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民藝旅 vol.1 山陰・愛媛編 \9日目/【島根県 湯町】


4月16日 水曜日 くもり。

稲佐の浜から砂をいただいて、素盞嗚尊のお社に納めました。





まずは、斐伊川和紙でオススメいただいた出西窯へ。
オープンは9:30から。少しはやく着いてしまったので、のんびり近くをうろうろ。



*  *  *


出西窯は見学自由の工房と、直売所が併設。
窯の周りは「出西くらしのvillage」というオシャレスポット。

マガジンハウスの雑誌「& premium」にも掲載されたセレクトショップの「b-shop」や、独創的なオシャレパン「Le CochonD’or Shussai」もある。

うつわから暮しの提案をする、すてきなエリアです。

ひとまず、出西窯の直売所へ。

斐伊川和紙さんで見せていただいた古い出西窯とは、だいぶ異なる作風。モダン。


写真にあるどんぶりが素敵だな、と思ったけれど、うつわのフチは釉薬がかかっていないからザラザラ。うつわに口をつけて、スープをごくごく飲みたい時。くちびるにザラザラが当たるのは好みじゃない。(きっとこのどんぶりは、口をつけない前提でデザインされているんだと思う)

斐伊川和紙さんで見せてもらった、野性味のあるうつわは見えなくて。スタイリッシュな、洗練されたうつわが多かった。

プロダクトデザイナーの柳宗理さんの指導
が入っていると聞いたので、その影響が大きいのかもしれない。

むかしの出西窯→ 自分の美しさに気づいていない田舎の少女
いまの出西窯→ 都会に出て洗練されて万人に美しさを認められた女性

個人的な感覚ですが、そんな違いを感じました。


職人さんたちは笑顔で仲間と仕事をしていました。


しかし、轆轤が回ると祈るような静かさと厳かな空気。


時代が求めていることをデザイナーが読み取り、ディレクションしていく。

さらにうつわのあるライフスタイルを価値付けをすることで、うつわからブランディングができる。

窯元がこれからも必要とされていくために、作り手だけではなく、導き手も必要なのかも…と考えさせられる素敵な窯でした。



ハラヒレホロヒレ状態になったので、宍道湖で釣りおじいちゃんとお昼寝。



*  *  *



はじめて民藝に関わる器に触れたのは、新宿の備前屋さん。湯町窯のマスタードイエローに触れたときの興奮は、いまでも温度を感じるほど。

ついにやってきました、5年越しの片思い、バーナードリーチ先生も作陶した「湯町窯」。


お店の外にも、大皿がおもむろにゴロゴロ。


野生が追いかけてくるようなうつわ達。心がドキドキして、大きく深呼吸。


店内にはたくさんの焼物。ゆっくりしていってね、と優しい店員さんでした。


まずは小皿から集めるのもたのしそう。


三代目のお気に入りのシーサー、かわいい。



湯町窯の三代目、福間琇士さんがお話をしてくださいました。

三代目にとっての、民藝とは?

ぼくは読み書きができないので、難しいことはわかりません。
でも、苦労して作っています。

憧れのうつわを作る職人さんの言葉はとてもシンプルだった。
民藝とか、理論とか、そういう頭で考えることよりも、とにかく真面目に仕事をすることが大切。なぜなら、職人さんは作ることが第一の仕事だから。



*  *  *



「よかったら、こっちへ」

三代目に呼ばれて別室のドアを潜る。するとそこには、バーナードリーチ先生や、棟方志功先生、山下清先生が湯町窯で作ったうつわがあった。

バーナードリーチ先生の絵付け大皿


棟方志功先生の絵付け皿


松の絵が素敵ですね、と聞くと「柳宗悦さんも、この壺をよく褒めたと聞いているよ。」と三代目。柳先生とおそろい、頰をポリポリ、うれしくなった。



各民藝館、職人、導き手、消費者。
「民藝」は柳先生がはじめて、いま、様々な形をもって生きている。

スープボウルと小皿を購入して、湯町窯を後にした。


出西窯と、湯町窯。どちらも民藝運動と関わりが深い窯なのに、全然違う。

この違いって、一体なんだろう。

いきものの匂い」いまは、この言葉以外にしっくりくる言葉がみつからない。もっと、一般的な、言葉はあるのかな。民藝は言葉探しの旅。

さてさて、明日は鳥取民藝美術館、日本のダヴィンチを知るへと、旅は続きます。

お楽しみに!もじゃ!



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