「キャラの感情などを暗示する」ためのアイデア
※本ページには「『キャラの感情などを暗示する』ためのアイデア」をまとめています。親記事はこちら。
★はじめに:「暗示」とは何か
読者・鑑賞者は「視線をそらしながら話すキャラ」を見れば「こいつは嘘をついているのでは?」、「口では大丈夫と言いながらも顔が真っ青のキャラ」を見れば「絶対大丈夫じゃないだろ!」、「土砂降りの中での戦い」を見れば「これはクライマックスの戦いだな」と感じる。明示されていなくても、そう察する。
つまり、クリエイターは読者・鑑賞者に伝えたいことをすべて明示する必要はない。巧みに暗示すればそれで十分。読者・鑑賞者は「ああ、なるほど」「そういうことね」「もしかして○○?」と察してくれる。
暗示する方法は多彩だが、ここでは特に巧みなものや個性的なものをご紹介する。
※補足:本ページで扱うのは、いわゆる「サブテクスト」です。当サイト以外のWebサイトや書籍を参照する際には、「サブテクスト/サブテキスト/Subtext」の項目をご覧ください。
◆「物」による暗示
◇「飲食物、食事、間食」による暗示
「アイスが溶けてつーっと垂れる」という描写によって、そのキャラが心の中で泣いていることを暗示する ~アニメ「やがて君になる」の場合
「コップの水面にキャラの顔が映っている→それが消える」という演出によって、そのキャラが己を見失ってしまったことを暗示する ~アニメ「氷菓」の場合
「キャラAとBの間に湯気が立ち上り、相手の姿が曇って見える」という描写によって、AとBの心理的距離が開いたことを暗示する ~アニメ「山田くんとLv999の恋をする」の場合
「劣悪だった食生活が次第に改善されていく」という描写によって、人生に絶望していたキャラがエンパワメントされつつあることを暗示する ~アニメ「スーパーカブ」の場合
「空っぽのグラス」によって、そのキャラが「私は空っぽだ」「私には何も残っていない」と感じていることを示唆する ~アニメ「転生王女と天才令嬢の魔法革命」の場合
◇「衣類、服装」による暗示
「靴が乱暴に脱ぎ散らかされている→きれいに並んでいる」という玄関の変化によって、混乱が収まり、日常を取り戻したことを暗示する ~アニメ「スーパーカブ」の場合
「スーツのジャケットを脱いでいる→途中で着る」という変化によって、「そのキャラは最初はフレンドリーな雰囲気を醸し出そうと努力していたが、途中で放棄した」と暗示する ~映画「レディ・プレイヤー1」の場合
◇「鏡」による暗示
◇「電話」による暗示
◇「スマホ」による暗示
◇「傘」による暗示
◇「信号機」による暗示
◇「その他の物」による暗示
「タバコの灰がポトリと地面に落ちる」という描写を通じて、いままさにそのキャラの心が折れたことを暗示する ~アニメ「げんしけん」の場合
「蛇口を閉じる→水が止まる→しかし水滴がひと粒したたり落ちる」という描写によって、そのキャラの「諦めようとするもののどうしても諦めきれない気持ち」を暗示する ~アニメ「もういっぽん!」の場合
「作中に繰り返し氷が登場する→氷は次第に溶けていく」という演出によって、そのキャラの緊張や恐怖が薄れ、仲間と打ち解けたことを暗示する ~アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」の場合
「砂浜で作るものが次第に大きくなっていく」という描写によって、そのキャラのストレスがどんどん大きくなっていることを暗示する ~アニメ「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」の場合
白紙の置手紙によって、「あなたに伝えたいことはもう何もありません」「議論の余地はありません」「黙って別れてください」という気持ちを伝える ~映画「スノー・ロワイヤル」の場合
◆「人体(手、足、目など)」による暗示
◆「動物、植物」による暗示
◇「動物」による暗示
◇「植物」による暗示
◆「場所」による暗示
◇「宗教施設」による暗示
決意表明の舞台を「炎上する教会」にすることで、そのキャラが「赦し・癒しは不要!私はどうなっても構わない!!」と覚悟を決めていることを暗示する ~特撮ドラマ「仮面ライダークウガ」の場合
「キャラAが鳥居の上にいる姿」を描くことで、「キャラA=他のキャラが新たな世界に飛び出していくのをサポートしてくれるキャラ」と暗示する ~アニメ「ハナヤマタ」の場合
「キャラAが、弁財天の石像の前でBと出会う」というシーンを通じて、「Bは音楽の神が遣わした救世主であり、悩めるAを導く存在になる」と暗示する ~アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」の場合
◇「道路(歩道、車道、横断歩道)」による暗示
◇「その他の場所」による暗示
「トンネル内で立ち止まる」という描写を通じて、そのキャラが前に進むことも後ろに下がることもできず行き詰っていることを示唆する ~アニメ「ハナヤマタ」の場合
「狭くて閉鎖的な場所に立つキャラAの姿」を描くことで、Aが行き詰り、どうしていいかわからなくなってしまっていると暗示する ~アニメ「スキップとローファー」の場合
◆「天気、空、星」による暗示
◆「行動・態度」による暗示
◇複数のキャラが似たような行動・態度を取ることで、「彼らが同じ気持ちを抱いた・抱いている」と暗示する
◇複数のキャラが似たような行動・態度を取ることで、「彼らが同タイプの人間である・同じ穴の狢である」と暗示する
◇複数のキャラが似たような行動・態度を取ることで、「彼らが間もなく接近・合流する」と暗示する
◇キャラAがBの行動・態度をまねることで、「AがBのようになりたがっている」と暗示する
◇「周囲のキャラのリアクション」による暗示
◇その他
◆「比較」による暗示
◇何かを比較対象とすることで、「そのキャラが本当に重視しているもの・強く想っていること」を暗示する
◆「位置、配置」による暗示
◆「方向」による暗示
◆「光と影・陰」による暗示
◆「空間演出、画面構成」による暗示
◆「セリフ、会話、モノローグ」による暗示
◇「挨拶」による暗示
◇「その他のセリフ、会話、モノローグ」による暗示
「大人びた子供が、子供っぽいことを言うようになる」という変化によって、他のキャラに対して心を開いたことを暗示する ~アニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ U149」の場合
「キャラAは『面白い』と言われた時に最も喜ぶ→AがBの言動を『面白い』と評す」というシーンを通じて、AがBに対して強い好意・興味を抱いたことを暗示する ~アニメ「僕の心のヤバイやつ」の場合
「キャラAが思い出話をする→翌日も、無意識の内に同じ話をしてしまう」という展開によって、Aにとってそれがいかに特別な思い出か暗示する ~アニメ「僕の心のヤバイやつ」の場合
◆「背景(壁の文字、環境音、モブの会話など)」による暗示
◇「背景にある文字」による暗示
◇「環境音やモブの会話」による暗示
◇「その他の背景」による暗示
◆「その他の方法」による暗示
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