記事一覧
高橋源一郎の歎異抄(朝日新書)
NHKラジオで、高橋源一郎の飛ぶ教室をときどき聴いていて、いろいろな作家との話がおもしろく、何か読んでみようと、手始めに「歎異抄」を読んだ。
中学・高校生くらいをイメージしているか、よみやすい翻訳ということを意図したと思われるが、もともと短いものなので、本文はすぐに読めてしまうが、後ろに原文がついていて、改めて高橋の翻訳と比較してみると、少し考える時間が延びる。
特に高橋が特異な解釈をしているとい
「ブルックリン化する世界」(森千香子著、東大出版会、2023年11月)から学ぶ
東大出版会のUP5月号に「再開発と空間闘争の記号としてのブルックリン」という著者の記事を読み、都市の再開発と住民の視点について、これは少し学ばねばと、本書を取り寄せて読んだ次第。
ニューヨークのブルックリンで起きていること、ジェントリフィケーション、日本語では富裕化という言葉が相当するのだろうか、今までは再開発という中に存在しつつも、社会として何が起きており、そのまちに住むことがどういうことなのか
「なぜ福島の甲状腺がんは増え続けるのか?」(福島原発事故による甲状腺被爆の真相を明らかにする会編、耕文社、2024年3月)から考える
東日本大震災の震災復興において、福島の特殊性は原発事故にある。初めからわかってはいたが、どのように復興に取り組むべきか、という点でも他の地域に比べて、はるかに困難な問題である。日本建築学会で「人為的要因による震災の防止・軽減に向けた技術・社会のあり方について」、2ラウンドの特別研究委員会を富樫豊委員長のもとで実施し、2019年3月と2022年3月の報告書にまとめているが、原発事故に対する議論は必ず
もっとみる