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#詩

s'échapper

s'échapper

逃げよう

なんて
思ったこともある

何度となく
この苦しい毎日から
何もかも捨ててしまい
独り
誰も知らない場所に

逃げることが出来たら
捨ててしまえたなら
いいかもな

なんて
無駄な策謀を巡らせてみたり

手放せるものなら
とうの昔に
わたしは楽になれている筈で
諦めがつくならいいものを
そうもいかない

見えもしない
その手を離せない
握り締めたまま
何も抱きしめられない

何も 掴

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tactique

tactique

駆け引き
なんてものは
厄介なもので
少しの差違で
180度見方が変わる

追いかけて欲しくて
引いても
お互いが引いてしまって

さよなら

なんて

触れないでいて
相手を狼狽させたい

なんて

歪んだ思いを浮べてみたり

そんなふうに
脇道に逸れてゆくのに

どこまで間違えても


を失えない

其の
思い  
の正体

わからないから
今日も違える

逸れすぎて
元来た路も

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詩 / 暗示

私はことばにすると私だけど
ほんとうの私ではない

わたしそのものと
ことばでいう わたし には
かいりがある

私ということばのかわりに
あなたをつかうと
乖離が大きくなるから
そうならないように
私を使う

発された言葉は揺るがない
揺れ動く私と違って

ことばと現実に乖離があれば
揺れる私が隙間をうめる

わたしはげんきといえば
げんきということばがゆるぎないので
わたしのほうがげんきという

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【詩】ひとつのことば

【詩】ひとつのことば

私はいつもただひとつのことばが欲しい

それはあなたの口から出たものでなければならない

あなたの手で書いたものでなければならない

それはそこら中に溢れていることばで

あなたに使われるのを待っていて

私はそのことばで生きて

そのことばで死んだようになって

あなたから出たひとつのことばは

やすやすと私を動かして

過去を紡ぎ

未来を集め

今を創る

あなたの小さなことばひとつで

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恋をして蝶になった主人公

恋をして蝶になった主人公

 きっと貴方は忘れているのでしょうね。

 とうの昔から私の胸にある、この温かい想いを。
 どのような言葉で表したら良いのか、自分では分かりかねます。
 ですが確かな事は、酷なこと、不愉快に思ったこと、怯えたこと。
 そのような時間は存在しておりません。

 間違い無く貴方は私にとって、大切な気持ちを『香り』と共に心へ運んで下さいました。

 どれだけの刻が経とうと、忘れる事など無いでしょう。
 

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詩 / 連-絡

闇の中で
寝息を聞いた

あなたにあわせて息をする
夜が一次元に落ちていく

息が聴けて幸せ
息を吐けて幸せ

部屋は離陸する
柔らかな空気を吹いて

朝までの旅
焼き付けた思い出が車窓を滑る

記憶は螺旋になって
糸車がぜんぶ巻き取っていく

【詩】手をつなごう

【詩】手をつなごう

人は社会性を持つ生き物だ。

そこには人と人の繋がりがある。

赤い糸という、小さな願いにも似た細い線。

見えない鎖という、義務感や恐怖心などの束縛。

琴線もある。「人に感動や共鳴を与えること」を”琴線に触れる”と言うが、
多くの方が「怒りを買う」という意味で誤用している。

ただ、感情のプロセスを考えてみると、いずれも正解なんじゃないかと考えられる。

例えば、絵を書く師匠と弟子が居たとして

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しゃぼん玉そらいちめんの現実よ

しゃぼん玉そらいちめんの現実よ

季語:石鹸玉( 三春 ) 現代俳句

しゃぼん玉は、吹いて飛ばす石鹸液の玉のこと

夢のような現実であることが
しゃぼん玉の魅力の1つなのかもしれません

◇関連記事◇

わたしの我儘

わたしの我儘

もしも わたしが死んだら 

花になりたい

貴方の花瓶に居座って

愛してもらうのさ

いつか わたしが萎めば

ゴミになりたい

貴方の愛を抱きしめて

燃やされたいのさ

そして 貴方は

他の人を愛せばいい

昨日考えていた事がある。

自分が死んだ時に何を望むだろう?

残された人々の幸せだろうか。
勿論人々の幸せも祈るだろう。

ただ、僕は我儘な男なので、こう思った。

「最後くらい

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【詩】セレクションバイアス

【詩】セレクションバイアス

1億円あげる代わりに未来を頂戴?

明日来ないのと1億円どっちがいい?

ちょっと、少なかった?

じゃあ1兆円でどう?

貴方が思う命の価値はお金に変えられない。

だけど、他人の命の価値は値付けされていて、

裁判で、大体このくらいって計算される。

なんでかな?

私が選んだ貴方だから。

そんじょそこらの人とは違う。

恋は盲目。

網膜には光の受容体があるけど、
一か所だけ、神経が集まっ

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風が遠くに連れていくから

風が遠くに連れていくから

僕は海岸で佇んでいる。

風が波を連れてくる。

時に漣、時に大波。

波達は風に乗って戻っていく。

同じ波は二度として出逢えない。

水飛沫と水平線を見つめ続ける。


ライフステージが変わる事がある。

海外駐在、上京、就職、卒業。

僕は変化が起こると、ある事をする。

昔、住んだ街を訪れるのだ。

確かに懐かしさを感じに練り歩く節はある。

ただ、過去に生きてきた自分も連れ

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詩 「あなたは美しい」

詩 「あなたは美しい」

君の日常を間借りして見た世界

それは光に溢れ、命に溢れる世界でした

糧

信じることこそ

存在理由の糧よ

信じぬくことこそ

死なない気持ちの糧よ

心が強くあれば
滅びることはない

背後に伸びる影より
眼前にある日向を見詰めよう

想い
求め合うことこそ

ふたりで居ることの糧よ

詩 / あな

詩 / あな

人の波の中にあって
ふと 心細い自分に気づく

長く住んでも
親近感が湧かない

生まれた家を壊してしまい
心が帰る場所を失う

毛玉だらけのセーターを
いつまでも着ている

記憶の景色を 求めている

優しい人たちとの
優しい関係に 戻れるならばと

願って初めて
それらのすべてが 何だったのか
考えるようになるのかもしれない

素直になった先には
寂しさが待っている

だから素直になれないのか

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