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まちづくり応援団活動日誌 えーる@note

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山口県周南市鹿野地域を応援する地域団体「まちづくり応援団えーる」の活動として作成するフリーペーパー紹介や雑感、鹿野の写真などをまとめています。
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#エッセイ

同じ場所の、違う顔

同じ場所の、違う顔

今日は所用があり、夜まで山口県周南市鹿野を歩く時間がありました。
普段なら、車に乗ってすぐに家へ……というところなのですが、ふと窓から見えた景色に、車を停めてスマホを握りました。

6月に入り、気付けば日も長くなりつつあります。20時前ながら、まだ空には赤みが残っていました。
山の稜線がくっきりと見え、昼間の青空とはまた違った印象を受けます。

遅い時間まで鹿野に残ることはなかなかないのですが、時

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花咲くタイムカプセルの丘

花咲くタイムカプセルの丘

山口県周南市鹿野の中心部にある、周南市役所鹿野総合支所。

旧鹿野町時代には町役場だったこの場所にある、花の咲く坂。この場所には、町制50周年を記念して、1990年にタイムカプセルが埋設されました。

それから30年が経過した2020年2月、タイムカプセルの開封式が行われました。

このイベントは、自分にとっては特別な意味を持つものでした。
このタイムカプセルには、自分もいろいろなものを入れていた

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日差し暑く、風涼し。鹿野の初夏を歩く

日差し暑く、風涼し。鹿野の初夏を歩く

5月になり、日差しがどんどん強く、汗をかく日も増えてきました。
自分は公私問わず襟付きシャツを着ているのですが、襟首が汗でびっしょり、なんていうことも多くなっています。

そんな中、5月18日に山口県周南市鹿野で開催された「いっておかえり鹿野市」に行って来ました。
その詳細は別にお伝えするとして、その日は快晴。絶好のイベント日和でしたが、雲一つない空に太陽が輝いて、汗がしたたるような暑さでした。

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ホタルを見ながら酒を飲むような生活

ホタルを見ながら酒を飲むような生活

同僚との飲み会のとき、こんな話になりました。
「暗くなった庭に、七輪とか出して、海苔を焼きながら酒を飲むのもいいね」

なかなか風流なことを考えるなぁ、と思いながら「それだと鹿野でもやれそうですね」などと返します。

自分の故郷である、山口県周南市鹿野。中国山地に広がる盆地に位置する高原の町である鹿野は、山間の小さな田舎町です。コンビニもなく、夜ともなれば目立った明かりもほとんどない、そんな町。

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「春の連続投稿チャレンジ」#休日のすごし方

「春の連続投稿チャレンジ」#休日のすごし方

土日祝日が休みの仕事でありますが「休日」とは程遠い過ごし方をしています。同市内とはいえ、市街地から30km近く離れた山間に広がる山口県周南市鹿野へ通うことが多々あり、気が付けば一日中鹿野にいた、なんていう日もあるほどです。

そんなに長く鹿野にいて、何か遊ぶ場所があるのか……と思われるかと思いますが、例えばアミューズメント施設だとか、買い物とか、そういうものはまったくありません。

ただひたすら、

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鹿野を伝える -2,805人の物語-

鹿野を伝える -2,805人の物語-

山口県周南市鹿野地域のさまざまなことを伝え、応援していくことを目的とする市民団体「まちづくり応援団えーる」として活動を開始してから、2022年2月で丸13年を迎えました。

おおむね月に1回、地域情報紙「えーる!」を発行しながら、鹿野の魅力を伝えていく、つまり情報発信を主なミッションとして考えています。

自分の人生の中でも2番目に長く続いているこの活動、仕事でもなく、誰かがスポンサーになっている

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【えーる】鹿野茶物語 647年のその先へ

【えーる】鹿野茶物語 647年のその先へ

いささか煮出し過ぎたのか、もともとがこういう味なのか、きわめて渋みの強い刺激的な味が、しかし舌には心地よい。茶色いその液体に鼻が近づくと、渋みを連想させるかのような清々しい香りが漂ってくる……烏龍茶の味にも近いこの味は、自分好みのスッキリした味わいだ。

