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2023年11月の記事一覧

わたしは浮いている

わたしは浮いている

歳を重ねて増えたのは
まわりからの疎外感

だんだん浮いてくるの
存在が 言動が
重力では抑えきれなくなって
浮いてるのわたし

若かったわたしが若くなくなって
若い人たちから異なっていって
それで浮くの

ある日ついに
足が地につかなくなった
空を飛んだ中年

地面に降りたいけど
どうすれば良いかわからない

慌てて唾吐いて喋っても
不正解を連発し

標高をばりばり稼いで
空をぷかぷか浮かんでく

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AIが思考力を奪うというのなら、思考力がない我々は一体何をしていたのか

AIが思考力を奪うというのなら、思考力がない我々は一体何をしていたのか

よく、AIが教育現場に導入されることで「子どもたちの思考力が低下する」といった懸念の声がある。
一見すれば確かにその通りっぽい主張であり、どのように規制をするのかについて世の中では議論が進んでいる。

では、逆に考えてみよう。教育現場にAIなどがなかった私たちの当時の思考力は、現代を生きる子供たちより高いのだろうか。

これはあくまで個人的な実感だが、家ではゲームに明け暮れ、先生から言われたことを

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私の「自我」

私の「自我」

まずね。「生まれたい」と希望して、この世に生まれてきたわけではない。その上で、生まれてくる「親」も「家も」選べない。
僕はこうやって始まる人生が、僕の任意になるわけはないと思っている。「死」も同様だ。いつ死ぬかわからない。

地球なのか、宇宙なのか
生きとし生ける者は、そういうものに使い勝手される道具に過ぎないのだろう。最近はそんなふうに思っている。

でも、それならそれでいいやと思っている。

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【写真+1行詩+エッセイ】傷だらけ。

【写真+1行詩+エッセイ】傷だらけ。

人の数より沢山の、傷がある。

いつも明るくて優しくて穏やかな人が、
とてつもない苦労人だった
なんてことが実際に沢山あった。
わたしの数少ない友人たちもそうだ。

人の人生なんて目には見えないものだから、
どれだけ明るくて楽しそうにしている人でも
どれ程辛い過去を背負い、
どんな苦しみを乗り越えて
生きてきたのかなんて絶対に分からない。

分からないからこそ、見えないからこそ、
大切にしないとい

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32歳だったわたしへ

32歳だったわたしへ

あなたは、人生でこれ以上ないというくらい、毎日泣いていますね。
いろいろなことが重なって。生活環境も、仕事内容も、何もかもが変わった中で、おきたことに耐え切れなくなっていました。
夜は眠れず、部屋に大容量の紙パックの日本酒を持ち込んで、飲み干してから気絶するように倒れこんで寝ていましたね。
なんとか会社へ通い、会社で泣き、早退した道すがら泣いていましたね。
休日は酒におぼれ、6缶パックのビールを6

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【詩】サヨナラバイバイ

【詩】サヨナラバイバイ

わたしは花でした
あなたを惹き寄せたくて
香りを流してみたり
蜜をだしたり
あなたがわたしに潜ってくれないか
足掻いた花でした
あなたを掴めなかった
もっと揺れたら良かったでしょうか
実をつけぬまま
風に散ろうと空を見上げます

*ちょっと前に、Xに投稿したものです。少し手直ししました。

#095 湧水のひと

#095 湧水のひと

繰り返し読んでしまう文章、というものがある。

やさしくて、かなしくて、それでも笑顔になれるし、ちょっと泣ける。

こころにすっと入ってくる、自然なことば。

地中の長旅を終えた湧水が、磨かれぬいた透明さでこんこんと湧き出ている。

そんな言葉を紡げるひと。

川本麻央さん(好きです)

ちゃんと大人で

ちゃんと弱くて

ちょっとナウシカ
 

「ちゃんとガラクタに見える時まで」

繰り返し、繰

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無くしたくないものの話

無くしたくないものの話

今日は、私が素敵だと思ったnoteについて、
話したいと思う💐💐

人が書いたものをここで引用していいものか、と迷ったが、今の私がとても素敵だと思ったことを覚えておくためにnoteを書くことにした。

“ちゃんとガラクタに見える時まで”

内容としては、

誰かにとってガラクタやゴミだったとしても、自分にとってはとても素敵なものに見えてくる。
だけれど、いつか自分にとっても素敵だと思っていたも

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ホームレスさんと私の物語

ホームレスさんと私の物語

今のこの街に引っ越して来てほどなくして親しくなったのは、ホームレスのおじさんだった。
出逢いというほどの洒落たものはなく、その人はいつも、雑居ビルの前の通りに立ち、雑誌を売っていた。
そのおじさんのことが気掛かりだった私は、ある日、とうとう、なんの雑誌を売っているのだろうと近づいて覗いてみた。
『BIGISSUE』(ビッグイシュー日本版)と名がついた総合エンターティメント週刊誌であった。初めて知っ

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#092 一緒に猫を飼ってくれるひと

#092 一緒に猫を飼ってくれるひと

ずっと側にいるんだけど

一人になりたいときには
そうしてくれて

抱きしめてほしいときには
そうしてくれる

わたしもそうする

しにたいときには
一緒にしぬよと言ってくれる

あなたがしぬのは嫌だから
仕方なく生きてみようかと思ってしまう

そういう関係のことを
なんていうのだろう

家族じゃなくて恋人じゃなくて
親友かな

でも、キスしたり
裸で抱きあったりはするんだよ

一生いっしょにいる

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叔父への祈りに浮かぶもの

叔父への祈りに浮かぶもの

 小さい頃に一緒に暮らしていた叔父が倒れた。現在、近くの病院に入院している。
 下半身は不自由になり、もう歩くことはできない。認知機能の低下も著しく、まともな会話ができない状態になってしまった。
 近いうちに知り合いの勤めている病院に転院することが決まっている。
 回復が望めないとしても、どうか、穏やかに過ごせるよう祈るばかりである。

 いつか叔父は、山梨県にある瑞牆山に私を連れて行きたいと言っ

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#087 メイク・ワタシ・グレート・アゲイン

#087 メイク・ワタシ・グレート・アゲイン

わたし、しょうもない働きアリ。
何者にもなれなかった、馬鹿な若者が歳をとってしょぼくれたやつ。

しっかりしようと思って就職したけど、働くことにばかばかしさを感じて頑張らないことにしたから、もうほんとうに何者でもない。

働きアリの2割は、さぼってるんだって。
わたしじゃん。

寝ても覚めても、結局何かを夢見てる。
こんな自分じゃない夢とか、こんな世界じゃない夢とかを。

アンギフテッド with

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『夜、ねむる前の詩の狂い狩り』

『夜、ねむる前の詩の狂い狩り』

noteをはじめてから、まだ、2ヶ月足らずの私にとっての楽しみのひとつがある。夜、ねむる前に新着の『詩』をあさるように、酔うように、狂ったように、狩るように、かんじることだ。そして、その狂った魂に、「すき」することがここ数日の日課となっている。

そもそも、詩を書こうとする魂が私はすきなのだ。
「私の書いた詩をあなたは本当に理解しているのか」と、問われれば、私の口からは怪しい答えしか出てこない。で

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