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☆2023年のエッセイ☆

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記事一覧

【祝】10万ビューありがとうございます

【祝】10万ビューありがとうございます

おかげさまで、noteの記事が10万ビューを達成しました。

そこで今回は、特にどんな記事が読まれてきたのかを公開したいと思います。

当然ながら、古い記事のほうがビュー数は多いわけですが、それでも、読まれてきたものと、読まれなくなったものがあります。

多くはコロナ禍に入ったころに書かれたものが多く、今から思えばこんな話題もあったと懐かしく感じられるものもあります。

一方で、今でも続いて読まれ

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【プロフィール】

【プロフィール】

吉村ジョナサン1984年生 山形県出身 東京都在住

【エッセイスト】として文をしたため【詩人】として詩作もしている。

【音楽家】として木琴を叩く一方で【作曲家】として打楽器アンサンブル曲も作っている。

【教育家】として学習書をつくったり教育活動にいそしみながら【ポッドキャスター】として古典の世界を広めている。

【画家】として抽象画を描くときもあれば【舞踏家】として即興的に踊り出すこともある

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【連載】「こころの処方箋」を読む~3 100%正しい忠告はまず役に立たない

【連載】「こころの処方箋」を読む~3 100%正しい忠告はまず役に立たない

酒飲みに「酒をやめろ」と言うことほど無茶なことはない。
酒を飲みすぎることが自分にとって良くないことはわかっている。
酒をやめるためにやったほうが良いこともわかっている。
それでもやめられないのだから、「酒をやめろ」と言われてもどうしようもない。

同じようなことはいくらでもあげられる。

「遅刻をするな」
「タバコをやめろ」
「ゲームをするな」
「宿題を忘れるな」
「運動しろ」
「本を読め」

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【連載】「こころの処方箋」を読む~2 ふたつよいことさてないものよ 

【連載】「こころの処方箋」を読む~2 ふたつよいことさてないものよ 

「ふたつよいことさてないものよ」は、河合隼雄を代表する言葉といってもいいだろう。河合はどうやらこの言葉を気に入っていたようで、河合隼雄ファンの間でも印象的な言葉として知られている。

端的に言ってしまえば、禍福のバランスの話なのだが、そこにどのような世界観を見出すかがおもしろいところである。

私が親しんでいるエピソードに、塞翁が馬の話がある。「人間万事塞翁が馬(じんかんばんじさいおうがうま)」と

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クリスマスが幸せな日でありますように

クリスマスが幸せな日でありますように

クリスマスが、なるべく多くの人にとって、幸せなものであったらいいな、と思っている。

なるべく多く、ということは、おそらくこの日を穏やかに迎えられない人も多くいることを思ってのことである。

この日を、貧困や痛みの中で迎える人もきっといる。

クリスマス消費の対象にならないような人は、この時期には見えなくなりがちである。

それでも、今はそんな人達にプレゼントを届ける「サンタ」がいる時代でもある。

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Podcast Weekend と私

Podcast Weekend と私

すっと気になっていたPodcast Weekendに訪れることができた。

昨年からPodcastを始めたので、当然その存在は知っていた。

よく知られたPodcasterさんたちのリアルイベントという認識で、どこか自分には他人事だった。

それでも、知人友人が参加、来訪する予定もあったので、せっかくなので訪れることにした。

実際に訪れてみると、正面ではこの空間の成立にもっとも関わっているといっ

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【新連載】「こころの処方箋」を読む~1 人の心などわかるはずがない

【新連載】「こころの処方箋」を読む~1 人の心などわかるはずがない

「人の心などわかるはずがない」

これは私の教員人生の中でも、特に共感したことであり、同時に繰り返し自分に言い聞かせる言葉でもある。

教師にとって最も大事にされることの一つに「生徒理解」がある。例えば、授業を行うにしても、まずは「生徒理解」から始まる。

2次方程式の単元を扱う際には、まずは対象となる生徒のレディネス、つまりは現段階でどのようなことを学んできていて、そのうちどのあたりのことが理解

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【最終回】「こころの処方箋」を読む生活(pp.106-234)

