バンビロコン

教育学修士を終え、放課後等デイサービスに勤務後、オンライン家庭教師をしています。細々と…

バンビロコン

教育学修士を終え、放課後等デイサービスに勤務後、オンライン家庭教師をしています。細々と駄文を連ねます。

マガジン

  • 放課後デイサービス解説

    放課後デイサービスについてまとめた内容を載せていきます

  • 小児性愛研究ノート

  • 教育の不思議

    教育にまつわる様々な疑問を解説して、議論の裾を広げます

最近の記事

  • 固定された記事

教員の働き方改革~変形労働時間制は裁量労働制と何が違うの?~

教員の働きすぎの問題今回は教員の働き方の改革について、ご紹介しようと思います。 今回のキーワードは給特法、裁量労働制、変形労働時間制です 最近、教員の働き方改革が言われていますが、一体どのくらい働いているのでしょうか。 2018年OECD加盟国に対して調査された、国際教員指導環境調査(TALIS)によると、中学校の教員の仕事時間が、週56.0時間、小学校の教員の仕事時間が、週54.4時間と加盟国最長の労働時間をたたき出しました。当然ながら、こちらは平均なので、月200時間残

    • 小児性愛の論点を整理する

      小児性愛というワードは、海外での規制や、昨今Twitterで話題となったラブドールの件もあり、定期的に人々の関心を呼ぶ題材である。 そうした際に、表現の自由という論点が議論の対象になるが、小児性愛当事者の視点や、「子ども」という視点について十分に議論されることは少ない。 今回は視点を変えて、小児性愛当事者と子どもの論点について考察していきたいと思う。 この時点で、既に嫌悪感をもよおすような繊細な方は、記事を読まない方がいいだろう。ぜひ、自分の感情を自分でコントロールできると

      • ムダという言葉の危険性

        会社のムダを無くそう、家庭の支出のムダを見直そう、そんな言葉が飛び交っています。 しかし、ムダと切り捨てたものは、本当にムダだったのでしょうか? また、ムダという言葉が社会の分断をより広げてはいないでしょうか? 今回はムダという言葉を考えていきましょう。 ムダをなくそうという社会私たちの住む現在の日本社会は、十分に豊かな社会であると言えますが、同時に衰退が始まっている社会であることも否定できません。 戦後に起こった高度経済成長期の栄光は見る影もなく、オイルショックからバブル

        • 異世界に転生したい18歳は4割?異世界になぜ行きたいと思うのか

          異世界転生・転移と呼ばれる小説群が流行っている。特に小説家になろうというwebサイトを中心に、いわゆるアマチュアな物書き(一般ユーザー)たちが、異世界を舞台に物語を描いているのだ。こうした異世界転生ものの流行に対して「なぜ流行っているのか?」といった議論は複数あるが、筆者が200作品ほど小説家になろうで作品を読んでみた結果の疑問は、「なぜ異世界に行きたいのか?」である。この「異世界」に非常に魅力を感じる何かがあるに違いない、そう考えた筆者は現代日本社会の状況と照らし合わせなが

        • 固定された記事

        教員の働き方改革~変形労働時間制は裁量労働制と何が違うの?~

        マガジン

        • 放課後デイサービス解説
          0本
        • 小児性愛研究ノート
          1本
        • 教育の不思議
          25本

        記事

          「どうして勉強しないといけないの?」という疑問に答えられますか?

          「どうして勉強しないといけないの?」と多くの子どもはいいます。 大人になると、少なくとも学校の勉強からは解放され、大して日々勉強もしてないのに、この質問には、とりあえず「将来のため」などといって本当にあるのかどうかもわからない、将来を子どもに押し付けて難を逃れます。 しかし、それでいいのでしょうか? ある人は堂々と意味がなかったというかもしれませんし、とりあえず「将来のため」と逃げの一手を使います。 これでは、あまりにも貧相な回答です。 今回は、結果はどうあれ、「どうして

          「どうして勉強しないといけないの?」という疑問に答えられますか?

          学校の中の評価って何だろう

          学校に通った人なら、必ず受けてきた評価、例えば、通知表や、テストの点数、内申点など、色々な点数をつけられてきました。 評価とはなんかしらの価値を定めることです。 例えば英語の点数が高いということは、英語の理解度が高いと評価されるということです。 しかし、先生が自分の好き嫌いで適当に評価を決めてしまったら、評価の価値や学校の価値もなくなってしまいますし、子どもにとって良いとも言えないでしょう。 こうした教育における評価はどのようなものが妥当なのかを研究する分野を教育評価論

          学校の中の評価って何だろう

          ゲーム規制条例を考えた人は教育学を勉強したことがあるのだろうか

          香川県で、面白い条例が制定されましたね。「ゲーム規制条例」です。 この時点ですでに聡明な方ならあほらしいと一蹴されると思いますが、これを考えた人は逆になぜそう考えるのか考察する必要があるでしょう。私たちは歴史上、何度も人々が怠けるからという理由で娯楽を禁止することを繰り返しています。 それは単に歴史に学ばない愚か者だからというだけではなく、そのように考えたがる枠組みがあるような気がします。 今回はゲーム規制条例について考えてみましょう。 ゲーム規制条例さて条例の中身です。

          ゲーム規制条例を考えた人は教育学を勉強したことがあるのだろうか

          赤ちゃんは無力?

