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エッセイ:大ちゃんは○○である40

皆が互い互いに顔を見合わせ、竹村の言葉に動揺しているようだった。
おそらく全員が思ったに違いない。
『何言ってんの、このおじさん。
頭おかしいんじゃないの?何だよ、隣のビルの窓を割ってみようかって。割れるわけないじゃん。』
予想していた皆の反応だったのか、チラッと竹村に目を向けると
竹村は口角を上げ、ニヤニヤとした表情を浮かべていた。
「どうしたんだよ、みんな?
自信のあるやついないのか?」
自信も何も、言っている意味がよく分からないんだから「自信あります!」なんて言えるわけがない。
その時、レッスン生の一人が竹村に疑問を投げかけた。
「あの、すみません。隣のビルの窓を割ってみるっていう意味がよく分かりません。
どうすればいいんですか?
何をやればいいんでしょうか?」
「じゃあ、お前はどうすればいいと思う?」
レッスン生の質問に、返す刀の竹村の質問返し。
レッスン生は少しの間考えると
「ここから物を投げて、窓を割る…とかですか?」
と答えた。
「物を投げて窓を割る!?そんなことしていいの?」
「いえ、だめだと思います。」
「だめだと思う?
だったら、だめだと思うことはしちゃいかんよなー。」
ますます分からなくなるばかりだ。

つづく

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