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「『風呂に入っていると嫌なことを思い出す……』と少年A→しかししばらく後、温泉に入って『はぁ~、極楽極楽。風呂がこんなに気持ちいいものだなんて知らなかったなぁ』」という変化によって、Aの人生が好転した、Aが前向きになったと示唆する ~アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の場合

シンジ「(ミサトに『風呂は命の洗濯よ』と言われて)でも、風呂って嫌なこと思い出す方が多いよな……」

シンジ「はぁ~、極楽極楽。風呂がこんなに気持ちいいものだなんて知らなかったなぁ」

アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」(第2話、第10話)




◆概要

【「『風呂に入っていると嫌なことを思い出す……』と少年A→しかししばらく後、温泉に入って『はぁ~、極楽極楽。風呂がこんなに気持ちいいものだなんて知らなかったなぁ』」という変化によって、Aの人生が好転した、Aが前向きになったと示唆する】は「キャラの感情などを暗示する」ためのアイデア。


◆事例研究

◇事例:アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」(第2話、第10話)

▶1

本作の主人公は、碇シンジ(14歳の少年)。

彼は、汎用人型決戦兵器「エヴァンゲリオン」の初号機の専属パイロットである。襲い来る敵「使徒」と戦うのが使命だ。


いろいろあって第2話、

・Step1:シンジは上司のミサト(29歳の女性)と同居することになった。

・Step2:同居初日、ミサトが歓迎パーティを開いてくれた。しかし、ゆえあってシンジは元気がない。かくしてミサトが言った「嫌なことはお風呂に入ってパーっと洗い流しちゃいなさい!風呂は命の洗濯よ」

・Step3:その言葉にしたがって、風呂に入ったシンジ。

・Step4:彼は湯船に浸かり、そして心の中でつぶやいた「『風呂は命の洗濯よ』か……でも、風呂って嫌なこと思い出す方が多いよな……」


その後、

・Step5シンジの人生は少しずつ好転していく。ミサトとの距離が縮まった。学校で友達もできた。同僚の女性パイロットも悪いやつではない。いや、むしろいいやつだ。っていうかちょっとかわいいかも……。

・Step6:で、第10話。6番目の使徒を倒した後、シンジたちは温泉にやってきた。シンジは露天風呂に浸かって――「はぁ~、極楽極楽。風呂がこんなに気持ちいいものだなんて知らなかったなぁ」


▶2

ご注目いただきたいのは、Step4と6の相違である。

・Step4では:「『風呂は命の洗濯よ』か……でも、風呂って嫌なこと思い出す方が多いよな……」

・Step6では:「はぁ~、極楽極楽。風呂がこんなに気持ちいいものだなんて知らなかったなぁ」


――そう、風呂の位置づけが大きく変わっている。

Step4でシンジが言っているのは、ご経験をお持ちの方も少なくないと思うが「手持無沙汰になると昔の嫌な記憶がよみがえってきて辛くなる」というあれだろう。ところがStep6では、素直に風呂を楽しめるようになっている

シンジの人生が、そして彼の心持が大きく変化したことが伺われる。


つまり、【「『風呂に入っていると嫌なことを思い出す……』と少年A→しかししばらく後、温泉に入って『はぁ~、極楽極楽。風呂がこんなに気持ちいいものだなんて知らなかったなぁ』」という変化によって、Aの人生が好転した、Aが前向きになったと示唆する】というテクニックである。


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