イト

日々のこと私のことつらつらと

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日々のこと私のことつらつらと

記事一覧

君の泡もまた 光り続けて星となる

乾いた君に 波が押し寄せる   靴を汚して暗闇を浴びる   涙を流しても誰も気づかないからって ずっと黙って泣いたまま 魚たちは涙の粒を食べては消えてゆく 小さな一…

イト
7か月前
2

光のもと

君と僕で月の裏へ行こう 誰もいないところで盛大なパーティーをしよう 帰りのことは忘れよう なんて言えないけれど 肺の膨らみを忘れて 君と歌を歌うんだ 君と僕で海の底…

イト
8か月前
5

今日の私 未来のあの子

南から随分と落ちていく光 瞳孔が小さくなる感覚が私を急かす 肌を焼く緩い日差し 冷たい風が私の間を行き交う 私はまた冬を忘れるだろう 唐辛子の匂いがしても 冬を思い…

イト
8か月前
7

言葉にできない感覚

言葉にできない感覚ってあると思う。 なんとなく好きとかなんとなく苦手とか。 それを完璧に言葉にできる人って素敵だなと思う。 けど完璧に言葉にできない人のことが私…

イト
1年前
8

布団に入って眠りにつこう

布団に入って眠りにつこう 厄介でしょうもない でも放っておけない私の考えは 寝ている私に練られて 街が明るくなった頃には もっといいものになるかもしれないと 少しの…

イト
1年前
2

こころと、あたまよ ずっと寄り添っていて

心の中の話したいこと伝えたいこと、頭の中で練るほどにどこか遠くに離れてゆく。誰も傷つけたくなくて、変に思われたくなくて、でも私のことをを伝えたくて。 自分なりの…

イト
1年前
3

夜と朝の境目

幼い頃は眠りについて朝がくれば、 新しい1日を生きられていた。 しかし、大人になり頭をかかえ夜を乗り越える日々を 重ねていくうちに、日々は1日の繰り返しではなく、ず…

イト
1年前
3

メモ 東京の喫茶店で考えたこと 

田舎者の私はこれといった目的もなく 一人東京へ旅に来た。 何とかしなければならないことや何ともならないことについて考える時間だけが唯一の旅のお供だ。 私は次、誰と…

イト
1年前
4

他者の成功や名声は自身の価値を下げるものではない。隣の芝生はいつだって青く見えるが自身の芝生も誰かから見れば青い。そう信じて生きる他ない。

イト
1年前

私と映画と

私が映画を好きになったきっかけの話 高校生の頃一緒のクラスだった男の子。 ほとんどまともに話したことがなかったけど 私にある映画をおすすめしてくれた。 「かもめ食…

イト
1年前
16

お寺に手を合わせるおじいさん
両手に杖を持ったおばあさん

街 私の街

イト
1年前

春の夜

古びた自販機 自転車を走らせる 鳥の声は遠くむこう 草木が話しかける 波が押し寄せる 顰めっ面と風の音 地球の裏とあなたの手 ぬくもりはすぐそこにある 街は明るくな…

イト
1年前
2

先日バイト先の後輩が映画に誘ってくれた。 ちょっとだけ抜けていて謎が多いけど、 面白くて優しい男の子。 似ている。 私が高校生の頃に好きだった男の子にとても似てい…

イト
1年前
1

無題

駆けたあの夜と 泣いたこの夜が今触れ合う 月はどこにもなかった 鳥の声で朝を知る 遠くむこうがわ こことが線で結ばれ続けるよう 祈る 蝉の声が心地よくて 雪の静寂が…

イト
2年前
3

普通じゃない

最近特にそう感じる。 ものを覚えるのには人よりも時間がかかるし、頭の中の思いを言葉にするのも下手。他に譲れない程の好きなものは特にないし、自分が熱意を持って語れ…