山口県周南市鹿野地域と、お茶との関係は、存外深いものがある。

そもそもの起こりは1374年、室町時代までさかのぼる。
臨済宗の古刹として名高い

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【えーる】さらば、思い出の公民館

【えーる】さらば、思い出の公民館

鹿野を応援する地域情報紙「えーる!」第74号を発行した。

今回取材したのは、周南市役所鹿野総合支所の移転場所となったことから、解体する方針を示された旧鹿野公民館への感謝を込めた催し「ありがとう公民館」である。

鹿野公民館の軌跡冒頭にある古い写真は、昭和42年5月、当時町制であった旧鹿野町の広報に掲載されていたものである。

”鹿野町らしい”と評された、ワラ家をイメージした外観の公民館は、図書館

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【えーる】水のまち、鹿野

【えーる】水のまち、鹿野

山口県周南市鹿野。山間の台地に存在するふるさとを語る時に、水という存在は欠かすことのできない要素の1つだ。

人間の生活に水という存在は欠かすことのできないものであるが、子どもの頃から、都会では想像もつかないほど多くの”水”に囲まれてきた。
絶えずわき続ける山の湧き水、初夏の頃には田んぼいっぱいに張られた水面が多くの命をはぐくみ、川遊びにも何度足を運んだかわからない。田舎町ゆえの清流は、常に自分の

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【えーる】シーズン到来、鹿野の紅葉

【えーる】シーズン到来、鹿野の紅葉

……人口3000人を切った田舎町の道が渋滞して進めなくなるとは、思いもしなかった。

11月、晴天に恵まれた7日。実家での用事と、SNSの更新ネタを求めて周南市鹿野地域へと足を運んだ。高原の町である鹿野は、もう紅葉も始まっている時期だから、きっとすばらしい景色が見られるだろう。

そう思って、久しぶりに趣味の時間を楽しむため、車を走らせた。

国の登録記念物「漢陽寺庭園」の紅葉

あの渋滞の続く先

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【えーる】金峰を歩く

【えーる】金峰を歩く

10月10日、晴れ。絶好のウォーキング日和に、周南市鹿野の金峰地区を歩いた。約6キロメートルの道のりは、鹿野のイベントなら無条件に参加するような勢いでスケジューリングする自分でも、運動不足という足かせがあって、参加を決意するまでには2週間近い期間を必要とした。

しかし、結論から言って、参加してなんらの後悔もなかった。
参加しなければ、グジグジとした気持ちだけが残ってしまったであろうから、さわやか

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【えーる】懐に忍ぶ相棒

【えーる】懐に忍ぶ相棒

山口県周南市鹿野を応援する地域団体「まちづくり応援団えーる」としての活動を開始したのは平成21年のこと。元号が変わる年にちょうど10年、令和3年2月で丸12年が過ぎた。

気が付けば干支が一周するほどの間、ひたすら地域情報紙を発行し続けているのだが、長く続けていくうちに自分なりの心構えというか、そういうものを確立するに至った。

今回、「わたしの舞台裏」というお題をいただくにあたり、その中から特に

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【えーる】米の季節

【えーる】米の季節

最近は土日もバタバタとしていて、なかなか鹿野を訪れる時間もない状況だったが、9月も終わりが見えかけたシルバーウィークに、ついに帰郷を果たすことができた。

肌に感じる風はすっかり熱を失って、少し汗をかいた体には肌寒ささえ感じるほどだ。草むらからはリー、リー、と虫の鳴く声が聞こえてくるし、青空から降り注ぐ日差しはすっかり柔らかい。

まごうことなき秋の田舎町に、帰ってきたのである。

稲刈りとはぜか

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【えーる】地域みんなで「いただきます」

【えーる】地域みんなで「いただきます」

8月21日、地元のこども食堂で冷やしうどんの配食があった。限定300食で振る舞われた冷やしうどんは、地元産の麺を使って作られた逸品だ。

肉と油揚げなどはよく見るものだが、そっと添えられた大葉がぴりっと刺激を与えてくれる。長雨でじっとりとした蒸し暑い気候の中、のど越し良い味は格別だ。

地域の子どもを中心に、保護者や高齢者なども含めて共に集い合える場所に、という思いを込めて「ふらっと食堂」と名付け

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