マガジンのカバー画像

世の中・ビジネスの考察

57
戦略コンサルタントの視点も加えながら世の中やビジネスについて考察した記事を集めたマガジンです
運営しているクリエイター

記事一覧

ビザスクの功罪

ビザスクの功罪

数年前からビザスクというサービスが普及し、コンサルティングファームでも多用されるようになりました。

ビザスク|日本最大級のスポットコンサル (visasq.com)

ビザスクとは、インタビューをしたい人とインタビューを受けて小遣いを稼ぎたい人とをマッチングするサービスです(同社はスポットコンサルと呼んでいます)。

コンサルティングでは、外部のエキスパートインタビューをすることがしばしばありま

もっとみる
プロフェッショナル仕事の流儀の言葉群を分析してみてわかったこと

プロフェッショナル仕事の流儀の言葉群を分析してみてわかったこと

プロフェッショナルー仕事の流儀という番組があります。毎回ある分野で卓越した成果を出しているプロフェッショナルに密着取材し、プロフェッショナルの仕事への向き合い方や葛藤を伝えるNHKの番組です。

同番組のクライマックスは、スガシカオのProgressがエンディングテーマとして流れる中での、「あなたにとってプロフェッショナルとは?」という問いかけに対するプロフェッショナルの回答です。

久々に同番組

もっとみる
法則を踏まえることの重要性

法則を踏まえることの重要性

戦略コンサルタントのアップルです。
新年あけましておめでとうございます。

今年も頻度はさほど高くないと思いますが、たまに思いついたこと、感じたこと、大事だと思ったことなどを記事にしていきたいと思います。昨年を振り返ると、合計で13本の記事を書いていました。平均すると月1本のペースです。今年もそれくらいのペースでは何かしら書いていこうと思います。

近年はさして高い頻度で記事を書いているわけではあ

もっとみる
コンサル業界の変質とその背景

コンサル業界の変質とその背景

戦略コンサルタントのアップルです。

私は戦略コンサルティング業界に10年以上いますが、ここ数年でだいぶん業界としての「質」が変わったと感じます。他ファームの人からも、それに類することを耳にすることがあります。

Twitter上でも、コンサルティング業界の中の人によって日々様々なつぶやきが行われていますが、そうした中でも業界の「変質」を示唆するコメントが半ば嘆きとともに踊っているように思います。

もっとみる
ダイバーシティ推進に感じるうさん臭さ

ダイバーシティ推進に感じるうさん臭さ

戦略コンサルタントのアップルです。

最近ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)という言葉をよく耳にするようになりました。このD&I。こと上場企業などの大企業においては、「当然大事なことだし、推進すべきだよね」という「暗黙の前提」になりつつあるように思うのですが、(性格がひねくれているためか)個人的にはかねてより「うさん臭さ」を感じています。

なぜうさん臭さを感じるのか?
3つのポイントをお

もっとみる
コンサル業界とパーパス

コンサル業界とパーパス

戦略コンサルタントのアップルです。

最近、コンサル業界においても「パーパス」というものが無視できなくなってきたように感じています。これは、コンサルの飯の種としてパーパスというキーワードが重要になってきたという話ではなく、「コンサルファームとしてもパーパス経営に向き合わないと優秀な人財の流出を食い止められない」というファーム経営の根幹に関わる観点での話です。これはコンサル業界における一つの大きな潮

もっとみる
経営を測る指標と国力を測る指標を対比して思うこと

経営を測る指標と国力を測る指標を対比して思うこと

戦略コンサルタントのアップルです。

ふと、経営を測る指標は多様化が進んでいる一方で国力を測る指標は全然多様化が進んでいない、そのギャップって問題じゃないか?と思ったので、記事にまとめてみました。ちょっと雑な考察かもしれませんが、興味ある方はご覧ください。

