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「狭くて閉鎖的な場所に立つキャラAの姿」を描くことで、Aが行き詰り、どうしていいかわからなくなってしまっていると暗示する ~アニメ「スキップとローファー」の場合

美津未「難しいな……。中学校は8人きりだったから、人間関係がこんなに難しいなんて思ってませんでした。人の心ってわかりません……」

アニメ「スキップとローファー」(第2話)


◆概要

【「狭くて閉鎖的な場所に立つキャラAの姿」を描くことで、Aが行き詰り、どうしていいかわからなくなってしまっていると暗示する】は「キャラの感情などを暗示する」ためのアイデア。


◆事例研究

◇事例:アニメ「スキップとローファー」(第2話)

▶1

本作の主人公は、美津未(高1の少女)。

彼女は高校入学を機に、石川県の小さな町から上京してきた


入学式の翌日、

・Step1クラスメイトたちとカラオケボックスにやってきた美津未。

・Step2:彼女は「クラスに馴染もう」「友達を作ろう」と奮起する。

・Step3:ところが田舎町で育った純朴な美津未は、ミカ(イケメン男子を狙う計算高い女子生徒)らに翻弄されて訳がわからなくなってしまう。「皆の言動のどこまでが本音なの?どこからがお世辞や冗談、嫌みなの?私は何を信じればいいの?」というわけだ。


しばらくして、美津未はトイレに立った。

・Step4:トイレを終え、部屋の前まで戻ってきた美津未。しかし彼女はドアを開けられない。ドアを開ける気になれない。美津未は俯いた「難しいな……。中学校は8人きりだったから、人間関係がこんなに難しいなんて思ってませんでした。人の心ってわかりません……」

・Step5:とその時だった。美津未のスマホが鳴った。相手は地元の親友だ。

・Step6親友と話す内に、美津未は元気を取り戻す。「出会ったばかりのクラスメイトの心がわからないのは当たり前。悩みすぎることなく、私は素直に接しよう!」と考えられるようになり、彼女は部屋に戻っていった。


▶2

ご注目いただきたいのは、Step4-6である。

この時、美津未はカラオケボックスの廊下に立っている。廊下の幅はさして広くなく、天井も高いとはいえない。さらに、すぐ傍が行き止まりだ。要するに「狭くて閉鎖的で息が詰まりそうな空間」

人間関係に悩み、どうしていいかわからなくなってしまった美津未の気持ちを象徴していると言えるだろう。


▶3

なお、美津未に電話をかけてきた親友の方は故郷の砂浜にいる。

どこまでも続く海と空……じつに「広くて開放的な空間」だ。

親友が開放的な場所にいるからこそ、美津未がいまいる場所がいかに狭くて閉鎖的かよく伝わってくる。


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