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「キャラAが1人きりで電車に乗る→仲間とともに電車に乗る→仲間を隣に座らせる」という変化によって、Aが仲間を受け入れつつあることを暗示する ~アニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ U149」の場合

梨沙「隣、空いたわよ。座ったら?」

アニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ U149」(第5話)




◆概要

【「キャラAが1人きりで電車に乗る→仲間とともに電車に乗る→仲間を隣に座らせる」という変化によって、Aが仲間を受け入れつつあることを暗示する】は「キャラの感情などを暗示する」ためのアイデア。


◆事例研究

◇事例:アニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ U149」(第5話)

▶1

本作の主要キャラの1人・梨沙(小6の少女)。

彼女はアイドルである。某芸能プロダクションの「第3芸能課」に所属している。とはいえ、まだまだ目立った活動実績はない。同じ課に所属する同年代のアイドルたちと共にトレーニングに励んだり、下積み仕事に精を出したりしている。


梨沙は「孤高の努力家」だ。

・Step1「プロデューサーや第3芸能課所属の同僚アイドルたちと、手と手を取り合って成長していこう」なんてことは考えていない。皆のことは大切に想っているが、だからといって馴れ合うつもりはない。

・Step2:というのも、彼女は自分1人で努力できるし、自分なら成功するという自信もある。加えて「大好きなパパに認められたい!」という強い想いを抱いている。逆に言えば、パパ以外の人からの評価はあまり重要ではないのだ。


ところが、世の中は思うようにはいかない

・Step3:第3芸能課の中から、梨沙よりも早く世間の注目を集める者が現れた。梨沙は焦る。

・Step4:さらに、梨沙はドラマのオーディションに挑戦。自信はあった。ところが、結果は不合格。彼女は大変なショックを受ける。


そんな中、

・Step5:梨沙は知る。プロデューサーや同僚アイドルたちが自分のことを本気で想ってくれていると。そう、彼らは敵ではない。ただのライバルでもない。切磋琢磨する仲間なのだ!

・Step6:というわけで、梨沙は心を開く。皆にアドバイスをもらい、それを受け入れる。その結果、彼女は新たな魅力を開花させたのだった。


▶2

本話には、「梨沙が電車で移動するシーン」が複数回登場する。

・Step1-2では:梨沙はいつも1人きりで電車に乗っている。1人でスマホを見つめたり、1人でオーディションの対策を練ったりする。 →梨沙が「孤高であること=孤独で心を閉ざしていること」の象徴

・Step4の後に:オーディションに失敗してショックを受ける梨沙。そんな彼女にプロデューサーが声をかけた「たまには一緒に帰らないか?」。梨沙はつっけんどんながらもそれを受け入れる。かくして梨沙は、プロデューサーとともに電車に乗った。 →梨沙が「心を開き始めたこと」の象徴

・さらにその後に:電車に乗った2人。梨沙は席に座る。一方、電車内が混雑していたため、プロデューサーはつり革に掴まって梨沙の前に立った。2人はあれこれ言葉をかわす。その中でプロデューサーがいかに梨沙たちのことを真剣に考えてくれているか、梨沙は改めて理解する。やがて電車が駅に停まり、梨沙の隣の席が空く。かくして梨沙は言った「隣、空いたわよ。座ったら?」。プロデューサーが梨沙の隣に座る。 →梨沙が「さらに心を開いたこと=プロデューサーを受け入れたこと」の象徴


つまり、【1人きりで電車に乗る→プロデューサーとともに電車に乗る→プロデューサーを隣に座らせる(=2人が同じ方向を向く)】という変化によって、梨沙の心境の変化が暗示されているわけだ。


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