「性的同意」の話を、もっとポジティブに楽しく話したい!
「不同意性交等罪」が成立し、同意がない性交は犯罪であるという事が徐々に広まりつつあります。性交だけでなく、性行為全般においても「同意」がとても大切であるという認識も少しずつであるけれど、広まっていくのだろうなと思います。
性的同意の話になると、
「いちいち同意を取るなんて、ムードが壊れる。」とか、
「性交の前に契約書を交わさなくちゃいけないのか?」とか、
「どうやって、エッチなことに進んだらいいのかわからない。」とか、
「それじゃあ、もうお付き合いができないじゃないか!」とか、
とにかく、ネガティブな意見を聞くことが多い。
ネガティブな意見が多いのは仕方がないように思います。
だって、私たち、大人も子どもも、ほとんどの人達は、他の人達がどのように性的同意を取っているのか、知る機会がほとんど無いから。
友達同士の話だけでなく、テレビのバラエティー番組などでも性的同意の話が出る事はほとんどなく、漫画、アニメ、ドラマなどのフィクションでも、行為の前に同意を取っているシーンはほとんど見る事がありません。
「同意って、どうやって取ればいいの?」と、誰もが迷子の状態なのではないかと思うのです。
不安に思うから、性的同意に関して、ネガティブな感想しか思い浮かばない。
でも、どうせならもっと性的同意に関して、楽しい話がしたいです。ポジティブに語り合いたい。
「こんな同意の取り方、素敵じゃない?」とか、
「ドラマの、この同意のセリフが、かっこいい!」とか、
「私、こんな感じで聞いてみたらうまくいったよ!」とか、
「彼とキスしたい時、どう聞くのが良いかな?」とか、
もっと、キラキラした恋バナのような感覚で盛り上がってもいい話題なのではないかと思うのですよ。
有名な映画のラブシーンについて、「きっと、二人の間ではこんな性的同意のやり取りがあったに違いない。」と、本編にはない妄想をしたりするのも楽しそう。
言葉での同意だけでなく、二人だけの間で決めておくYesとNoのジェスチャーとかも、なんか憧れるかも…。(ニヤニヤしちゃう♡)
あと、同意が欲しくて聞いてみたけれど断られてしまった時の、スマートなリアクションについても、たくさんのサンプル例が欲しい。
自分の気持ちや期待が受け入れてもらえなかったとき、失望のあまりに相手をなじったり不機嫌になったり、逆切れしたりすれば、そこで関係が破綻してしまうし、相手を深く傷つけてしまう。自分自身に対する周りからの信頼も失墜する可能性があります。
「No」と言われたときに、相手を不快にせず、信頼を損なわず、良好な関係を保ったまま、冷静にその答えを受け入れられるように、自分自身を訓練する必要もあるのかなとも感じています。
そもそも、同意が貰えなかったことは失敗ではなく、相手のNoをちゃんと受け止める事で、大切な人を傷つけずに済むのだから、そのコミュニケーションは成功と考えられると思います。
今後のお互いの関係を良好に保つため、より良い関係にするために今は必要な「No」だったかもしれないですし。
相手の「No」を受け止める練習と、自分を守るために相手を傷つけずに優しく「No」を伝える練習、両方とも私は大切だと思います。
性的な行為に対する同意以外にも、日常生活の中で、パートナーとだけではなく、様々な人たちと私たちは同意や合意を得ながらコミュニケーションをしています。
誰かと久しぶりに会ってご飯を食べようという場合は、
「いつ会う?」
「誰を呼ぶ?」
「何を食べる?」
「どこで会う?」
などなど、決めなくては話が進まないことが沢山あります。
もし自分が相手より立場が上だったり、積極的に動ける人だった場合、「相手に無理をさせてしまっていないかな」という事も気にかけたいと思います。(もし、相手が気乗りしなかった場合「No」と言いやすい雰囲気や聞き方を心がけるようにする、など。)
食事に関しては「好き嫌い」「食べられないもの」など、個人の好みや傾向がはっきりと表れるので、相手の気持ちを尊重する良い練習の場になりそうです。
自分が大好きな食べ物を、相手が嫌いだった時、
「これが食べられないなんて、人生損しているよ。」となじったり、
「好き嫌いしないで、とにかく食べてみて。絶対においしいから!」と食べさせようとするのではなく、
自分も相手も美味しく食べられる、ハッピーになれるメニューを探すようにしたいです。
性的同意の話から少しずれてしまいましたが、「性的」な話題でなくても、同意を取ったり、相手のNoを尊重する練習は出来そうだな、と思いました。
「察してよ。」
「言わなくても、わかって。」
「『普通』は、こうしてくれるでしょ?」という期待で、双方に行動していたらコミュニケーションがとりづらくてしょうがないですね。
特に性的なコミュニケーションに関しては、
「彼氏なら、こうしてくれるはず」
「彼女なら、こうするべき」
という、双方に強い思い込みがあり、期待通りの行動を相手が取ってくれないと、勝手に不安になってしまったり、裏切られたと感じてしまったりするように思います。
自分の中に刷り込まれた、お付き合いのイメージや、刷り込みを手放して、素直に相手に聞くこと、相手のNoを悲観せずに受け取る事に慣れていけば、自分の気持ちをオープンに話すハードルが下がってくると思います。
同意の話ってシンプルに考えると、相手は自分とは違う価値観の物差しを持っているから、行動に移す前にその物差しをお互いに確認しよう、という事にもなるんじゃないかな…。
「同意を取る」ことは、大切な人の事をもっと良く知るための取っ掛かりだと思うと、なんかロマンチックじゃないでしょうか?
自分が正しいと思い込んだお付き合いのフォーマットに沿うよう相手に強いるよりも、もっと、ずっと素敵な気がします。
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