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民藝ってなんだろう?

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「民藝」の答えを探して、職人さんや民藝に関わる人々にインタビューをする自由研究「 #民藝旅 」のレポートです。最新情報はツイッター( https://twitter.com/to… もっと読む
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#工芸

民藝旅 vol.2 沖縄 \与那国島のカブチ/

民藝旅 vol.2 沖縄 \与那国島のカブチ/

世紀末女子会

「今日は女子会よ〜!」

60度の泡盛を片手に、さきはら荘の女将さんが笑う。

『おこげ』って、どういう意味ー!わたし、どうなっちゃうの〜〜?

…と、かわいこぶってみたけれど。
実際の女子会は、北斗の拳/いちご味。

石垣島から来たお姉さんは、ガハハハと泡盛にライターで火をつけて燃やし、ほろ酔いのもじゃもじゃはストレートで泡盛を煽る。退かぬ、媚びぬ、省みぬ!!肝臓マッチョの与那国

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民藝旅 vol.2 沖縄 \原付🛵与那国島探検 2/

民藝旅 vol.2 沖縄 \原付🛵与那国島探検 2/

道は続くよ、与那国探索。

カップ焼きそばをすすった売店には、意外と、なんでもあった。
ココナッツミルク、新作のポテトチップス、ペットボトル飲料、見知らぬアジアの怪しいスパイスまで、なんでもござれ。

猫様いっぱい、なんだか楽しい与那国時間。

*  *  *

山口陶工房さんで聞いてみた。
「この近くで、織物をしている”みつよさん” の家をご存知ですか?」

みつよさんというのは、うぶる作りのふ

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民藝旅 vol.2 沖縄 \もっと知りたい与那国織/

民藝旅 vol.2 沖縄 \もっと知りたい与那国織/

曇り空を抜けて、爽やかな風がそよいだ。

ゆりこさんはランチを食べたあと、与那国町伝統工芸館にいるお友達に電話をしてくれた。その方が機織りの様子を見せてくださるそうだ。

懐かしい学校のような二階建の建物の玄関をくぐる。
下駄箱の上に、与那国織物の年表が掲げてあった。

確認できる最古の文献は、1477年の朝鮮漂流民の見聞録「李朝実録」か…
(※後日、国会図書館で文献を調べて追記しますね)

「琉

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民藝旅 vol.2 沖縄 \与那国織のゆりこさん/

民藝旅 vol.2 沖縄 \与那国織のゆりこさん/

〜〜〜〜前回のあらすじ〜〜〜〜

那覇で出会ったおばあちゃんずの勧めで与那国島を訪れたもじゃもじゃ。
ようやく宿を見つけて、ゆりこさんの親戚を探すためにハローページから長男さんに連絡をしたがうまくいかず。手がかりを失ってショゲていたところ、宿のお父さんが誰かに連絡を取ってくれたのだ。

お父さん、誰と話しているんだろう?
そして、なよこさんの親戚に会って、与那国島の手仕事を見ることはできるのだろう

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「民藝」って何だろう?

「民藝」って何だろう?

「職人の手仕事で作られた、美しい日用品」それが、「民藝」だと思っていました。雑誌で見かけたり、地元の市で焼物を手に取るたび、民藝ってカッコいいな。心惹かれるな。と、民藝を身近なものに思っていました。

でも、民藝には定義があって、実はもっとややこしい物らしい。

日本民藝協会さんのサイトで、民藝を定義した思想家・柳宗悦さんの「民藝品の定義」が紹介されていました。

ー柳が定義した「民藝品」の条件に

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民藝旅 vol.1 山陰・愛媛編 \6日目/【瀬戸内海→愛媛県 松山市】

民藝旅 vol.1 山陰・愛媛編 \6日目/【瀬戸内海→愛媛県 松山市】

4月13日土曜日 晴れ。

急がないと。早く。日がのぼる前に、展望台へ。

朝6時。空が燃え始めた。

駐車場についたのはいいが、どこに展望台があるのかわからない。寝不足で頭が回らなかった。案内図が理解できない。ひとまず、太陽が見えた林の中に走って入った。

昨夜、怖いことがあったから眠れなくて。半ば泣きながら、展望台を探して走り回った。太陽が、ものすごい勢いで空へ登る気配を背中に感じた。

霞む

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民藝旅 vol.1 山陰・愛媛編 \7日目/【愛媛県 砥部町】