イト
2年前
2

ボロボロになった自販機のボタンを押す不安と夕日に照らされながら自転車を走らせる不安

イト
2年前
3
君の泡もまた 光り続けて星となる

君の泡もまた 光り続けて星となる

乾いた君に 波が押し寄せる
 
靴を汚して暗闇を浴びる
 
涙を流しても誰も気づかないからって

ずっと黙って泣いたまま

魚たちは涙の粒を食べては消えてゆく

小さな一匹が星へと泳ぐ

君はもがく

あいつが眠るように

あの子が眠れるように

君の泡もまた 光り続けて星となる

光のもと

光のもと

君と僕で月の裏へ行こう
誰もいないところで盛大なパーティーをしよう
帰りのことは忘れよう
なんて言えないけれど
肺の膨らみを忘れて
君と歌を歌うんだ

君と僕で海の底へ行こう
誰もいないところで頭の中を覗きあおう
君はばかだな
なんて言えないけれど
肺が縮むのを感じて
君とダンスを踊るんだ

君と僕で山の奥へ行こう
誰もいないところで指切りしよう
愛してる
なんて言えないけれど
肺の膨らみを感じて

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今日の私 未来のあの子

今日の私 未来のあの子

南から随分と落ちていく光
瞳孔が小さくなる感覚が私を急かす
肌を焼く緩い日差し
冷たい風が私の間を行き交う

私はまた冬を忘れるだろう
唐辛子の匂いがしても
冬を思い出すことはないだろう

あの子のカバンについている
赤い御守りに祈りを込める
もう君が涙を流さないで済むように
こう私が祈ったことを忘れないように

言葉にできない感覚

言葉にできない感覚

言葉にできない感覚ってあると思う。

なんとなく好きとかなんとなく苦手とか。

それを完璧に言葉にできる人って素敵だなと思う。

けど完璧に言葉にできない人のことが私は好きだ。

言葉にできないもどかしさを二人で一緒に楽しんで、

頭の中のぐるぐるを覗きあいながら、

ああでもない、こうでもない、そうかもしれない。

そんな会話がしたい。

そんな会話で笑っていたい。

布団に入って眠りにつこう

布団に入って眠りにつこう

厄介でしょうもない
でも放っておけない私の考えは
寝ている私に練られて
街が明るくなった頃には
もっといいものになるかもしれないと
少しの期待を込めて

こころと、あたまよ ずっと寄り添っていて

心の中の話したいこと伝えたいこと、頭の中で練るほどにどこか遠くに離れてゆく。誰も傷つけたくなくて、変に思われたくなくて、でも私のことをを伝えたくて。
自分なりのより良い言葉をずっと探している。
探しすぎている。

完璧を求めすぎなんだろうなとは自覚しているものの、どうも上手くいかない。
就活には致命的すぎる私の性質。

これで生きてきたんだから、
これで生きられる職場に出会いたい。
給料なんて高く

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夜と朝の境目

幼い頃は眠りについて朝がくれば、
新しい1日を生きられていた。
しかし、大人になり頭をかかえ夜を乗り越える日々を
重ねていくうちに、日々は1日の繰り返しではなく、ずっと続いているもので夜と朝の境目なんてないと気がついた。
これは成長でもあり一種の敗北でもある。

と過去に思ったことを思い出した。

そんな私の頭の中の話。

メモ 東京の喫茶店で考えたこと 

田舎者の私はこれといった目的もなく
一人東京へ旅に来た。
何とかしなければならないことや何ともならないことについて考える時間だけが唯一の旅のお供だ。

私は次、誰とともに東京に来るのだろう。
この喫茶店に再び足を踏み入れることは
あるのだろうか。

いい感じだった彼にはもう
なんと連絡したらいいのかわからない。
そんなふうに何もなかったかのように
終わっていくのは物悲しい。

風のようだ、本当に。

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他者の成功や名声は自身の価値を下げるものではない。隣の芝生はいつだって青く見えるが自身の芝生も誰かから見れば青い。そう信じて生きる他ない。

私と映画と

私と映画と

私が映画を好きになったきっかけの話

高校生の頃一緒のクラスだった男の子。
ほとんどまともに話したことがなかったけど
私にある映画をおすすめしてくれた。
「かもめ食堂」だった。

教えてもらった日の晩 
私はレンタルビデオ屋さんに連れて行ってもらった。 目がチカチカする棚を見回した。
どんなジャンルの映画なのかもわかっていなかったので
ただひたすら「か」のコーナーを探す。
ようやく「かもめ食堂」を

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お寺に手を合わせるおじいさん
両手に杖を持ったおばあさん

街 私の街

春の夜

春の夜

古びた自販機 自転車を走らせる
鳥の声は遠くむこう
草木が話しかける
波が押し寄せる

顰めっ面と風の音
地球の裏とあなたの手
ぬくもりはすぐそこにある

街は明るくなった 街灯はいらない
私たちよ 案外大丈夫
ぬくもりは心の中の見えないところ
ずっとずっとそこにある

癖

先日バイト先の後輩が映画に誘ってくれた。
ちょっとだけ抜けていて謎が多いけど、
面白くて優しい男の子。

似ている。
私が高校生の頃に好きだった男の子にとても似ている。

この人は私の友人と考えが似てるなとか、この人は学生の頃苦手だったあの人に似てるなとか、性格面で人を人に重ねてみるのは関係を築いていく上で良くないと思っている。「期待に応えてくれない」なんて思ってしまう瞬間があってはいけないから。

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無題

駆けたあの夜と
泣いたこの夜が今触れ合う
月はどこにもなかった

鳥の声で朝を知る
遠くむこうがわ
こことが線で結ばれ続けるよう 祈る

蝉の声が心地よくて 雪の静寂がうるさい
そんなことをよく思った

夏には私の誕生日 冬には君のバースデイ
そんなこともう忘れたい

透明かつ鉛の心
混ざりあって昇華してはくれないか

駆けたあの夜と
泣いたこの夜が今遠ざかる
君はまだ中央線を往く

普通じゃない

最近特にそう感じる。

ものを覚えるのには人よりも時間がかかるし、頭の中の思いを言葉にするのも下手。他に譲れない程の好きなものは特にないし、自分が熱意を持って語れることもない。何かに一生懸命に取り組んだのはもうだいぶ前のことだ。

ちょっと気楽に生きているつもりだったが、どうやら私には何も残っていなかった。

普通が遠い。

私は大学3年になった。大学4年の友人から就活が落ち着いたという連絡がちら

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ボロボロになった自販機のボタンを押す不安と夕日に照らされながら自転車を走らせる不安