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愛されるために「かわいい」を使い倒す時
「なあ、聞いてよ。うちの息子の反抗期が酷いのよ…。」
年配男性のHさんがメソメソしながら私に話しかけて来る。
私は「またか!」と呆れながらも、つい「そうなんですね…。」と話を聞いてしまう。無視したい。Hさん、話長いし。
でも、無視すると罪悪感がつのる。なぜなら、この年配男性Hさんはいつも聞いてほしい事があると泣きマネをするからだ。
大手企業で役員をやっているHさんは全身全霊で哀れっぽい雰囲気をまと
「かわいいね」と、言われたくない時
「この前、合コンで隣の女の子に『かわいいね』って言ったら、すんごい微妙な顔されたわ…。」
男友達のY君はため息をつきながら、「なんて言えばよかったんだよ…。」と、不機嫌そうに言った。
会って間もない同年代の女性に「かわいいね」は、確かに微妙だな…、と私は思った。
誉め言葉だし、Y君本人もその女の子と仲良くなりたくて言ったのだろう。
もしY君が女の子の外見ばかりを誉めていたらルッキズムにあたるかも
1年B組―『ピチピチのギャル』殺人事件(3)
【ご注意ください】
物語の中に、学校内でのいじめの具体的な描写が含まれます。見出しに「昔の事」と入っている箇所が、該当します。
昔の事 ― 2年前
悠真が剣道を始めたのは小学4年生の時だった。
家から徒歩で15分の小さな道場で、子どもの剣道教室が開かれており、そこに週3回通った。そこでは、幼稚園児から中学生が一緒になって稽古をしていた。多くの子ども達が、4~5歳のうちから剣道を始めていた
1年B組―『ピチピチのギャル』殺人事件(1)
あらすじ
日直日誌
佐藤悠真(さとう ゆうま)が通う高校の1年B組は、クラス仲が良い。と、よく言われる。
確かに、そうかもしれない。と、悠真は思う。
だって、日直日誌を使って、クラス中でリレー小説を書いているのだ。
1学期に数人の女子生徒達が日直日誌の備考欄に、ふざけて数行の文章を書いたことがはじまりだった。そこから、日直の生徒が続けて物語を書き足していき、学期の終わりごろは、一つの創作小説が