【最終回】「こころの処方箋」を読む生活(pp.106-234)

何に怒っているのか。

怒りの理由を探ることは、とても興味深い営みである。

一次的には何か不愉快なことがあったからのように思えても、実は背後にもっと別の理由が、それも複雑にこんがらがっていたりする。

僕の場合、まずは空腹を疑う。事実、今スパゲティを食べたら、少し怒りが和らいだ気もするから、それも一因だろう。

そもそも直接の要因としては、職場への不満である。

職場への不満といっても、これもま

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【連載】「こころの処方箋」を読む生活(pp.90-105)

【連載】「こころの処方箋」を読む生活(pp.90-105)

新しい仕事を始めてまだひと月にも満たないが、忙しくしている。

日々新しいことができるようになっていくのは嬉しい一方、体力は持っていかれている。

とはいっても、余力がないわけではなく、帰ってからはゆっくり休むようにして、疲れを残さないようにしている。

仕事が増えることは、必ずしも疲労を意味しない。できることがなくて呆然とする中で、できることがないか探しているほうがずっと気疲れしてしまう。何かし

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心理学は「科学」なのか?

心理学は「科学」なのか?

1.心理学は「科学」なのか?心理学の概論書の中には、「心理学は科学です!」ということを殊更に強調しているものがある。なぜなのか。

私の認識では、心理学は科学の側面もあるし、それだけではないような気がしていた。そんなあいまいな認識を持っているやつがいるから、殊更に強調する必要があるのかもしれない。

そもそも、心理学は「科学」なのか?

2.「自然科学ー社会科学ー人文科学」モデルまず、「科学」とは

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【連載】「こころの処方箋」を読む生活(pp.86-89)

【連載】「こころの処方箋」を読む生活(pp.86-89)

相手を理解する。これが教育の核心である。

教育学部で学んだことで大きかったことは、生徒理解の大切さである。生徒を理解するところから、授業の目的、教材研究が始まっていく。授業の目的が最初にありきではなく、もちろん教材から始まるわけではない。

しかし、実態としては教材から始まることが多いのが学校教育の難しさである。百歩譲っても、授業の目的が先だってしまうことが多い。

教育学部では、あくまで生徒理

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【連載】「こころの処方箋」を読む生活(pp.74-85)

【連載】「こころの処方箋」を読む生活(pp.74-85)

誰かが言ってた。人は死後、それまでの人生で行った場所にしか行けないのだという。それはそうだろうという気もしたが、そうか、人は死後、「見たことのない場所」には行けないのか。

新しい出会いや、新しい環境に出会うと、自分の見てきたものを他人は見てきていないし、他人の見てきたものを自分は見てきていないことを思わせる。

死ぬということは、そのような「見る」という機会を失うということなのだろう。死後は、新

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【連載】「こころの処方箋」を読む生活(pp.66-73)

【連載】「こころの処方箋」を読む生活(pp.66-73)

河合隼雄の「こころの処方箋」の元になっているのは、60歳から四年間の連載である。

「あとがき」の中で河合は言っている。ここには「常識」が書かれていると。

教育臨床の現場で長く働いていてきた今の自分が見えているものからすれば、この「常識」には納得のいくものが多い。例えば、「人の心などわかるはずがない」もその一つである。

しかしそれは、39年間の人生をたどった中で得られた視点であり、とても「常識

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「心理学」と「臨床心理学」の違いとは

「心理学」と「臨床心理学」の違いとは


大学で心理学を学びたい理由今、大学で心理学を学びたいという人の多くが、公認心理士の資格を目指すことと思う。

心理学を学びたいという理由にはさまざま考えられるけれども、その動機には、心理的な危機を迎えている人を支援したいというものが多いのではないか。将来的に医療や福祉などの現場で、心理的な支援を行いたいという志望もあるだろう。

このように、心理支援の現場で用いられる技術に関わるような分野を、「

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