Akira Kato / 加藤 彰@『即興型ディベートの教科書』著者

ディベート教育実践家 / 東京大学英語ディベート部OBOG会顧問、九州大学学術研究者、…

Akira Kato / 加藤 彰@『即興型ディベートの教科書』著者

ディベート教育実践家 / 東京大学英語ディベート部OBOG会顧問、九州大学学術研究者、跡見学園女子大学講師、外務省文科省後援の国際大会審査委員長、全国大会優勝・審査委員長 / "ディベート力"を通じて理不尽さを0に / 三足の草鞋(会社員x研究者x教育者)/ SDGs

記事一覧

[即興型ディベートニュース速報] 2つの世界大会で歴史が動いた

2021年は色々なニュースがありましたが、即興型ディベートの世界では歴史に新たな1ページが刻まれました。 高校生世界大会で、日本史上初となる決勝トーナメント進出 大…

『世界のグローバルリーダーが使いこなす交渉の秘訣』を読んで 交渉×ディベートに想いを寄せてみた

丸善で平積みされていた『世界のグローバルリーダーが使いこなす交渉の秘訣』。大前研一氏が学長を務めるビジネス・ブレークスルー大学の准教授の竹村さんの著書で、読んで…

「ライフピボット」を読みながら三足の草鞋のキャリアを振り返ってみた

『ライフピボット』という本を黒田悠介さんが出されました。実は大学時代にキャリアカウンセラーでお世話になったというご縁もあり、ずっと気になっていたこの本を手に取っ…

NO YOUTH NO JAPAN × ディベートに挑戦してみた (社会課題(SDGs)教育としてのディベート実践例)

こんにちは!「1億総ディベート時代」を目指して活動しているディベート教育実践家の加藤彰です。コロナ禍で、ディベートに限らず教育関係者の皆様は苦労されているとよく…

即興型ディベーターが調査型ディベートの大会で初めて審査員してみました

はじめに 10年以上即興型ディベートを行っていたのですが、先日初めて調査型ディベートの国際大会の審査員を務めさせていただきました。記念日ですね。迎え入れてくださっ…

『即興型ディベートの教科書 ~東大で培った瞬時に考えて伝えるテクニック』出版しました

ありがたいことに、先日あさ出版さまから即興型ディベートの教科書を出版致しました! 広さでは日本トップの書店(ジュンク堂書店池袋本店、丸善丸の内本店など)でも目立…

ディベートを活用したSDGs教育の実践例

国連が制定したSDGs。日本においては"PPAP"でのマーケティングでも話題になりました。 教育現場でも「なぜ」やるのか?という話ではなく、「どう」やるのか?で多くの方が…

即興型ディベート 世界最強豪校での2人の挑戦 ~河野周教諭 × 加藤彰コーチ~

日本の高校生ディベートを世界レベルに少しでも近づけるためには、自身の成長が不可欠だと思い、即興型ディベートの世界最強豪校であるシドニー大学のディベート部の門を叩…

色々な人と協力することが増える時代だからこそ、「ディベート力」を鍛えよう

こんにちは、加藤です。この前、九州大学で「文理融合教育」をテーマにしたシンポジウムにパネリストとして登壇したのですが、その時の議論や他の人たちと話している中で、…

3分で分かる即興型ディベート

こんにちは、2020年もどうぞよろしくお願いします。 本日は即興型ディベートの概要をご紹介します。3分で分かるように1枚のスライドにまとめてみました。議題が出て、最短…

ディベートはどのような授業で使われているのか?

こんばんは、加藤です。 最近、授業でディベートを導入することを考えているものの、うちは向いているのでしょうか、というようなご質問を受けることが増えてきました。(…

ディベートのYouTubeアニメに注目している話

今、ディベートのYouTubeアニメに注目しています。 見るほうが早いと思いますので、こちらから。 https://www.youtube.com/watch?v=Tg-t57Wb5yA 1.そもそも「ディベート…

ディベートで一番今役に立っているのは、「ホリゾンタル思考」かもしれない

「ホリゾンタル思考」とは、相手が何を言ってくるかを起点に考える思考法のこと。 私はディベートで身につくこの思考法を、このように定義しています。 ディベートは、肯…

AIによるディベートは、世界トップディベーターとの試合で感情も揺さぶる

つい先日、AIが世界トップディベーターとの試合を行ったことはご存知でしょうか?IBMの「Project Debate」では、過去にイスラエルのトップディベーターとAIが対戦し、AIが…

即興型ディベートで身につくのは、「ドア・オープン力」では?

