見出し画像

「複数のキャラが似たような行動を取る」という描写によって、彼らが同じ気持ちを抱いたこと・抱いていることを暗示する ~アニメ「中二病でも恋がしたい!」の場合

六花、勇太「どうしたらいい?/どうすればいい?」

アニメ「中二病でも恋がしたい!」(第10話)


◆概要

【「複数のキャラが似たような行動を取る」という描写によって、彼らが同じ気持ちを抱いたこと・抱いていることを暗示する】は「キャラの感情などを暗示する」ためのアイデア。


◆事例研究

◇事例:アニメ「中二病でも恋がしたい!」(第10話)

▶1

本作の主人公・勇太(高1男子)。

そしてヒロインの六花(高1女子)。


2人は、

・Step1:高校入学を機に出会った。

・Step2:その後いろいろあって互いに好意を抱き、距離を縮めていった。周りからみれば、好き合っていることは一目瞭然である。ところが、2人は恋愛経験ゼロ!しかも初心!ゆえに、自らの恋心になかなか気づかなかったり、やっと気づいたかと思いきやどうしていいかわからず何もできなかったり……。

・Step3:しかし文化祭を間近に控えたある日、2人はちょっとした事故をきっかけにぎゅっと抱き合うに至った。そして確信した。私はこの人のことが好きだ!好きで好きでたまらない!もう気持ちを抑えられない!!


以下、それから数時間後の出来事をご紹介する。

・Step4:学校のとある教室。勇太は1人きりだ。彼は窓辺に座り、六花と抱き合った時のことを思い返していた。手にしていた暗幕をぎゅっと抱きしめて、「六花……」と呟く。次の瞬間、いつの間にやらやってきた一色(勇太の親友)が訊き返した「六花?」。勇太は我に返る。ううっ、恥ずかしい!恥ずかしさのあまり一色の顔面を蹴とばした「忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ!!」。

・Step5:一方その頃、学校の別の部屋。六花が1人、窓際に立っている。彼女は無言で自分を抱きしめた。勇太と抱き合った時のことを思い返しているに違いない。

・Step6:しばらく後、六花のいる部屋に凸守(六花の親友)がやってきた。何も知らぬ凸守は、いつもの調子で六花に話しかける。ところが六花はニコリともしない。彼女はいつになく真剣な表情で言った「……私、勇太と抱き合った。私、勇太が好き。……どうしたらいい?」。その言葉に凸守は仰天する。動揺する。だが、すぐに優しく微笑んだ「必ず上手くいくデスよ」。そして六花の肩に頭を乗せた。2人は月を見つめる。

・Step7:その頃、勇太は一色に事情を説明していた。本当は恋バナなんてするつもりはなかったのだが、一色が「詳しく教えないとクラスの皆にあることないこと言いふらしてやるぞ!」と脅かしてきたのだから仕方がない。ひと通り説明した後、勇太は訊いた「どうすればいい?俺から告白した方がいいか?」。一色はまったくの非モテにも関わらず、なぜか恋の大先輩風に「人を好きになるのに理由なんてないのだぜ」と語ると、勇太の肩に頭を乗せた。勇太は叫んだ「気持ち悪っ!」。そしてすかさず一色をぶちのめした。その後、一色が言った「六花のようなかわいい子と付き合えて羨ましい。いずれお前は、彼女とあんなことやそんなことをするんだろ」。勇太は顔を真っ赤にして一色をボコボコにした。


▶2

ご覧の通り、勇太と六花の行動はよく似ている

・類似1:2人は窓辺にいる

・類似2:2人は何か(暗幕、自身)を抱きしめて、抱き合った時のことを思い返している

・類似3:そこに友人がやってくる

・類似4:2人は友人に相談する「どうしたらいい?/どうすればいい?」

・類似5:友人は、2人の肩に頭を乗せる


六花の方は真面目で感動的、勇太はそのコメディバージョンという雰囲気だが、ご覧の通りその行動はそっくりだ。


「勇太と六花が似たような行動を取る」という描写によって、2人が相思相愛であることを暗示しているのだろう。


◆他のアイデアも見る👀

この記事が参加している募集

最後までご覧いただきありがとうございます! 頂戴したサポートはすべてコンテンツ制作に使います!