2020年12月の記事一覧
エッセイ:大ちゃんは○○である40
皆が互い互いに顔を見合わせ、竹村の言葉に動揺しているようだった。
おそらく全員が思ったに違いない。
『何言ってんの、このおじさん。
頭おかしいんじゃないの?何だよ、隣のビルの窓を割ってみようかって。割れるわけないじゃん。』
予想していた皆の反応だったのか、チラッと竹村に目を向けると
竹村は口角を上げ、ニヤニヤとした表情を浮かべていた。
「どうしたんだよ、みんな?
自信のあるやついないのか?」
自信
エッセイ:大ちゃんは○○である39
「じゃあ、早速始めていこうか。
とりあえず一人づつ自己紹介してもらって、そっからね。
はい、じゃあ君から。」
指を指された髪の長い女の子は、竹村から指名を受けるやいなや席を立ち
前に出ると、物怖じすることなく自己紹介を始めた。
そのフットワークの軽さたるや、大したもんだ。
僕はやや感心しながら見ていた。
「はい、ありがとう。じゃあ、次君。」
早いテンポで一人一人の自己紹介は続いていく。
自己紹介の
エッセイ:大ちゃんは○○である37
プロダクションのレッスンは半年間のスケジュールになっており、
メニューとしては、演技レッスンとボイストレーニングがメインだった。
オーディションに合格したといっても、この半年間のレッスンの中でさらに脱落者が出るという。
半年後、事務所サイドに難しいと判断された者は
所属には至らず、去らなければならない。
合格者として集められたのは、僕を含め12人だったと思うが
あくまでこの12人はレッスンスタート