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「『アイドル活動をしたい!』という熱い想いを抱いてはるばる上海からやってきた留学生が、たまたまキャラAの歌声を聞く→ごく短時間耳にしただけで衝撃を受け、興奮し、その後延々とAを追いかけ回して『一緒にアイドル活動をやりましょう!』と口説きまくる」というエピソードを通じて、Aの歌声が並外れていること、人を感動させる力があることを暗示する ~アニメ「ラブライブ!スーパースター!!」の場合

クゥクゥ「スバラシイコエノヒト(素晴らしい声の人)……❤」

アニメ「ラブライブ!スーパースター!!」(第1話)




◆概要

【「『アイドル活動をしたい!』という熱い想いを抱いてはるばる上海からやってきた留学生が、たまたまキャラAの歌声を聞く→ごく短時間耳にしただけで衝撃を受け、興奮し、その後延々とAを追いかけ回して『一緒にアイドル活動をやりましょう!』と口説きまくる」というエピソードを通じて、Aの歌声が並外れていること、人を感動させる力があることを暗示する】は「キャラの感情などを暗示する」ためのアイデア。


◆事例研究

◇事例:アニメ「ラブライブ!スーパースター!!」(第1話)

▶1

本作の主人公は、かのん(女子)。

彼女は歌が上手い


かのんの歌唱力の高さについては、第1話冒頭から繰り返し強調されている。

<強調1>

本作は、中学生のかのんが同級生の前で歌を歌うシーンから始まる。

大変美しい歌声だ。同級生たちは感嘆の声を漏らす「すご~い!」「きれいな声~!」。


<強調2>

次のシーンでは、かのんが皆に宣言する「夢は新設された結ヶ丘女子高等学校の音楽科に進み、歌で皆を笑顔にすることです!」。

音楽科に進学しようというのだから相当の実力の持ち主に違いない。


<強調3>

高校に進学したかのん。入学式に向かう途中、彼女は1人きりで通学路を歩きながら歌を口ずさんでいた

たまたまそれを耳にしたのが――クゥクゥという少女である。彼女は「高校で仲間を集めてアイドル活動をしたい!」という熱い想いを抱いて上海からやって来た留学生だ。

クゥクゥは、かのんの歌声に衝撃を受ける「ふわぁぁぁぁぁ!!」。かくしてかのんに駆け寄ると、中国語でまくし立てた。興奮のあまり日本語が出てこないらしい。

その後、クラスメイトになった2人。クゥクゥは「スバラシイコエノヒト(素晴らしい声の人)……❤」と言ってかのんを追い回した。かのんが思わず逃げ出してしまうほどの熱意である。

しばらく後、ようやくかのんを捕まえたクゥクゥ。彼女は早速口説き始めた「かのんさんの歌は素晴らしいです!なので、クゥクゥとスクールアイドルを始めてみませんか?」。


▶2

ご注目いただきたいのは、上記の「強調3」である。

「かのん=歌が上手いキャラ」ということを鑑賞者に伝えたいだけなら、「強調1」と「強調2」だけで十分だろう。同級生に称賛され、音楽科に進学しようとしている――素敵な歌声の持ち主に違いないと理解できる。


だがそこに「強調3」が加わると、

・1:「アイドル活動をしたい!」という熱い想いを抱いてはるばる上海からやってきた留学生が、

・2:ごく短時間耳にしただけで衝撃を受け、興奮し、

・3:その後延々と追いかけ回して「一緒にアイドル活動をやりましょう!」と口説きまくる

――そんな歌声の持ち主!

かのんの歌声が桁外れであること単に上手いだけではなく「聞く人を魅了し、感動させる力があること」が存分に伝わってくる。


つまり、【「『アイドル活動をしたい!』という熱い想いを抱いてはるばる上海からやってきた留学生が、たまたまキャラAの歌声を聞く→ごく短時間耳にしただけで衝撃を受け、興奮し、その後延々とAを追いかけ回して『一緒にアイドル活動をやりましょう!』と口説きまくる」というエピソードを通じて、Aの歌声が並外れていること、人を感動させる力があることを暗示する】というテクニックである。


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