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デザインとは何か? 「違和感」からはじめる問題解決の視点

「デザインするってそういうことか!!」

最近腹落ちしたのがこの「デザイン」という言葉の意味。「このパッケージデザインいいよね」とか、「このデザインちょっと使いにくいな」という風に見た目の評価をする時もあれば、「ちゃんとミーティングをデザインしなきゃ」といった目に見えないものにも使うなど、様々なシーンで日常的によく見聞きする言葉です。

何となく使っているこの言葉ですが、言葉の意味を理解することで、誰の生活にも生かせる視点を得ることができます。

改めてこの「デザイン」という言葉の本質について探ってみましょう。

「デザイン」とは何か

デザインという言葉の意味を調べると、こんな意味が記されています。

【デザイン】
設計。図案。意匠。また、製品の機能や美的造形を考慮した意匠計画。

これではなかなか理解が深まりません。そもそも「デザイン」と聞いて何を連想するでしょうか。何らかのビジュアルを連想する人が多いでしょう。

この理解を深めるために役立つのがデザインとアートの違いです。この違い、説明できますでしょうか。まずはこの2つの言葉の違いから見てみましょう。


デザインとアートの違いとは?

デザインとアートの違いに対して最も端的な答えは、アートは「自己表現」で、デザインは「問題解決」だということです。

アート:自己表現。制限のない状態から最大限自己を表現をすること。

デザイン:問題解決。制限の中で最大の結果を出すためのプロセス。

両方とも「ビジュアルを作り出す」という点において近しい印象を持ちがちで、混合しやすいこの2つの言葉。でもアートとデザインは対極にあるぐらい異なる意味合いを持っています。

最近、各企業が取り入れている「デザイン思考」は正に問題解決の手法です。問いを立てて、生活者の視点から、問題解決のアイデアを導き出すメソッドです。はじめデザイン思考と聞いて、「ビジュアルで発想する」、「右脳を使って考える」などのイメージを抱いてしまいますが、この理解は全くの間違いで「問題解決思考」と理解するのが良いです。

デザインについて、最近知ったのはこの言葉。

Why?をBecauseで説明出来なければ、それは明らかにデザインではない

この言葉からデザインがいかにロジカルな物かが分かります。課題があり、その解決策がある。問いと答えの関係。この関係から組み立てられるものがデザインです。だからデザインには全て理由がある。こうすれば問題が解決できるはずという仮説のもと組みあがっています。アートは自己表現なので“なんとなく”といった表現が許されますが、デザインは“なぜならば”が説明できないと良いデザインとは言えません。

そう考えると、デザインとアートに大きな違いがあるように、デザイナーとアーティストの仕事もまた大きく異なることが分かります。しかし、特に日本ではこの2つの仕事は曖昧になっているケースがあります。本来はアーティストである人がデザインをしたり、デザイナーとして求められる仕事で本人の感性で自己表現したりするケースを目にします。

アーティストやアートは自己表現の世界ですが、デザイナーやデザインという言葉は問題解決をする人、またはその人が仕事としてアウトプットするものです。「デザイナー」と聞くと芸大や専門学校を出て、絵の才能を訓練された特別な人という印象を持ってしまいます。しかし、「デザイン=問題解決」と理解すれば、そのような絵の才能の有無は関係ありません。デザインつまり「問題解決」は仕事をする多くの人が日々行っていることであり、とても身近なものと言えます。


デザインの本質とは

先日、プロダクトデザイナー深澤直人さんの「デザイン」についての解釈で非常に腹落ちしたお話を目にしました。深澤さんは家電・インテリアブランド±0(プラスマイナスゼロ)のデザインや無印良品のデザインアドバイザーをされている日本のプロダクトデザイナーのトップランナーです。

そんな深澤さんは「デザインの本質とは?」という質問に対してインタビューでこう話されています。

人と人、人とモノとの間に「ささくれのないなめらかな関係性」をつくることです。

何とも美しく深い表現です。ささくれとは生活の中にある「違和感」であり、デザインシンキングではPainと表現されたりします。良いデザインとは人が無意識に「良さ」を感じ取っているもの。みんなが、自分が考えたと錯覚するくらい、社会に馴染んでいる。こうしたささくれのない心地よさの中で「デザイン」はその因子となっていると深澤さんは解説しています。

「ふつう」すぎてみんなが気がつかないことを形にすること。デザインというのは、見たことないような斬新なものを作ることでも、みんなでポストイットを使って出てくる意見の総和でもないと説きます。

こうした「ふつう」に見えるほど磨かれた心地よさを追求するためには生活の中にあるちょっとした「違和感」に気付く必要があります。「違和感」は「感」という言葉の通り、感覚です。それを探すには、「感じなければいけない」のだと思います。考えて見つけるのではなく、感じて理解する。その先にささくれのない「調和」を見つけ出していくのが、問題解決という仕事であり、ひいてはそれを「デザイン」というのかも知れません。


まとめ

日常生活で頻繁に見聞きする「デザイン」という言葉は単にビジュアルを表現するだけの意味ではありません。その本質は「問題解決」であり、人と人、人とモノとの間に「ささくれのないなめらかな関係性」をつくること。

そう考えると、デザインは一部の専門スキルを持ったデザイナーだけが扱うものではなく、日々「問題解決」に向き合っている多くの人にとってとても身近な存在と言えます。

優れたデザインとは、生活の中の違和感に気付き、その違和感をなくすように「調和」をとるものです。それは時に、あまりの心地よさから「ふつう」と感じてしまうものかも知れません。しかし、それを生み出すことこそが難しく、価値のあるものだと思います。

このコロナ禍において新しい生活様式、ニューノーマルという言葉が生まれました。これは「新しいふつう」ということ。これまでのやり方では「違和感」があることを、やり方を変えていくということです。そういう意味では、今の状況は「ささくれだらけ」なのかもしれません。

生活の中でしっかりとそのささくれを「感じて」、ひとつひとつ解決していく。そのプロセスでデザインは大きな役割を担っていると思います。

日々の生活の中で「違和感(ささくれ)」をしっかり感じ、それをそのままにしない意識と行動が大切なのだと思います。

「新しいふつう」があふれる世界は、ささくれの無い心地よい世界だと思います。そんな世界を目指して、変えるべきことは変えていく姿勢を持っていたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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