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エッセイ:大ちゃんは○○である41
シーンとした時間が過ぎていく中、誰からも発言がないと見極めた竹村は
手を後ろに組ながら、ゆっくりとフロアの中を歩き始め話し出した。
「いいか!割るったって本当に割るわけじゃないことぐらい誰にでも分かるよな?
じゃあ、あの窓ガラスをどうやって割ってみるのか?
声だよ!声。イメージすんの!イメージしてみな。
お前らの発する声の波動であの窓ガラスがパリンっと割れるのをさ。
舞台やる時には一番後ろに座ってるお客様にまで気持ちを伝えなきゃいけないんだぞ?
気持ちを乗せてあの窓ガラスに向かって思いっきり声を出してみろ。
発する言葉は今回何でもいいから、今から1分間それぞれプランを決めて、やってみよう。
じゃあ、1分後にスタートな。順番は俺の方でランダムに決めて指名するから。はいっ!」
そう言うと竹村は一つ手を叩き、合図を出した。
一分間で向かいのビルを割るぐらいの気持ちを作って声を発する。
僕は目を閉じて、一つの世界に入り込んでみた。
つづく
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