、後から不具合を修正するというのが主流になりつつある。致命的な不具合すらも後から修正するという方針は論外だと思うのだが、そうではない不具合ならば後から修正するのは、コスト面からも「有り」だと私は肯定したい。何故なら、アプリ業界も今、その方向に流れているからだ。
ただ、アプリ業界の古い体質はなかなか変わらない。そもそも、アプリは最近登場したものなので、基本的なリリースの考え方が古いのだ。新しいものに、新しい人たちが従事しているということはなかなかない。古い人が、古い考えのまま、新しいものへシフトするのだ。だから、リリースし、不具合があれば、リコール・回収する、という古い頭から離れられないのだ。とにかく、リリース前には、徹底的に金を掛けて、不具合がゼロになるまで、試験をする。ネットワーク経由で修正できるこのIT時代に、これは時間と金を無駄にしていると断言できる。そして、不具合をゼロにするのは非常に困難だ。そこまでしても、市場で不具合が生じる可能性は拭えない。そして試験者も開発者も責任を追求される。ハッキリ言って、誰も得をしない馬鹿なやり方だ。
・金と時間を掛けても不具合は生じる
・金と時間を掛けずに市場で指摘されてから不具合を修正する
圧倒的に後者が賢い。そしてそれが主流になりつつあるが、伝統的な大手メーカーなどは、その考えに切り替えられていない。その無駄な金は、アフターサービスに温存しておくべきなのだが、大手メーカーは予算有りきでプロジェクトが立ち上がるから、開発時点で使い切ってしまう。後々のことは考えていないのだ。それが本当に悪だ。この話を部長級に話せば理解はしてくれる。だが、会社のシステムとして、それが実現・変革できない、という返事しか出てこない。部長級にも変革できないほど大手になってしまった企業、時代の流れで大手が潰れる姿を垣間見た気がした(実際、潰れるくらいまでに業績が悪化した大手企業だ)。
嘗て、日本製品はその品質が誇りだった。今はどうなのだろうか?私は日々アプリ開発をしていて、製品品質への拘りが薄れていくのを実感している。何故なら、品質が悪くても、ユーザのニーズに真正面から向き合った製品が、圧倒的に一人勝ちするからだ。品質は後から上げればいい。今、その製品が、そのアプリが、人々にとって必要なのかどうか、それを生み出せるか出せないか、が、現代社会に生き残る大きなカギなのだ。誰も欲していない製品を開発しても、その品質は素晴らしくても、意味がない。「グローバル」なんて言葉は当たり前過ぎて最早誰も口にしないが、圧倒的に品質の良い誰のニーズも満たせない日本製品よりも、品質が悪くてもニーズが満たせるなら品質が上がるのを待っていればいいという考えで海外製品を使う時代だ。私がAndroidの国内立ち上げに参加したときは勿論カルチャーショックを受けた。品質は後のアップデートで良いというGoogleの考え方は本当に斬新だった。今はそれが当たり前の考え方になっているし、それが主流で正解だと思う。ただ、今の古い大人たちがリタイアして全滅するまでは、なかなか上手く回らないだろうし、その頃には、新しい概念が誕生しているだろう。それが悲しい世の常だ。
「外国人を受け入れた企業」を拒絶する社会
何年も前からうちの会社は外国人を雇用するしかないのだが、仕事の受注は日本人からなので、その製品仕様の把握や顧客応対に苦戦している。
プログラミング言語は本当に素晴らしくて、15年近いキャリアの中で今が一番感動しているかもしれない。プログラミング言語は国籍に依存しない世界共通言語だから、アプリをプログラミングすることに於いては、何の問題も生じていない。問題は、言葉だ、コミュニケーションだ。日本人の顧客とコミュニケーションが一切取れないし、日本語で記載された仕様書が正しく理解できない。彼らは日本で働こうという気質だから、身振りなども併せれば、日常会話には何の支障も感じないのだが、日本語の形式張った文書はさすがに読めない。だから今、私しか日本人がいないから、全ての仕事の中間役を、翻訳を私が行わなければならない状態になっている。これが本当に大変だ。
「体制」と「教育」が困難だと言えるのは羨ましい。そんな準備をする暇もなく、外国人を雇用せざるを得なかった。それくらいエンジニア不足だし、日本人不足がIT業界には顕著だ。ただ、実際、受け入れた後の社内の体制は、特に混乱はない。どうも世間は、外国人を同じ人間だと捉えていないのではないだろうか?相手も人間だ。そんなに簡単に軋轢は生まれない。結局そこのところは心の問題で、上手くできるかどうかは心がけ次第だ。
本当に問題なのは、冒頭に書いた通り、社内の体制や教育ではなく、社外の受け入れ態度なのだ。日本人企業から仕事を請け負っている。外国人が応対すると、露骨に嫌がられる。コミュニケーションにはお互いに努力が必要になる。それを発注側(日本人企業)は認めてくれない。だから、日本人が表に出るしかなくなり、日本人社員が疲弊していく。そのうち、日本人社員は皆辞めてしまって、外国人社員だけになるかもしれない。そうすると、日本人企業は仕事の相手をしてくれなくなるので、会社は倒産するか、日本国内で外国人企業を探さなければならなくなる。
