マガジンのカバー画像

気になる中国

67
中国、台湾などでの取材経験を経て、今は国際ニュース発信に従事。現地の人たちとの交流を通じて知ったこと、考えたこと、また、言葉や、溢れかえる中国情報の中から、「私が気になる中国」を…
運営しているクリエイター

#旅

赤ちゃん産んだら「坐月子(ズオ・ユエズ)」

赤ちゃん産んだら「坐月子(ズオ・ユエズ)」

「坐月子(zuò yuèzi ズオ・ユエズ)」という中国語をご存じだろうか。

日本語で言うと「産後の肥立ち」にあたるのだろうか。女性が出産後、1ヶ月にわたって身体を休めて養生する中華圏独特の「産後ケア」の伝統習慣だ。

私も実際に知らないので色々調べると、「これはダメ、あれもダメ」と1ヶ月間にわたって生活上の制約が加えられることが書かれていて、とにかく1ヶ月静かにしていなさい、というもののようだ

もっとみる
中国の「東北人」が、最も言われたくない言葉とは?

中国の「東北人」が、最も言われたくない言葉とは?

中国広し。気候も、食べ物も、言葉も、そして人の気質も、各地で大きく違う。

今日のテーマに入る前に、早速ちょっと脱線。とは言っても、もちろんテーマと関係あり。

私は関西出身だが、若い頃東京に出てきて衝撃的なことがあった。

それは、本当に人にお礼の気持ちを伝えたくて、「ありがとう!いやあ、本当にありがとう。助かった。本当ありがとうねー」と、何度も心をこめて「ありがとう」を連発して気持ちを表したつ

もっとみる
上海から届いた一枚の「風刺画」

上海から届いた一枚の「風刺画」

先日、中国・上海から、一枚の風刺画が届いた。

きっかけは、中国の「”官製”風刺画」への違和感を書いた私の記事。

上海ロックダウンを生き延びながら、いつも「幽默(yōumò=ヨウモー=ユーモア)」たっぷりに、中国の生の情報を知らせてくれる、「けんいち★人民熊猫1号」さんに、「いつか、けんいちさんの風刺画が見てみたい」とつぶやいたら・・

なんとその直後、本当に描いてくださったのだ! 
こちらをぜ

もっとみる
世界で5人に1人が視ている(?)ウクライナ報道とは

世界で5人に1人が視ている(?)ウクライナ報道とは

中国のウクライナ報道は・・・
前に中国でのウクライナ報道のテーマを取り上げてから、もう3週間あまり。

今では停戦交渉に注目が集まり状況も変わっているが、今の中国でのウクライナ報道はどうなっているのだろう。「世界の人口の20%近くを占める人たち」は、どういうウクライナの映像を見ているのだろうか。

そう、あくまでざっくりとした数字上の、”おおげさな例え”だが、こんなにたくさんの人が視るものは、どん

もっとみる
十数億人が詩人になる日 〜結構悩む!「中国語年賀メール」の文言〜

十数億人が詩人になる日 〜結構悩む!「中国語年賀メール」の文言〜

どうしよう、中国語年賀メール
まもなく「過年(グオニエン=年越し)」。
また今年も、悩む時がやって来た!世界中の中華系の人々が祝う旧暦の正月が、あと数時間後に迫っているのだ。

日本と同じように、年が変わる瞬間に、いや、その前から、そしてその後も、中国や台湾の知人からメールがどんどん届く。こちらも、もちろん送るのだが、これが、なんと書いていいやら悩みまくるのである。

みんな“詩人“で、びっくり

もっとみる
鶏が先か? 卵が先か? その順番がすごく大事みたい

鶏が先か? 卵が先か? その順番がすごく大事みたい

中国でよく見る看板
中国の写真を整理していたら、ハルピンの街頭で見た大きな看板を撮った一枚が出てきた。

「有国才有家 (yǒuguó cáiyǒujiā)」
「国があるからこそ、家がある」

・・という意味だ。

確か、この横にももう一枚看板があり、そこには、

「有党才有国 (yǒudǎng cáiyǒuguó)=(共産)党があるからこそ、国がある」

・・と書いてあったと記憶している。

もっとみる
「親戚の呼称”計算機”」は夢の発明!?〜外国人を悩ませてきた”中国語での親戚の呼び方”

「親戚の呼称”計算機”」は夢の発明!?〜外国人を悩ませてきた”中国語での親戚の呼び方”

どんなに頑張っても、もう無理!? 複雑すぎる”親戚の呼称”中国語の勉強で、何回教えてもらっても、何度勉強しても、どうしてもどうしても覚えられなくて本当に困り果てているものがある。それは「親戚の呼び方」だ。あまりに複雑で私たち外国人学習者を苦しめ続けてきた。

今年も残すところあとわずか。今年の悩みは今年のうちに解決しよう。中国語学習での悩みは何だろうと考えたら、迷わず出たのがこの問題。もう何年もモ

もっとみる
【中国記憶note】おらが村の大問題、中央電視台なら解決してくれるはず!