民藝旅 vol.1 山陰・愛媛編 \7日目/【愛媛県 砥部町】

4月13日日曜日 雨。

お皿がいいと、ごはんも嬉しそうに見える。
レーズンパンの乗った砥部焼が、ふふっと笑ったように見えた。

ほだかさんのお家は、素敵な手仕事でいっぱい。

ほだかさんは漆作家だから、自分で金継ぎする。

久しぶりの納豆に、心がほどける。やっぱり馴染みの味が一番落ち着く。
漆作家ほだかさんは、よく味のしみたコンソメスープを置きながら、テーブルについた。

ほだかさんは、魔女の宅

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民藝旅 vol.1 山陰・愛媛編 \8日目/【愛媛県 内子町】

民藝旅 vol.1 山陰・愛媛編 \8日目/【愛媛県 内子町】

4月14日 月曜日 快晴。

朝日がぼんやり川面を照らす。鯉の干物がペロンとしていた。

(お昼頃、太陽が風を連れてきて、鯉はふくふく、空を泳いだ。)

本日は、内子町で伝統的な製法で和紙を作る「天神産紙」さんにお約束。
その前に、コインランドリーで洗濯物を洗いながら、川原で朝ごはんをむしゃり。

腹の虫が静かになった。さて、内子町へと参ろうか。
と、目力ギラギラにハンドルを握ったのに、迷子にな

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民藝旅 vol.1 山陰・愛媛編 \9日目/【島根県 奥/出雲】

民藝旅 vol.1 山陰・愛媛編 \9日目/【島根県 奥/出雲】

4月15日 火曜日 晴れ。

朝ごはんは道の駅にかぎる。なんちって。

愛媛の「じゃこ」をもうちょっと味わいたくて、朝から揚げ物にぱくついた。もちろん、このあと胸焼けにもぞもぞ。

それでも、やっぱり甘いものは別腹。

エネルギーを補給したら、観光案内所へ。

「斐伊川和紙」というところが、民藝と関係があるかも、と教えてもらった。出雲大社でおみくじを引きたい気持ちをこらえて。まずは、取材へ。

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民藝旅 vol.1 山陰・愛媛編 \9日目/【島根県 湯町】

民藝旅 vol.1 山陰・愛媛編 \9日目/【島根県 湯町】

4月16日 水曜日 くもり。

稲佐の浜から砂をいただいて、素盞嗚尊のお社に納めました。

まずは、斐伊川和紙でオススメいただいた出西窯へ。
オープンは9:30から。少しはやく着いてしまったので、のんびり近くをうろうろ。

*  *  *

出西窯は見学自由の工房と、直売所が併設。
窯の周りは「出西くらしのvillage」というオシャレスポット。

マガジンハウスの雑誌「& premium」にも掲

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民藝旅 vol.1 山陰・愛媛編 \10日目/【鳥取県 鳥取市】前編

民藝旅 vol.1 山陰・愛媛編 \10日目/【鳥取県 鳥取市】前編

4月18日 木曜日、晴れ。

いよいよ、旅の結び、鳥取県民藝美術館でのインタビュー。

フライパンで焼かれる直前のウインナーの心地。
好奇心がプリプリに膨らんで、皮がパチンと弾ける期待感。
思い出したら緊張して、例えまでヘンテコになる。

東京の日本民藝館ともちがう、独特の建物。室内は少し暗い。

緊張して、のどがキュッと狭くなる。
約束の時間まで、館内をぐるぐる見てまわった。

パン切り包丁、ゆ

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「手仕事の日本/柳宗悦 著」をヨミヨミ

「手仕事の日本/柳宗悦 著」をヨミヨミ

民藝について調べる自由研究をしている東堂です。

観光地、雑誌、いろんなところで目にする「民藝」という言葉。よく聞くけれど「民藝ってどういうものか?」と聞かれた時に、「工芸」や「手仕事」との区別がつかない。地域の伝統的な手作りの品だけを「民藝」と呼ぶのか、新しい作家さんの手作り品を「民藝」に含めていいのか…謎だらけの「民藝ってなんだろう」という問いの自分なりの答えを探して、日夜奮闘中です。ぬん!

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民藝旅 Episode:0/日本民藝館「柳宗悦の直観」と 21_21「Another Kind of Art」 (4)

民藝旅 Episode:0/日本民藝館「柳宗悦の直観」と 21_21「Another Kind of Art」 (4)

4. ふたたび日本民藝館へせっかく東京にいったのに、展覧会の論考を持って帰るのを忘れたり、行きたかった展覧会は休館日だったり、あちゃーなオトボケを連発した前回。

しなしなレタスのような平日をすごしていたある日、Twitterで繋がっていた武田さんから、「テーブルウェア・フェスティバル」へのお誘いをいただいたのです。開催日は、その週末。湧き水をあびて心がシャキシャキ。すぐさま、土曜日に日帰りで東京

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