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「『バンドを組みたい!』『私はギターを担当したい!』と意気込む少女A→ところがAは、他のギタリストの演奏に顔をしかめて『うるさ……』とつぶやいた」というシーンを通じて、Aは音楽やギターを愛しているわけではない、単に流行りに乗ろうとして楽器を手に取っただけだと暗示する ~アニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」の場合

愛音「(エレキギターの音が聞こえてきて)うるさ……」

アニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」(第2話)




◆概要

【「『バンドを組みたい!』『私はギターを担当したい!』と意気込む少女A→ところがAは、他のギタリストの演奏に顔をしかめて『うるさ……』とつぶやいた」というシーンを通じて、Aは音楽やギターを愛しているわけではない、単に流行りに乗ろうとして楽器を手に取っただけだと暗示する】は「キャラの感情などを暗示する」ためのアイデア。


◆事例研究

◇事例:アニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」(第2話)

▶1

本作の主要キャラの1人・愛音(「あのん」と読む。高1女子)。


彼女は、

・Step1:バンドを組みたいと考えていた。愛音自身はギターボーカル志望であり、それ以外のパートを担当してくれるメンバーを探しているのだが……うーむ、なかなか見つからない


そんなある日のこと。

・Step2:舞台は、ライブハウス「RiNG」に併設されたおしゃれなカフェ。

・Step3:愛音は、ひょんなことから知り合ったそよ(他校の高1女子)に悩みを相談していた。曰く「ライブハウスの掲示板を見たんですけど、よさそうな募集がなくて……」。


とその時だった。

・Step4:ふいに――ジャーン!!エレキギターの音が聞こえてきた。

・Step5:ライブハウス併設というだけあって、そのカフェには小規模なステージが用意されており、いまそこで1人の少女がエレキギターを弾き始めたのだった。

・Step6:愛音は反射的に顔をしかめる。そして耳を手で塞ぐと、「うるさ……」とつぶやいた。


▶2

ご注目いただきたいのは、Step6である。

確かに、アンプから聞こえてくるエレキギターの音は大きい。そよと談笑している愛音にとっては邪魔物かもしれない。

とはいえ――ん!?

「愛音はこれからバンドをやろうというのだ。しかも彼女はギター志望。それだのにギターの音に顔をしかめて『うるさ……』と呟くって、えっ?おかしくない?」と違和感を抱いた鑑賞者は少なくないだろう。


……その違和感は正しい。

じつは愛音はバンドが好きでたまらない、ギターがないなら死んだ方がマシという音楽少女ではない。学校で、そして世間でガールズバンドが流行っているので乗り遅れまいとして楽器を手に取っただけなのだ。

だからこそ、無意識の内に「うるさ……」なんて言ってしまう。


つまり、【「『バンドを組みたい!』『私はギターを担当したい!』と意気込む少女A→ところがAは、他のギタリストの演奏に顔をしかめて『うるさ……』とつぶやいた」というシーンを通じて、Aは音楽やギターを愛しているわけではない、単に流行りに乗ろうとして楽器を手に取っただけだと暗示する】というテクニックが使われているわけだ。


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