経営では、売上市場主義からの脱却が進むこと日本では、企業経営において長らく「売上市場主義」がはびこってきました。売上市場主義とは、「売上の規

もっとみる
退職の挨拶にその人の価値観が見え隠れするという話

退職の挨拶にその人の価値観が見え隠れするという話

戦略コンサルタントのアップルです。

コンサルティング業界は人の出入りが激しい業界です。常に新しい人が入ってくると同時に、一定のペースで卒業していく人がいます。アップルもこれまでにたくさんの人たちの退職の挨拶を聞いてきました。

そんな中で、退職の挨拶というのはとてもその人の人間性や価値観が出ると感じています。今回の記事ではその点について書いてみたいと思います。

退職の挨拶は一つのスピーチの場人

もっとみる
強い障壁をつくるために必要なこと

強い障壁をつくるために必要なこと

戦略コンサルタントのアップルです。

「三位一体の経営」という本が1年ほど前に出版され、ヒットしました。みさき投資代表の中神氏が執筆した本で、投資家の目線から、よい経営とは何かを体系的・理論的に論じています。

色々よいことが書いてあるので、まだ読んでない方にはぜひ読んで頂きたいのですが、久しぶりに読み返してみて「確かにそうだよな」と腹落ちした箇所があったので、アップルの解釈も加えつつ記事にしてお

もっとみる
出身高校の「合格体験記」を読み返してみて

出身高校の「合格体験記」を読み返してみて

戦略コンサルタントのアップルです。

今回の記事はコンサルっぽくないネタです。半分昔ばなしです。

少し前に「消えた天才」という番組がありました。やらせが発覚して番組終了となってしまいましたが、「学生時代にある分野で天才的だった人が、今何をやっているのか?」を取材で追跡検証する番組でした。番組のコンセプトは面白かったので、アップルもしばしば観ていました。本稿は、この番組と似た感じで、合格体験記に載

もっとみる
3W1Hの順番についての一考察

3W1Hの順番についての一考察

戦略コンサルタントのアップルです。

5W1Hはビジネスシーンでよく使います。例えば、ビジネスモデルはWhat(顧客や提供価値)とHow(その提供方法や稼ぎ方)の組み合わせだというような使い方がされます。また、企業理念やパーパスはWhyと表現されることも多いです。

5W1Hはとても使いやすいフレームなので、アップルもコンサルティングの中で分かりやすく整理するときによく使いますが、最近になって「こ

もっとみる
コウメ太夫はなぜ売れたのか? ~その裏にあるオーソドックスな法則~

コウメ太夫はなぜ売れたのか? ~その裏にあるオーソドックスな法則~

戦略コンサルタントのアップルです。

今回の記事のテーマは「コウメ太夫はなぜ売れたのか?」です。しょうもないテーマ設定で恐縮ですが笑、彼のTV番組での発言などを踏まえ売れるべくして売れたのじゃないかという気がし、それはビジネスにおいても示唆があると思ったので、記事にまとめておきたいと思います。

コウメ太夫とは?コウメ太夫という芸人を皆さんご存じだと思います。2005年にエンタの神様をきっかけにブ

もっとみる
これからの人材育成の在り方とは?

これからの人材育成の在り方とは?

戦略コンサルタントのアップルです。

戦略コンサルティングの仕事をする中で常に重要なイシューとして頭の片隅にあるのが「人材育成」です。これには2つの観点があります。

一つは、ファームにおけるコンサルタントの人材育成です。「企業は人なり」という言葉がありますが、まさに「ファームは人なり」。一人ひとりの脳みそ(知識、知恵、思考力)が価値の源泉である戦略ファームにおいて人材育成は最重要テーマの一つです

もっとみる
ジョブ型雇用はやわかり(読書メモ)

ジョブ型雇用はやわかり(読書メモ)

戦略コンサルタントのアップルです。

コロナを契機に、ジョブ型雇用に注目が集まっています。実際に導入する企業もいくつか出てきました。「経営」と「人」とは密接に関係しているため、経営コンサルティングや戦略コンサルティングの支援においても「人」がイシューになることがよくあります(むしろ、ならないことの方が珍しくなってきているかもしれません。いくらきれいな戦略やビジネスモデルを描いても、それを実行できる

もっとみる