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シノハラ

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#驚く

強制と評価(比較)が、恐怖と嫌悪、苦手意識を生む

まだ息子が幼かった頃、でも物心がつくようになった頃、海辺に立った。あまりに広大な海に、息子茫然、立ち尽くした。「さあ海に入ろう、大丈夫、怖くないよ」とおじいちゃんおばあちゃんが手を引いたり背中を押したりするけど、そうするとよけいに怖くなるのか、海辺から遠ざかってしまった。

「ああ、小さい頃の自分と同じだなあ」と感じた私は、当時やってほしかった方法を試すことにした。息子の真横に立ち、一緒に海を眺め

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ほめて伸ばす、親の期待通りに育てることのリスク

不登校になる理由は様々なので一概に論じることができないのだけど、優等生タイプで比較的よく目にする、気になるケースがある。親の期待通りに育ってきて、思春期に近づいた(あるいは至ってから)時期に破綻するタイプ。

幼い子は、親からほめられるのが大好き。素直に喜ぶ。親の期待に応えたいと素直に思う子が多い。だから親が課題を与え、それをこなそうと素直に頑張る。子どもが幼い場合はこのやり方で比較的うまくいく。

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「ほめる」の問題点をディスカッションしたまとめ

火曜日の夜、私がファシリテータを務める形でウェブ飲み会を開催した。私の発信に興味があったという教員の方や保護者の方たちが参加し、合計16人が集まって話を始めた。テーマは「『ほめる』の問題点」。

ほめるのは、上から目線というか、教師や親が期待する方向に誘導しようというコントロール欲が潜んでいるというか、そういうのがしばしば見られ、その魂胆を子どもが見抜いて反応が悪いことがある、という指摘があった。

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「当然だろ」人と「ありがとう」人

結婚する前、弟の個展に行くとギャラリーの主人(女性)が手招きしたのでそばに行くと、「あの人と結婚するの?」と聞かれた。私がうなづくと「女はね、ありがとうと言われるとどこまでも頑張れる生き物なの。だから当たり前と思わずにありがとう、って言わなきゃダメよ」とアドバイスを頂いた。

これは大事なアドバイスだと思い、結婚してからも「ありがとう」を連発した。実際、ありがたかった。それまで一人暮らしで洗濯から

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子どもに、部下に、自分にさえも「奇跡」が起きる秘訣

(子どもが英語アプリを継続してることをほめたら、反応が思いのほか悪かったという意見に対し)

「ほめる」はですね、「もっと継続しろよ」という圧力というか、「命令」に近いものを感じるんですよ。もし「命令」に従ったとしたら、それは奴隷です。子どもは奴隷になるのが嫌だから反発し、「命令」で汚染された行為が楽しくなくなり、嫌がるようになり、やがてやめてしまうんですよね。

私だったらこんなふうに「驚き」ま

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減点思考と加点思考

子育てする上で、「減点思考」か「加点思考」かで、子どものやる気は大きく違ってくるように思う。
「宿題を毎日やるのは当たり前」「勉強してよい成績をおさめてほしい」と親が期待すると、減点思考になりやすい。宿題をやらない日があれば、それは「毎日やる」姿からしたら、減点になってしまう。

100点満点の姿からどれだけかけ離れていくか、という減点思考だと、子どもはひどくやる気をなくす。100点満点の姿を維持

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短所を見るな、長所を伸ばせ

父はよく「短所を見るな、長所を見ろ、長所と短所は表裏一体、長所を伸ばせば短所は隠れる、長所を伸ばせ」と言っていた。
弟たちは成績優秀で、特に上の弟は美術、技術がオール5、下の弟は体育がオール5。かたや私はどれもパッとしない。オール3、時々2。

才能では全く恵まれていなかったと思う。そんな三兄弟のそれぞれの長所を、父はどう評していたかというと、「信の粘り、次男のひらめき、三男の集中力」と繰り返して

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