          赤ちゃんは触れたら壊れそうなほど、繊細な感じがしますよね。言葉も喋れず、自分で動くこともままなりません。 赤ちゃんは無力なのでしょうか?世界がどう見えているのでしょうか 今回は赤ちゃんについて考えて思います。 生まれる前の動き赤ちゃんはお母さんのお腹の中から出てきた瞬間に、成長し始めるわけではありません。 お腹の中にいる頃から断続的に成長を続けています。そのため、生まれてからの行動はその前(お腹の中)の動きも大切になってくるはずです。 お腹の中にいる頃から現れる自発的

          赤ちゃんは無力?

          エリクソンの発達段階

          発達段階という言葉を聞いたことがあるでしょうか。 発達段階とは、わかりやすくいうと、人間というのは成長に個人差はありますが、似たような時期に、似たような課題を得て、それを解決して成長していくという、プロセスのことを言います。 この時期にこういうことを得やすいという意味であって、それより後に得るものが全く起きてないかと言われればそうではありません。重なって同時に起こっていますが、順番に出てきますよといった意味になります。 わかりやすくいうと、生まれてからすぐ様々な課題がよー

          エリクソンの発達段階

          フリースクールの歴史

          以前不登校を図にしてみるという記事を書きました。 https://note.com/banbirokon/n/ncd997a823605 不登校というのは、起こるものですし、単一の原因があるものではありません。 文科省も「不登校は誰にでもおこりうる」(文科省1992年)と言っているので、学校以外での育つ場所が必要でした。そういう意味で、不登校の子どもの受け皿として、発展していったのは、フリースクールでした。 今回はこのフリースクールの歴史について説明していきたいと思

          フリースクールの歴史

          教員の精神疾患による休職・離職の問題

          以前学校では残業代はでないよという話をしました。 https://note.com/banbirokon/n/ne873471a4c18 残業代が出ないにもかかわらず、定時以降に部活動の顧問や、モンスターペアレントの対応、子どもたちの生徒指導と明らかに大変な仕事です。 筆者の大学院時代の知り合いに精神疾患で退職をした、教員の方がいました。本人は自分の能力がなかったことと、よい教育をしようとして、慢性的な残業があったとこ、同僚の先生とトラブルを抱えていたことをあっさり話してい

          教員の精神疾患による休職・離職の問題

          外郭団体ってなに?

          外郭団体という言葉があります。あまり聞かない言葉かもしれませんが、「天下り先に〇〇の外郭団体が〜」というニュースで聞いたことがあるかもしれません。 自分の市町村で、公益財団法人と言った名前を見かけたことはないでしょうか? 全部ではないですが、こうした法人が外郭団体となっていることが多いです。 外郭団体の定義外郭団体とは、国や地方公共団体の外の組織でありながら、様々な援助を受けている、行政の補完的な役割を持つ団体です。 要するに半官半民の団体だということです。そのため、外郭

          外郭団体ってなに?

          学級崩壊の構図

          学級崩壊という言葉があります。 最近はあまり聞かなくなりましたが、文科省の調査を参考にするなら、 「子どもたちが教室内で勝手な行動をして教師の指導に従わず、授業が成立しないなど、集団教育という学校の機能が成立しない学級の状態が一定期間継続し,学級担任による通常の方法では問題解決ができない状態に立ち至っている場合」 となります。主に1990年台の後半にマスコミに取り上げられ、大きな話題となりました。 筆者の話になりますが、小学生の頃、クラスが先生と対立して授業が成り立たな

          学級崩壊の構図

          教える―学ぶの関係

          最近、小学生に人気のyoutuberを教えてもらいました。なんで人気なのかを聞くと、フォートナイトというゲームの元世界一位だからだと教えてもらいました。 なるほど、確かになというふうにと思いましたが、「教えるー学ぶ」ということは、先生と生徒が逆転しても成り立つことがわかります。 基本的なことですが、教えると学ぶとはどんな関係なんでしょうか。 今回は広田照幸先生と宮澤康人先生の2人の著書から見ていきたいと思います。 教えたら学ぶ?教えるということは、相手に何かを学んでほし

          教える―学ぶの関係

          いじめという問題

          「いじめ」という言葉があります。 おそらく、これを読んだ人はいじめというものわ、見たり聞いたり、中には体験した人もいるかもしれません。 いじめという言葉を聞いて気分が悪くなる人は、この記事を読まないのが得策でしょう。 さて、いきなりですが、「いじめ」とはなんでしょうか? 例えば、長年連れ添ったコンビ芸人が、相方のことをボコボコに罵っています。そういう芸です。 これは「いじめ」でしょうか? 多くの人は「いじめ」ではないと答えるのではないでしょうか しかし、学校で同じことを

          いじめという問題

          部活の意義の歴史

          教員の働きすぎの問題もあって、その一つに部活動が、教員の多忙化に一役かってるのではないかと話題になりましたね。 教員は残業代が出ない(基本給の4%はじめから残業代ときてついているだけ)にもかかわらず、部活動は平然と行われています。 これらは、教員の方々の奉仕活動によって成り立っています。ではなぜ、部活動はそこまでやるようになったのでしょうか。 (出典)加藤一晃「部活動は学校において合理的な活動か?」片山悠樹編『半径5メートルからの教育社会学』大月書店 図のように中学

          部活の意義の歴史