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この本いいよ!

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これまで私がnoteに投稿した読書感想記事をまとめたマガジンです。本選びの参考になればいいなと思います。
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2021年10月の記事一覧

第105回:声にしなければ得られないものもある

第105回:声にしなければ得られないものもある

こんにちは、あみのです。
今回の本は、青谷真未さんの『水野瀬高校放送部の四つの声』(ハヤカワ文庫JA)という作品です。

私は、青谷さんの「エモさ」や「純粋さ」を感じることができる青春小説が大好きです。今作でも青谷さんの魅力がたっぷりと楽しめます。
また心にもやもやした感情を溜めてしまいがちな人には、勇気が貰える要素もある物語かと思います!

あらすじ(カバーより)校庭に響いたマイクの音に心奪われ

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第104回:「言葉」を味方にして、「世の中」という海を泳いでいこう

第104回:「言葉」を味方にして、「世の中」という海を泳いでいこう

こんにちは、あみのです!
今回の本は、汐見夏衛さんのライト文芸作品『真夜中の底で君を待つ』(幻冬舎文庫)です。noteにて汐見さんの作品の感想を書くのは5冊目です。

突然ですが、あなたには身近な人との会話や何かの物語の「言葉」に救われたり、人生を変えたりした経験はありますか?私には数え切れないくらいにあります。
今作では、人々が放つ「言葉」の影響力について印象強く描かれています。前述したような経

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第103回:謎の言葉と「愛される」ということ

第103回:謎の言葉と「愛される」ということ

こんにちは、あみのです。
今回の本は、芦花公園さんの『異端の祝祭』(角川ホラー文庫)という作品です。ホラー小説はあまり読まないですが、あらすじで既に見える独特な世界観に惹かれて読んでみました。

就職浪人のある女性が入社した大企業は「天国」かそれとも「地獄」なのか。作品ならではの世界観と作中で大きく展開される謎から目が離せない作品です。ホラーですが、怖さだけでなく謎解きの要素も強いので、ミステリー

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第101回:「好き」があるとやっぱり強いよね

第101回:「好き」があるとやっぱり強いよね

こんにちは、あみのです。
今回の本は、木爾チレンさんの『みんな蛍を殺したかった』という作品です。最近、本屋で見るたびに凄く気になっていた1冊です。

ひとりの美少女の死というダークな雰囲気と、「オタク」という今作を象徴するキーワードが印象的な物語。
3人のオタク女子とひとりの美少女が抱えるそれぞれの「秘密」は、今作最大の謎にどう関わってくるのでしょうか?痛々しい感情・シーンもありますが、一方で何か

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第100回:自分探しの旅で気付いた家族の大切さ

第100回:自分探しの旅で気付いた家族の大切さ

こんにちは、あみのです!
今回の本は、菊川あすかさんのライト文芸作品『君がくれた最後のピース』(実業之日本社文庫GROW)です。

今作は「家族」が大きなテーマとなっています。
家族のことは好き。だけど時々一緒にいるのが嫌になる…という人にはぜひ読んでほしい作品です。

あらすじ(カバーより)愛がすべてを繋ぐ――。時空を超えた絆に涙あふれて
最愛の母を亡くし2年。嘆き悲しむ暇もなく、遺された家族の

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第99回:優しさと美味しい料理は心を救う

第99回:優しさと美味しい料理は心を救う

こんにちは、あみのです。
今回の本は、髙森美由紀さんのライト文芸作品『柊先生の小さなキッチン』(集英社オレンジ文庫)の第1巻です。前回は「芸術の秋」っぽい作品だったので、今回は「食欲の秋」っぽい作品を。

今作は様々な「生きづらさ」を抱える人々が、美味しい料理を通して救われていく物語です。シンプルなストーリーではありますが、読むと心がとても温かな気持ちになれます!柊先生の優しさにあなたも癒されてみ

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第98回:人はなぜ「作品」を残すのか?

第98回:人はなぜ「作品」を残すのか?

こんにちは!あみのです。
今回の本は、音無白野さんの『その日、絵空事の君を描く』(ハヤカワ文庫JA)という作品です。

ちょっぴりSF要素の入った青春小説であり、人々がどうして様々な「作品」を形として残していくのかもわかる1冊。
意外性のある青春小説が読みたい人だけでなく、美術館や博物館へ行くのが好きな人にも読んでほしい「芸術の秋」にぴったりな物語です。

あらすじ(カバーより)高校のただの同級生

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