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わたしは浮いている

歳を重ねて増えたのは
まわりからの疎外感

だんだん浮いてくるの
存在が 言動が
重力では抑えきれなくなって
浮いてるのわたし

若かったわたしが若くなくなって
若い人たちから異なっていって
それで浮くの

ある日ついに
足が地につかなくなった
空を飛んだ中年

地面に降りたいけど
どうすれば良いかわからない

慌てて唾吐いて喋っても
不正解を連発し

標高をばりばり稼いで
空をぷかぷか浮かんでく

そんな日が続き
打つ手はないかと
少し黙って周りを見ると

遥か下で
後輩たちが離陸した
ああこいつらもダメだったかと
ため息ついてホッとして

上を見れば空気の読めない
先輩がたが
豆粒みたいになっている

上には上があるもので
このまま天国まで続いていくのか
と理解した

そらを自由に飛びたいなって
思わなくても
年取ったら浮いちまうんだぜ

わたしは浮いていませんよ
そんな顔をして過ごす

わたしは確かに浮いている

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