【中国記憶note】おらが村の大問題、中央電視台なら解決してくれるはず!

北京で見た謎の行列の正体は?
もう10年ほど前の北京。国営テレビ中央電視台(CCTV)の本社前(当時)に、よく長蛇の列が出来ているのを見て不思議に思っていた。何の列だろう。一見して地方の農村から出てきたと思われる人たち。彼らが目指すのは、テレビ局脇の鉄格子がある窓口だ。

彼らはなんやらお金を払って、紙をもらっているように見えた。後日中国人の同僚に聞くと、彼らは地方から、自分の地域にある問題を改善

もっとみる
「語学だけじゃダメなんだよ」の裏にある陰湿さの正体は?

「語学だけじゃダメなんだよ」の裏にある陰湿さの正体は?

語学学習者を必要以上に嫌う人たち
noteでいつも貴重な中国情報を得させていただいている華村@中国さんの”「外国語ができてなんか意味あんの?」について考えたことの記録”を読んで、私も考えてしまった。

報道現場に長い間身を置いていたが、少し言い方や意味合いは違うものの、「語学だけできても仕方ないんだよ」という言葉を口にする人がとても多かったことを思い出したからだ。

ここでいう「語学だけ」というの

もっとみる
【中国記憶 note】ひらり!上海外灘に舞い降りた太極少女

【中国記憶 note】ひらり!上海外灘に舞い降りた太極少女

子供の頃絵に描いた未来都市のような上海・浦東地区の摩天楼を背景に、颯爽と、しかしふんわりと舞い降りた天女は、小さな女の子だった。

1990年。中国と言えばまだ「自転車の大群と太極拳」のイメージだった時代に初めて訪れた上海・外灘。浦東地区にまだ高層ビルはなく、旧英国租界の前で中高年が、本当に太極拳をしていたのをこの目で確認して興奮したのを、鮮明に覚えている。

あれから30年。コロナ前に訪れた外灘

もっとみる
【速報】 ついさっき、ビデオも出た。 

【速報】 ついさっき、ビデオも出た。 

昨日投稿した話。↓  大坂なおみ、ジョコビッチ、女子テニス協会、国連人権高等弁務官事務所、と彼女を救おうという輪がどんどん広がり、外交問題にもなりつつある。

まず、写真が出た。
そして昨夜は、「環球時報」という共産党系の新聞の編集長がツイッターで、”失踪中”と言われる、彭帥(péng shuài=ポンシュワイ)選手の写真を紹介。他のジャーナリストが、選手の友人の撮った写真を紹介していた、として、

もっとみる
逆効果ちゃうかなあ? 中国のメディア戦略

逆効果ちゃうかなあ? 中国のメディア戦略

「もっとうまくできんのかな・・・」

何か政治的な問題が起きた時の、中国のネット上で起きるいつもの動きについての素直な感想だ。なんか完全に当局は、“逆効果では?”と思われる動きを繰り返している気がするのだ。

女性テニス選手と前副首相のスキャンダル

中国の女子テニスの澎帥(Péng shuài ポン・シュワイ)選手が、張高麗(Zhāng Gāolì ヂャン・ガオリー)前副首相との不倫をネット上で

もっとみる
日本ニュース「やっとあった!」・・と思ったら!?

日本ニュース「やっとあった!」・・と思ったら!?

「日本ニュース無し」がデフォルトになりつつある?新華社

中国国営通信の新華社で、とにかく最近日本関連のニュースが見つからない。各国のメディアを見ていて、最近極端に新華社の日本ニュースが少なくなっていることに気づき書いたのが、4ヶ月近く前のこの記事↓。

「中国が主語」の国際ニュース & 米国の悪口オンパレード

毎日見ているが、日本関連、とにかくないのだ。

日本の総選挙にしたって、相当短い記事

もっとみる
台湾有事に備え、予備役招集!?

台湾有事に備え、予備役招集!?

このところ、台湾防衛関連のニュースがやたら騒がしい。台湾にも大陸にも友人がいるので、この話、堪らなく不快だし、人を不必要に不安にさせる。
最近、中国のSNS上で騒がれていたのは・・

「退役した予備役に対して、“いつ召集がかかってもすぐに出動できるように準備しておくように“とショートメールが流された」というもの。そのメールのスクリーンショット(截图=jiétú ヂエトゥー)と言われるものが拡散した

もっとみる