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「アイスが溶けてつーっと垂れる」という描写によって、そのキャラが心の中で泣いていることを暗示する ~アニメ「やがて君になる」の場合

朱里「あー……うん。それがもう……フラれちゃってさ」

アニメ「やがて君になる」(第3話)


◆概要

【「アイスが溶けてつーっと垂れる」という描写によって、そのキャラが心の中で泣いていることを暗示する】は「キャラの感情などを暗示する」ためのアイデア。


◆事例研究

◇事例:アニメ「やがて君になる」(第3話)

▶1

本作の主人公は、侑(女子高生)。


とある休日、

・Step1:友人3人とアイスクリーム屋に行った侑。

・Step2:4人はテラス席に座り、アイスを食べながらおしゃべりを楽しむ

・Step3:やがて話は恋バナへ。侑たちは、朱里がバスケ部の先輩に片想いしていることを知っていた。だから冗談半分に言った「さっさと告っちゃえよ~!」。


すると

・Step4朱里は「あー……うん。それがもう……フラれちゃってさ」。侑たち3人は言葉を失う。朱里が告白したことも、フラれてしまったこともまったく知らなかったのだ!

・Step5:一方、朱里はすぐに笑顔になった。そして明るい口調で「いたたまれない空気にならないで!」「案外平気なんだよ。先輩にもうカノジョがいるとかだったら凹むところだけど、『いまはバスケに集中したい』って」。

・Step6:この時、朱里は手にアイスを握っている。そのアイスが少しばかり溶けて、つーっと垂れていった

・Step7:朱里は改めて微笑んでみせる。だが、侑は思う「……まるで練習したみたいにスラスラ話す朱里は、その言葉を1人で何度並べて、飲み込んで、整理したんだろう」


▶2

ご注目いただきたいのは、「溶けて垂れていったアイス」である。

これは朱里の涙だ。

彼女は笑顔で明るくふるまっている。しかし侑が見抜いた通り、それは演技にすぎない。彼女は心の中では泣いているのだ。


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