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教育の不思議

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教育にまつわる様々な疑問を解説して、議論の裾を広げます
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#教育

「どうして勉強しないといけないの?」という疑問に答えられますか?

「どうして勉強しないといけないの?」と多くの子どもはいいます。
大人になると、少なくとも学校の勉強からは解放され、大して日々勉強もしてないのに、この質問には、とりあえず「将来のため」などといって本当にあるのかどうかもわからない、将来を子どもに押し付けて難を逃れます。

しかし、それでいいのでしょうか?
ある人は堂々と意味がなかったというかもしれませんし、とりあえず「将来のため」と逃げの一手を使いま

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ゲーム規制条例を考えた人は教育学を勉強したことがあるのだろうか

香川県で、面白い条例が制定されましたね。「ゲーム規制条例」です。
この時点ですでに聡明な方ならあほらしいと一蹴されると思いますが、これを考えた人は逆になぜそう考えるのか考察する必要があるでしょう。私たちは歴史上、何度も人々が怠けるからという理由で娯楽を禁止することを繰り返しています。
それは単に歴史に学ばない愚か者だからというだけではなく、そのように考えたがる枠組みがあるような気がします。

今回

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赤ちゃんは無力?

赤ちゃんは触れたら壊れそうなほど、繊細な感じがしますよね。言葉も喋れず、自分で動くこともままなりません。

赤ちゃんは無力なのでしょうか?世界がどう見えているのでしょうか

今回は赤ちゃんについて考えて思います。

生まれる前の動き赤ちゃんはお母さんのお腹の中から出てきた瞬間に、成長し始めるわけではありません。
お腹の中にいる頃から断続的に成長を続けています。そのため、生まれてからの行動はその前(

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エリクソンの発達段階

発達段階という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
発達段階とは、わかりやすくいうと、人間というのは成長に個人差はありますが、似たような時期に、似たような課題を得て、それを解決して成長していくという、プロセスのことを言います。

この時期にこういうことを得やすいという意味であって、それより後に得るものが全く起きてないかと言われればそうではありません。重なって同時に起こっていますが、順番に出てきますよ

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フリースクールの歴史

以前不登校を図にしてみるという記事を書きました。

https://note.com/banbirokon/n/ncd997a823605

不登校というのは、起こるものですし、単一の原因があるものではありません。
文科省も「不登校は誰にでもおこりうる」(文科省1992年)と言っているので、学校以外での育つ場所が必要でした。そういう意味で、不登校の子どもの受け皿として、発展していったのは、フリ

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外郭団体ってなに?

外郭団体という言葉があります。あまり聞かない言葉かもしれませんが、「天下り先に〇〇の外郭団体が〜」というニュースで聞いたことがあるかもしれません。
自分の市町村で、公益財団法人と言った名前を見かけたことはないでしょうか?
全部ではないですが、こうした法人が外郭団体となっていることが多いです。

外郭団体の定義外郭団体とは、国や地方公共団体の外の組織でありながら、様々な援助を受けている、行政の補完的

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学級崩壊の構図

学級崩壊という言葉があります。
最近はあまり聞かなくなりましたが、文科省の調査を参考にするなら、

「子どもたちが教室内で勝手な行動をして教師の指導に従わず、授業が成立しないなど、集団教育という学校の機能が成立しない学級の状態が一定期間継続し,学級担任による通常の方法では問題解決ができない状態に立ち至っている場合」

となります。主に1990年台の後半にマスコミに取り上げられ、大きな話題となりまし

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教える―学ぶの関係

最近、小学生に人気のyoutuberを教えてもらいました。なんで人気なのかを聞くと、フォートナイトというゲームの元世界一位だからだと教えてもらいました。

なるほど、確かになというふうにと思いましたが、「教えるー学ぶ」ということは、先生と生徒が逆転しても成り立つことがわかります。

基本的なことですが、教えると学ぶとはどんな関係なんでしょうか。
今回は広田照幸先生と宮澤康人先生の2人の著書から見て

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いじめという問題

「いじめ」という言葉があります。
おそらく、これを読んだ人はいじめというものわ、見たり聞いたり、中には体験した人もいるかもしれません。

いじめという言葉を聞いて気分が悪くなる人は、この記事を読まないのが得策でしょう。

さて、いきなりですが、「いじめ」とはなんでしょうか?
例えば、長年連れ添ったコンビ芸人が、相方のことをボコボコに罵っています。そういう芸です。
これは「いじめ」でしょうか?
多く

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部活の意義の歴史

教員の働きすぎの問題もあって、その一つに部活動が、教員の多忙化に一役かってるのではないかと話題になりましたね。

教員は残業代が出ない(基本給の4%はじめから残業代ときてついているだけ)にもかかわらず、部活動は平然と行われています。
これらは、教員の方々の奉仕活動によって成り立っています。ではなぜ、部活動はそこまでやるようになったのでしょうか。

(出典)加藤一晃「部活動は学校において合理的な

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校則の法的根拠はあるの?

校則というのは、皆さんも経験したことがあるでしょう。
服装は指定の制服で、靴下は白などと、決められたあれです。

中には生まれつき髪が茶色なのに校則で色が黒と決まっているから、黒にしてきなさいと理不尽なことを言われた人もいるかもしれません。
最近では「ブラック校則をなくそう」といった運動も起こっています。
校則とはなんでしょうか?

私たちの世界にはルールがあります。これは誰かが不利にならないよう

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教育の二つの対立軸

教育という行為が近代以降に注目されるようになってから、常に2つの考え方の対立があります。
おそらく読んでいる皆さんも体験したことがあるのではないかと思います。その2つとは

詰め込み教育
  VS
主体的な教育

この二つの対立軸がありますよ、というと簡単に主体的な教育の方が良いんだという人がいます。
本当にそうでしょうか?もちろん詰め込み教育に弊害があるのは明白です。行き過ぎた詰め込み教育は暴力

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指定管理者制度の光と影

指定管理者制度という、制度を知っていますか?簡単に言うと、皆さんの税金で運営している公共施設を、運営費は税金のままNPOや企業といった民間に運営してもらうことです。

今まで公共施設というのは、公務員の方や外郭団体しか運営できませんでした。それをいわゆる民間に運営してもらうことが、2003年からできるようになりました。いわゆる公設民営という考え方です。

なぜ指定管理者制度はできたの?指定管理者制

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本当に学歴社会か?

学歴社会という言葉を知っているでしょうか?

学歴社会とは、「学歴によって社会的地位や評価などが定まる社会」

例えば中世の社会では身分や家柄によって、子どもの将来は決まっていましたが、現代ではそのようなことはありません。

このように親の職業がなんであれ、学校というシステムを通じて何にでもなれる(職業選択の自由)ように私たちの社会はなっています。
この上下というのは、今私たちはあまり実感する

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