即興型ディベートで身につく力とは結局何なのでしょうか? 私は一言で申しますと、「ドア・オープン力」なのではないかとお話しさせて頂いております。大学での勉強はもち…

"三足の草鞋"のすすめ

今回はディベートの話ではなく、ライフスタイルに関して書きたいと思います。 私は"三足の草鞋"をはいています。「即興型ディベートの専門家」としてnoteでは発信させてい…

[即興型ディベートニュース速報] 2つの世界大会で歴史が動いた

2021年は色々なニュースがありましたが、即興型ディベートの世界では歴史に新たな1ページが刻まれました。

高校生世界大会で、日本史上初となる決勝トーナメント進出

大学生世界大会で、日本史上初となる(全体での)決勝トーナメント進出・準々決勝進出

となりました。正確な記録を可能な限り追ったところ、高校生世界大会は、2007年の初派遣から14年の歴史の中で初、大学生世界大会は約20年の歴史の中で初

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『世界のグローバルリーダーが使いこなす交渉の秘訣』を読んで
交渉×ディベートに想いを寄せてみた

『世界のグローバルリーダーが使いこなす交渉の秘訣』を読んで 交渉×ディベートに想いを寄せてみた

丸善で平積みされていた『世界のグローバルリーダーが使いこなす交渉の秘訣』。大前研一氏が学長を務めるビジネス・ブレークスルー大学の准教授の竹村さんの著書で、読んでみたところぐっと引き込まれました。(実はある書店では拙書と隣に置かれていたらしく、光栄すぎてぜひこの目で見たかったです…)

0.本の雑感交渉のイロハを解説し、国ごとの交渉の傾向を一通り見た後に、交渉テクニックを具体的な事例を交えながら解説

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「ライフピボット」を読みながら三足の草鞋のキャリアを振り返ってみた

「ライフピボット」を読みながら三足の草鞋のキャリアを振り返ってみた

『ライフピボット』という本を黒田悠介さんが出されました。実は大学時代にキャリアカウンセラーでお世話になったというご縁もあり、ずっと気になっていたこの本を手に取ってみたところ、とても示唆に富みました。ついつい、何度か読み返してしまいました。

今回は、本で挙げられていて特に私に刺さった3つのポイントと自分のキャリアを紐づけて、書いてみたいと思います。感想文のようで恐縮ですがぜひ。

1.人的ネットワ

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NO YOUTH NO JAPAN × ディベートに挑戦してみた
(社会課題(SDGs)教育としてのディベート実践例)

NO YOUTH NO JAPAN × ディベートに挑戦してみた (社会課題(SDGs)教育としてのディベート実践例)

こんにちは!「1億総ディベート時代」を目指して活動しているディベート教育実践家の加藤彰です。コロナ禍で、ディベートに限らず教育関係者の皆様は苦労されているとよく聞きます。デジタルデバイドへの対応、「コロナ疲れ」の最小化、教材の大幅な加筆やコンテンツの変更等色々あるかと思いますが、私なりの理解では特にディベート教育では「目的に立ち戻ること」が特に重要になったと思います。特にディベートは、その効用が広

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即興型ディベーターが調査型ディベートの大会で初めて審査員してみました

はじめに
10年以上即興型ディベートを行っていたのですが、先日初めて調査型ディベートの国際大会の審査員を務めさせていただきました。記念日ですね。迎え入れてくださった日本語ディベート国際大会の関係者の皆様、ありがとうございました!

詳細はこちら。日本国内外で日本語教育の教育者/参加者によってオンラインで行われました。
http://ndi.jp/
https://www.kandagaigo.ac

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『即興型ディベートの教科書 ~東大で培った瞬時に考えて伝えるテクニック』出版しました

『即興型ディベートの教科書 ~東大で培った瞬時に考えて伝えるテクニック』出版しました

ありがたいことに、先日あさ出版さまから即興型ディベートの教科書を出版致しました!

広さでは日本トップの書店(ジュンク堂書店池袋本店、丸善丸の内本店など)でも目立つように置かれていたり、平積みされているとのことで、この4連休にお手に取って頂いた方も多いようです。ありがとうございます!

平積みもそうですし、正直ディベートがここまで全国の本屋(北海道、大阪などでも"目撃情報"を頂戴しました)で並んで

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ディベートを活用したSDGs教育の実践例

ディベートを活用したSDGs教育の実践例

国連が制定したSDGs。日本においては"PPAP"でのマーケティングでも話題になりました。
教育現場でも「なぜ」やるのか?という話ではなく、「どう」やるのか?で多くの方が悩まれ始めていると聞いています。

もちろん、誰に対して行うのか、時間がどれくらい設けられるのか、等諸々条件によって大きく左右されますが、
私が大学で行っている1~2コマ(≒90分~180分)ではどのような工夫をしているか、ご共有

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即興型ディベート 世界最強豪校での2人の挑戦
~河野周教諭 × 加藤彰コーチ~

即興型ディベート 世界最強豪校での2人の挑戦 ~河野周教諭 × 加藤彰コーチ~

日本の高校生ディベートを世界レベルに少しでも近づけるためには、自身の成長が不可欠だと思い、即興型ディベートの世界最強豪校であるシドニー大学のディベート部の門を叩いた河野周教諭。大会の出場のためには部内の「トライアウト」を通過する必要があるのですが、その壁は厚く、加藤彰にコーチを依頼しました。2人の挑戦の結果、なんと倍率約5倍のトライアウトを見事通過!