外国人を大量に雇うのは構わない。だが、周囲のことを考えてくれ。コンビニは今や外国人だらけだ。時には言葉が通じなくて大きなクレームに繋がったこともあるだろうし、二度とそのコンビニには行かないと思った人も少なくないだろう。だが、それを当たり前の日常にしなければならない。外国人を受け入れるのは、実際に雇う企業だけでなく、社会全体だということを、明確にしてほしい。日本国民が、皆で、外国人を受け入れなければならないということを。外国人を受け入れた企業を拒絶している今の社会を、まず、変えてくれ。
「抱負」や「目標」を持たなくたって別にいいだろ
小さい頃から「抱負」や「目標」を持つのが嫌いだ。これには理由がちゃんとあるのだが、学校の教師たちは考え方が雁字搦めだから、絶対にそれを許してくれなかった。私も頑なに譲らなかったので、どの時代も教師とはとても仲が悪かった。試験で満点を取り続けても成績が一番上の評価になることはなかった(10段階で9しかくれない)ので、本当に教師は最低の大人だと思っている。
「抱負」や「目標」が嫌いなのには理由がある。それはその考え方に縛られるのが嫌いだからだ。これは世の中の大人たちの背中を見て得た教訓だ。頑なにその目標に縛られ、方向を変えるべきところでも盲目に直進しようとする。それは急カーブを曲がり切れずに崖から落ちるのと同じだ。「目標」に向かって邁進するというその行為そのものが美徳だと信じている。私はそんな美徳は大嫌いだ。臨機応変に舵を取れる人間こそ本物だと私は思う。一度決めたことを曲げて改めて出発するのは大変だ。時にはプライドを捨てなければならない。だからこそ、それが柔軟にできる人間を私は心から尊敬する。
長年、私は本当に「抱負」や「目標」を持たないようにしていた。流れに任せて、そのときにできることをただやるだけ。大学も高みを目指しつつも受かったところに行ければ良かったし、就職も求人票の一番上に掲載されていた会社に入った。スキルアップなんて場所や環境を選ばない全ては自己責任なわけだから。で、五体満足に今の生に繋がっている、これは決して間違った人生の選択ではないと思っている。あの当時の教師たちに言ってやりたい。生き方は人それぞれだと、余計なお世話だと。
だが去年、私の中で「抱負」や「目標」は無いにしても、一年間の「裏設定」は密かにあった。これは決して目標の類ではないから遵守する必要はないと自分に強く言い聞かせたのだが、「私が常用できるアプリ」を思いつきリリースすること。思いつかなければそれまで。別に構わない。歩数計を作ったり、宇宙メディアと漫画メディアも作った、嗜好分析アプリも作った。なんか違う。しっくりこない。年末になって、まさにビビッと閃いたふたつのアプリがリリースできた。これは自信がある。実際に、note経由から沢山のダウロードをくださって、お陰様で益々好調だ。
食費の入力だけに特化した、私のようなズボラ用の家計簿アプリ。お陰様で、早くも「3,000」ダウンロード!皆様には感謝しかないです。
そして今、急速に伸びてきて心底ニヤニヤしている挑戦的で実験的な、自慰(性行為)管理アプリ。まさかの「300」ダウンロード突破!すげえ。
年末年始にツイッターを調査していたら、「年間の自慰回数」を報告する人たちが大勢いて、本当に驚いた。このアプリをリリースしたとき、気持ち悪い、頭がおかしい、とまで非難されたのだが、いやいや、大真面目に、ヘルスケアに使えるとマジで思ってるから。
そしてやっぱり、日本の性に対する姿勢はネガティブだと感じる。iPhoneのヘルスケアアプリには、公式にセックスの記録をする機能が搭載されている。海外では、当たり前のようにヘルスケアの一環だし、とにかく性に前向きでしょう。何より、このアイナーノは、海外のダウンロードが60%なのだ。今まで自分が作ってきたアプリの中で、海外に最も認められたアプリも珍しい。だから自分のこの性に対する疑問や思いは間違っていなかったということで信じたい。
これからも色々と発信していくし、どんどん機能追加する。今は仕事始めで疲れちゃって滞っているんだけど、これだけ勢いがあるなら、早々に期待に応えたい。
頑張らなくて構わない自分の「裏設定」
さて、今年の達成できなくても全く問題のない私の「裏設定」は何にしようか。今のところ、一ヶ月半ほぼ毎日続いている、筋トレだろうか。
筋トレのアプリはまだ構想が固まっていなくて全然実現できていないのだが、ぼんやりとは見えてきた。色々と調べていて、以下の漫画に出会えたのもひとつの収穫だ。「マンガワン」アプリで無料で読める。
ギャグ漫画だが、筋トレの解説が大真面目だから普通に参考になる。ギャグの質は、うん、まあ…って感じだ。
年末に発売されてから、今かなりの人気を誇っているニンテンドースイッチの以下のゲームも相当に面白い。体験版を隅々までプレイ中。多分、やり尽くしたら購入すると思う。
体験版では「デイリー」のフィットネスが三日間しかできない。おそらく、パンチ数とそのヒット数で測定していると思うのだが、体年齢が表示される。私は、33歳→29歳→26歳と下がっていった。筋トレしているからか、筋肉痛には全くならないが、有酸素運動を久しくしていなかったので、酸素不足で頭がギンギンに痛くなる。ちょっと死を恐怖した。水泳をやっていたから体力には自信があったのだが、駄目だこりゃ。
でも、楽しい。運動した実感がある。「デイリー」だけだと足りないので、「フリー」でプラスもうひとつフィットネスする。それで汗だくになる。でも、消費カロリーが100K以下くらい。こんなもん?
食費入力のみ家計簿アプリ「食費簿」、自慰管理アプリ「アイナーノ」、どちらも御陰様で好調です。より良いアプリ開発に役立てます。