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コロナに学ぶ 目の前の一人のことを考える、、

こんにちは!大学生塾講師のCraneです!コロナ自粛の中、家での勉強が続いています。学びたいことはたくさんある。英語、マーケティング、経済学、簿記、Excel、価値観、歴史、話し方、、、、、、、今では幸せなことに、多くのことを学びたい気持ちで一杯ですが、僕が大学に入った時は行動経済学を勉強したかったんです。


高校2年生の夏あたりに、ゲーム理論という経済学に出会い、感激して、その後いろいろと勉強していくうちに、行動経済学というものに出会った。これを日本で一番勉強するにはどうすればいい?そう考えて京都大学を死ぬ気で目指していました。

結果、京都大学には縁がなくて、今いる大学に入学したのですが、入学して最初の経済学オリエンテーションの後に、学部長に「この大学で行動経済学は学べますか」と聞いたときに、専門の先生はいないと言われたときはショックでしたね(笑)今となっては、他のことに興味が持ててよかったのですがね。


さてさて、今日のお題に移るとしましょう。最近世の中、コロナコロナコロナ、頭の中にもどうしても憎き奴が入ってくる。そのなかで、たまに見られるのが、自殺や交通事故、インフルと比べたら、、、という意見。確かに、コロナウイルスより、特に日本では大きな被害が出ているのかも知れない。(調べたわけではありません)けど、ちょっと、ちょっと待ってほしい。まず、今から書くことを読んでほしい。先に書いておくが、参考文献はダン・アリエリーより『不合理だから全てがうまくいく』だ。


1987年のアメリカ、テキサス州。当時、18か月のジェシカの身に悲劇は起こる。いつものように、叔母の家の裏庭で遊んでいた彼女は、誤って、古い井戸の中に落ちてしまう。井戸の深さは25メートル。とてもとても、1歳の子供が上がってこれる深さではない。井戸の中は暗黙の世界。冷たい空気、悪寒、恐怖、肉体的苦痛、すべてがたった1歳の彼女に襲い掛かる。


すぐ助ければいい?そんな簡単に事は進まなかった。人が落ちた井戸といっても、落ちたのは1歳の女の子。大人なら落ちることはない。直径20センチの井戸。そう、大人が助けに行けるスペースはないのだ。状況はまさに絶望的だ。大人は中に入れない。ロープを垂らそうにも、赤ちゃんが上がってこれるわけもない。考えただけで血の気が引く。


全世界のメディアがその様子をリアルタイムで中継した。救助隊員が井戸の真横に穴を掘る。ジェシカの気持ちを少しでも落ち着けるために、地上から音楽をかける。息を飲む闘い。井戸の中で彼女の足が引っ掛かっていると報道されたとき、世界中に衝撃が走る。そして、やっとの思いで救出された。世界中が安堵した。

彼女にはその後世界中から70万ドルの寄付金が集められた。日本円にして、約7000万円。当時のレートは1ドル約120円。そう考えると1億円近い金額が彼女のもとに集まった。


めでたしめでたし?いやいやちょっと待ってほしい。一億円ものお金があるのならもっと使うべき道があったのでは?世界中には今も飢えと戦っている子供たちや、十分な医療が受けられないために命を落とす方々が大勢いる。


しかし、寄付をした人たちは、そういった人たちには目もくれず、彼女に1億円寄付したというのか。何かがおかしいのではないか。世の中には次のような目を見張るデータもある。


なんと世界中の大規模災害と寄付金総額には負の相関があるのだ。具体的には、4千万人以上の人が被害にあっているエイズには500億足らずの寄付金しか集まらないのに、被害者数たったの200万人のハリケーン・カトリーナには3000億円もの寄付金が集まる。つまり、この世の中では、多くの被害者を出すものよりも、少ない被害者を出すものの方が、寄付金が集まるのだ。耳を疑う方もいるかもしれないが、これは事実なのだ。


これについて行動経済学会の権威であるダン・アリエリーは次のように述べている。人は、おおぜいの苦しみよりも顔の見える一人の苦しみに心を動かされている。そして、心理的に近く、自分の行動が何かしらの違いを生むということが、感情のスイッチを入れ、人助けの行動を起こすのだと。


言い換えると人は、あまりにも大きな問題に関しては、目を背け、自らの手を差し伸べようとはしないのだ。


何も不思議なことではない。あなたにも当てはまることだ。地球最大の危機である環境問題に対しては、特に動こうとしないが、顔の見えるたった一人のためには、何かしら行動できるだろう。

人間とは如何に不合理な存在なのだろうか。


しかし、だからと言って合理的になれということでもない。合理的に考えて、被害が大きいところから支援していってほしい、というわけではない。そもそも、合理的に考えたら何の得にもならない寄付などしないことが正しい選択だからだ。人が、不合理で、感情に左右されるからこそ、助け合いの心が生まれて、ジェシカちゃんは助かったのである。

だから今回のコロナでも目の前の1人。目の前にいる大切な1人のために行動していいのだ。それが人なんだ。感情に左右されるから人なのだ。とにかく、目の前の目に見える1人のために、一つの問題の解決のために助け合いの心をもとう。


ただ一つ覚えておいてほしいのだ。この現状を。世の中にはもっともっと大きくて、無意識の内に目を背けている問題がたくさんあるということを。今回のコロナウイルスをきっかけにして、地球上の様々な課題に目を向けてほしい。決して、見て見ぬふりをするわけではなく。


ただそれだけで。世界はきっと変わるのだから。



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