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#エッセイ

読みたいことを書いた結果は自分へのエールだった

読みたいことを書いた結果は自分へのエールだった

もう2年前のことになるが、文章を書けるようになりたくて、ライティング講座を受けはじめた。

2017年8月から4か月間は、毎週2000字程度、少し休んで、2018年の3月から6か月間は毎週5000字程度を課題として提出していた。
乏しいボキャブラリーも薄い記憶も雑巾絞りにして、毎週毎週何かをひねり出しては、課題提出に勤しんでいた。

5000字の文章を書くコースは、先生が認めた記事には、受講生が感

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「あなたのステキ」を「この町の誰かのステキ」にした理由 ~「おしゃれのふじ園」裏話~

「あなたのステキ」を「この町の誰かのステキ」にした理由 ~「おしゃれのふじ園」裏話~

さて、わたしのFacebookページでは告知していました、2月24日開催の「おしゃれのふじ園」にいらしてくださった皆さま、いらっしゃることができなかったけれど、Facebookイベントページを見てくださった皆さま、ありがとうございました。

※おしゃれのふじ園 Facebookイベントページ
https://www.facebook.com/events/2089825674419616/

こち

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いつか、とびきりスペシャルな名前をあげる。

いつか、とびきりスペシャルな名前をあげる。

もうすぐ、梅雨明けだ。雨のにおいから、すこしずつ夏のにおいに移り変わっていくのを感じる。

帰宅後、昼間にたまった部屋の生ぬるい空気に耐えられず、エアコンをつけて涼んでいたら、だんだん寒くなってきて電源を消した。するとたちまちむわんとした空気が身体にまとまりついてきて、また電源をつけた。でもまた寒い。

つけては消して、消してはつけて……

小一時間、そんなことをもう何度も繰り返しているのだけど、

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聞こえない音楽

聞こえない音楽

聞こえない音楽を聞いてしまった。時速250キロで走行する新幹線の中で、僕は聞こえないはずの音楽を聞いた。聞くつもりはなかったし、まさかこんなところで演奏されているなんて思いもしなかった。どうやら、音楽は若い女性の車掌さんから漏れ出てくるらしかった。

「切符を拝見させていただきます」

そう告げた彼女を追いかけていた。今となってはどうでもいいような用件だけど、とにかく用があって車掌さんを探していた

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かみさまと話をする

かみさまと話をする

かみさまとおしゃべりしたいと思う。今日みたいに真っ青な空だとよけいに思う。春の光の中では何もかもが許されているようで、そっと打ち明けてみれば真実を話してもらえそうな気がする。
「まあ、座りなよ」と、白い服を着たかみさまが椅子を勧めてくれたりして。

きっと、子どもの頃はいつでもその椅子に腰掛けられた。
友だちから預かった小鳥に最初のお水をあげる瞬間とか、夏休みのプールの帰りに足を踏み入れた路地の奥

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ひとが文章を書き始めるとき

ひとが文章を書き始めるとき

ちょっと盛大なタイトルになっているけど、文章論とかではなく、我が家の5歳11か月の娘が文章をかきはじめたぞ、というはなしです。

たびたび書いていることだけど、私たち家族はニュージーランドに住んでいる。この国は5歳から小学校に入学できる。「できる」と書いたのは、5歳から6歳の間に学校に通い出せばいいという仕組みだからだ。「いつ」入学するかの意思決定は、各家庭にゆだねられている。

娘は昨年9月に小

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「ウサギとカメ」の解釈から思うこと

「ウサギとカメ」の解釈から思うこと

「ゴールデンウィークは、母の実家である山形に行く」という暗黙のルールが明石家にはある。

母も姉も妹も(父は自由人なのでルール適応外)、どんなに私生活や仕事が忙しくてもゴールデンウィークの2日あるいは3日間は家族のために時間を作り、みんなで揃って祖父母に顔を見せに行く。

このルールは、私が生きている25年間、いまだかつて1度も破られたことがない。3姉妹が社会人になり実家を出て、家族の住む場所は京

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観劇ことはじめ

観劇ことはじめ

劇場でお芝居を観る習慣のない人達は、演劇についてこんな風に思っているかもしれない。

ケース1:とにかくよくわからない
「演劇っていつどこで何がやってて、誰が出てて、おもしろいのかどうか、チケットはどう買うのか、もう色々、よくわからない」 

ケース2:初心者に世界が開かれてない気がする
「一部の好きな人たちだけの世界って感じがして敷居が高い」
「初心者は手を出しづらい」

ケース3:映画でよくね

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斜に構えた逆転裁判オタクが宝塚歌劇を観て人生が終わった話

斜に構えた逆転裁判オタクが宝塚歌劇を観て人生が終わった話

宝塚歌劇、皆さんどんなイメージを持っていますか?

敷居が高そう。
マダムのご趣味。
全員女の人がやってるらしい。
階段がすごい。
羽根がものすごい。
化粧がド濃い。

まさにこれが、自分の宝塚歌劇に対するイメージでした。
まあ、関西に住んでいるし、死ぬまでに一回観られたら良いかなあくらい。

さて、この話をするためには自分がそもそもどういう人間なのか
という前提に触れなければなりません。

ーー

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