- 運営しているクリエイター
#音楽
ピンク・フロイドとの死闘~“日本初の野外ロックフェス”箱根アフロディーテ編。 「ピンク・フロイドの道は“我慢と忍耐”の道なり」
ビートルズ、ローリング・ストーンズ、レッド・ツェッペリンと並ぶブリティッシュ・ロックを代表するモンスター・バンド【ピンク・フロイド】。ピンク・フロイド初来日公演となった日本初の大規模野外ロックフェス「箱根アフロディーテ」から50年を迎える2021年、超貴重な当時の映像等が発見され、『原子心母(箱根アフロディーテ50周年記念盤)』として日本限定で商品化となりました。
幻の映像発見の経緯や、一筋縄で
妖怪と音楽シリーズ1 妖怪と音楽の誕生 ―恐怖克服の人類史
上の一文は、三島由紀夫がエッセイ集『小説家の休暇』の中で、語った言葉です。三島は音楽を怖いものだと考えていました。同エッセイ集の別の項で三島は、放射能への恐怖も書いていますが、それとほとんど変わらないトーンで、音楽への恐怖も語っているのです。
我々は、現代音楽やホラー映画のBGMなど一部の音楽に対して怖いと感じることはあっても、音楽そのものは恐怖の対象にはなりません。しかし、実は音楽の発展に、“恐
映画と楽曲《愛のコリーダ》の繋ぎ目は
2021年春、大島渚監督の『愛のコリーダ』と『戦場のメリークリスマス 4K修復版』は、2023年に国立機関に収蔵されるため、『愛のコリーダ 修復版』として最後の全国ロードショーを迎えた。
男女の愛憎の果ての現実に起きた殺人劇を、定という主人公情熱の物語として描くべく、いわゆる“本番行為”を役者本人が実際に行うというハードコア・ポルノという内容ゆえ、結果的に大島監督は書籍版を理由に起訴され、裁判にま
楽器のように歌う21世紀のジャズ・ヴォーカリストたちと Introducing マイケル・マヨ with PLAYLIST
マイケル・マヨ(※Michael Mayo 発音的にはマイケル・メイヨかもしれない)というヴォーカリストの声を初めて聴いたのはおそらくネイト・スミスの『Kinfolk : Postcard from Everywhere』だっただろうか。ちょうど、その頃、黒田卓也とどこかで雑談していた時に「最近NYだとマイケル・マヨってヴォーカリストがすごくて話題になっている」って話をしてくれたのを薄っすら覚えて
もっとみるベートーヴェン──史実から浮かぶ悲嘆と静寂の世界(伊藤玲阿奈)
指揮者・伊藤玲阿奈「ニューヨークの書斎から」第8回
“Vie de Beethoven” by Romain Rolland 1903年出版
『ベートーヴェンの生涯』
著:ロマン・ロラン 訳:片山敏彦
岩波文庫 1965年発売
何かと云うと、ベートウべェン。いけないな。モツァルトの軽み。アレは絶対だ。
こう評したのは太宰治(1909~48)だった。
人類愛を歌った『第九』に代表される道徳的で