この記事では、「ディベート教育」「ディベート

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色々な人と協力することが増える時代だからこそ、「ディベート力」を鍛えよう

こんにちは、加藤です。この前、九州大学で「文理融合教育」をテーマにしたシンポジウムにパネリストとして登壇したのですが、その時の議論や他の人たちと話している中で、考えがまとまってきたのでシェアします!

・最近、色々な人が集まって協力し、特定の目的を達成するための動きが多くなっています
(文理/学部等の壁を横断する共同研究、SDGs等の社会課題解決のための産官学プロジェクト等…特に、最近は技術の発展

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3分で分かる即興型ディベート

こんにちは、2020年もどうぞよろしくお願いします。

本日は即興型ディベートの概要をご紹介します。3分で分かるように1枚のスライドにまとめてみました。議題が出て、最短では15分後に試合を開始する競技です。チームメイトと協力して勝ちを狙う即興型ディベートは、世界中で行われています。

イメージがわきづらい、という方はアニメの動画を見てみてください。(私も監修という立場で制作チームの1員です!)

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ディベートはどのような授業で使われているのか?

こんばんは、加藤です。

最近、授業でディベートを導入することを考えているものの、うちは向いているのでしょうか、というようなご質問を受けることが増えてきました。(「ディベートコンサルタント」という肩書の影響もあるのかもしれません、うれしい限りです。)実際、ディベートはどのような授業で取り入れられているのでしょうか?

この記事でもご紹介した通りですが、ディベートはインプットとしての知識、プロセスと

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ディベートのYouTubeアニメに注目している話

今、ディベートのYouTubeアニメに注目しています。
見るほうが早いと思いますので、こちらから。
https://www.youtube.com/watch?v=Tg-t57Wb5yA

1.そもそも「ディベート普及」の取り組みとして面白い
ディベートは一時期「論破」「言い合い」「いちゃもん」のようなネガティブなイメージもありましたが、実際は相手の話に耳を傾け、自分の「イイタイコト」をスピーディ

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ディベートで一番今役に立っているのは、「ホリゾンタル思考」かもしれない

「ホリゾンタル思考」とは、相手が何を言ってくるかを起点に考える思考法のこと。

私はディベートで身につくこの思考法を、このように定義しています。

ディベートは、肯定側・否定側にわかれ、第三者を論理的・感情的に説得する知的スポーツです。「反論」ということがお互いのチームが可能なため、「強い主張」を考えなくてはなりません。そのような構図から、必然的に「相手のチームは何を言ってくるのか?」ということを

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AIによるディベートは、世界トップディベーターとの試合で感情も揺さぶる

つい先日、AIが世界トップディベーターとの試合を行ったことはご存知でしょうか?IBMの「Project Debate」では、過去にイスラエルのトップディベーターとAIが対戦し、AIが勝利したことから話題になりました。ではその次は、ということで世界大会準優勝、ヨーロッパ大会優勝等輝かしい成績を残している世界トップディベーターとの試合が行われました。

動画はこちら。
https://www.yout

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即興型ディベートで身につくのは、「ドア・オープン力」では?

即興型ディベートで身につく力とは結局何なのでしょうか?

私は一言で申しますと、「ドア・オープン力」なのではないかとお話しさせて頂いております。大学での勉強はもちろん、民間企業、官公庁、NPO/NGO、研究機関等どのようなセクターで働くにしろ、フリーランスとして働くにしろ、幅広く個人の可能性の扉を開けてくれることがその由来です。

私は、大学での研究の一環で国内外の多くの即興型ディベート経験者の進

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"三足の草鞋"のすすめ

今回はディベートの話ではなく、ライフスタイルに関して書きたいと思います。

私は"三足の草鞋"をはいています。「即興型ディベートの専門家」としてnoteでは発信させていただいておりますのでなんのお話か、と思われるかもしれません。実際は、普段は民間企業でコンサルタントとして働いているので、「コンサルタント」、「研究者」、「教育者」という形になるかと思います。

後者の「研究者」、「教育者」を横断して

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