「暇だから悩む」は本当か
暇だから悩む
みたいな説、
いじめられる側も原因がある
みたいな言い草に似ている
どんな不潔で嫌な奴で気持ち悪い奴もいじめていい理由にはならないように、忙しいか暇かどうかと悩みがあるかどうかは別だし何かに意識を逸らしたところで本物の悩みはずっとまとわりついて消えやしない
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ただ、悩みは時間とともに薄れていくものだから、その時間を経過させる過程での苦しみを取り除く上で、「忙しくする」のは安らぎになりうるのもたしか
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暇だから悩む、という主張のよくないところは、悩んでいる本人を責めるようなニュアンスがある所だろう
たとえばあなたが食事も喉を通らないほど本当に悩んでいたとして、信頼していた人が「暇だから悩むんだよ」と言い放ったとしたら、悩んでいる本人が悪い事をしたかのように感じてしまうことだろう
実際、心が荒んで仕事に行かなくなった時、上司(校長)にそういうことを言われて嫌だった
そのときにぼくを救ってくれたのは
臨床心理士の「でもあなたが悩んでいて苦しいのは暇だからでは無いですよね?暇じゃなかったら悩まなくなりますか?」と断言してくれたことば
何も言わず、自分の可処分時間をフル活用して外に連れ出してくれた友達
ベッドにうずくまってるだけの自分に衣食住を与えてくれた家族、病休制度、日本のインフラ
だ。
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どんな傷も、ほかの記憶や思い出や知識でリソースを埋めていけば、時間とともに薄くなっていく
その薄くなるまでの時間がとても苦しいので、孤独に引きこもって過ごすよりも何かをしていた方が心は荒んでいきにくい
しかしだからといって「暇だから悩むんだ」というと、悩みを癒していく過程までのノウハウとしての主張というよりは、お前が怠けているから心まで蝕まれるんだという叱責のような響きが生まれてしまうし心が蝕まれている原因そのものは暇だからでは無い
南国の暇な人たちの中には幸せな人も多いことがあなたにも想像できるだろう
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悩んだ時に忙しくすること自体は悪くない手段
でも「暇だから悩む」という主張はいささか暴力的すぎる
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