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We Are the World /USA for AFRICA
マイケル・ジャクソンとライオネル・リッチーが書いた曲を、全米を代表するアーティスト45人が一堂に会して!!収録したという伝説の名曲。一体どうやって、どんだけ出演料積んで?実現したのかと思ってしまうけど、干魃に苦しむアフリカ諸国へのチャリティーソングだったこともありノーギャラだったという、文字通り空前絶後の大企画だ。今なら絶対にオンラインだよねというような演出を見本市会場のような大ホールで、リアルで
もっとみるきみについて /坂本龍一
坂本龍一の膨大な楽曲群の中で、自ら”青春歌謡”と呼ぶジャンルの曲群がある。「Self Portrait」、「Ongaku」、「子猫物語のテーマ」等々。基本はメジャーコードで、♩=120くらいのテンポ感。小刻みにしっかりとリズムを重ねながら、緩やかな坂道を少しずつ前へ進んでいるような視界良好さを感じさせつつ、時折り、逡巡も見せるような。まさに青春という言葉が纏う一種の気恥ずかしさ、自信はあるけれど確
もっとみるSowing the Seeds of Love /Tears for Fears
例えば日本の有名どころなら奥田民生とか、ビートルズへのトリビュート勢は山程あれど、この曲はなかなか奥が深い。冒頭の逆回転風ドラムロールから始まって、鍵盤を押さえつけるようなオルガンのコードバッキング、後半のトランペットのソロ等々、後期ビートルズを彷彿とさせる技をこれでもかというくらい繰り出しつつ、単なるパーツのコラージュではなく、彼らがこの時点で曲を書いたらこんな風になるだろうという再現実験を19
もっとみるI Want to Break Free /QUEEN
イギリス人ってカチッとしてるかと思いきや、ふざける時にはとんでもないレベルでふざけますよね。公共放送BBCのTop Gearって老舗の自動車番組があるけれど、BBCが本部を建て替える前の最後の収録だからと、旧社屋のオフィスやらスタジオやら空中庭園やらをバイクで走り回った挙句、最後にキャスター席に突っ込んで”It's really breaking news!”とかやっていたのにはさすがに目が点でし
もっとみるヒラヒラヒラク秘密ノ扉 /チャットモンチー
ちょっと前にスリーピース・ガールズバンドのブームがありましたが、そのブームのちょっと前に「来てた」のがチャットモンチー。shishamoとか後進のバンドに少なからぬ影響を与えたと思うんですが、チャットモンチーの魅力はやっぱり歌詞の心の叫び感。既に「生きづらく」なっていた日常の中、傷を負いながらも何とか生き抜こうともがく姿をカッコ悪いまま曝け出す。その一種の切迫感がとてもリアルでした。今、世の中を生
もっとみるUne belle histoire /Michel Fugain(ミッシェル・フュガン)
男女4人のコーラスグループ・サーカスが歌って大ヒットした「ミスター・サマータイム」の原曲は、ちょっとフォークの風合いも感じさせるフレンチ・ポップ。サーカスがこの曲をカバーしたのが1978年、オリジナルは1972年の発表だった。曲名を直訳すると「美しき物語」(フランス語のイストワールには「歴史」と並んで「物語」や「出来事」の意味もある)。歌詞のテーマはバカンスの恋で、サーカス版のミスター・サマータイ
もっとみるM.A.Y. in the Backyard /坂本龍一
アルバム「1996」に収められたピアノ版がオススメ。僕が昔使っていたガラケーは着メロを音程で入力できたので、コロコロとしたメロディーを自分で打ち込んで、しばらく着信音にしていたことがある(伝われ)。猫が庭を縦横無尽に駆け回る様子を音符で再現。高い塀から駆け降りたり、全身の毛を逆立てて怒ったり、何かを見つけて睨みつけていたり、とか、想像力を掻き立てられる。そんな風に僕はこの曲を解釈したのだが、坂本さ
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