【雲の中の富士山を登った時の話・2日目⑥】火口から雲が生まれて噴き出す神秘的な光景
こんにちは! 雲の中の富士山を登った月見里です!
今までの記事は、こちらのマガジンにまとめてありますので、ぜひご覧ください!
前回の、お鉢参りを試みているところからスタートです!
危険!
前回から引き続き、火口の縁部分を進んでいきます。
……しかし。
写真ではいまいち風の強さや臨場感が伝わらないと思うので、動画をご覧ください。
実際はこんな感じで、風がとても強く吹き、崖側の柵はあってないようなものなので、非常に危険でした。
これまで登って来た高さを思うと、ちょっとでも足を踏み外したら、死ぬのは間違いありません。にもかかわらず、こんな低い足首くらいの高さの柵はちゃちすぎるような気がします。
さらに進むと道が狭くなっていきました。かといって左に少しでも逸れて進むと、足を踏み外して転げ落ちません。慎重に、右手側の高い岩壁を頼りに、私は進んでいきました。
火口から雲が生まれる瞬間
右手側の火口の崖が低くなっていき、風が横殴りに吹くようになってきました。右手側から、左手側。つまり山頂からふもとのほうに向かって風が強く吹いています。
その風に流されて左に進むと、転げ落ちていくこと必至です。私は身をかがめて、なるべく風の影響を受けないようにして進みました。
そうしてゆっくりと進み、ちょうど神社と郵便局の間くらい、つまり火口の四分の一ほど(↓の地図の赤星部分)まで進みました。
ここまで歩んだところで、私はこれまで感じたことのない、本当の死の恐怖を感じることになりました。
百聞は一見に如かず。私がカメラに収めた様子をご覧ください!
このように、人がカニ歩きになってようやく通れるくらいの細い道に狭まっているだけではなく、目の前で、雲が右の火口から吹きあがって、すさまじい勢いで左に落ちて行っているのです!
雲が漂っていて、ここが雲の生まれる場所なのかと、ふと思いました。その恐ろしいまでの神秘的な光景に心を奪われましたが、それも一瞬のことでした。冷静に見れば、このまま私が進めば、この雲の流れに乗って落ちて行くのは明らかでした。
ここに来るまでは、右手側の岩壁で風をガードしながら進んでいましたが、ここで岩壁が低くなっていった結果、ここでこのような状況になってしまっていたのです。
退くべきか退かざるべきか
私は、立ち尽くしました。
「身をかがめて地を這うように進めばなんとかなるか?」
「いや、これ以上は危険すぎる」
「疲労する体にムチ打って、せっかくここまで来たのに、戻るのか?」
そんな自問自答をしました。
「この困難を乗り越えれば、人として、一皮むけるのではないか?」
などとスピリチュアルなことを考え出したところで、私は、以前どこかで聞いた、登山家の言葉を思い出しました。
「他のスポーツなら自分の限界を超えて挑戦することがあるだろう。しかし、山はそんなに簡単な世界じゃない。無茶は死に直結する」
帰宅後に調べたところ、これは日本の登山家の山野井泰史氏の言葉でした。
山野井氏は2021年に、「クライミング界のアカデミー賞」とも称されるピオレドール(金のピッケル)賞の生涯功労賞をアジア人で初めて受賞した、世界的に有名な登山家です。
著作も2点出ているのでぜひ読んでみてください。
この格言が、私の無謀な蛮勇に待ったをかけました。
そもそも、この天候で郵便局がやっているのか、そしてこの天候がさらに酷くなる可能性もある。そうなると、帰れなくなってしまう。
お鉢参りをできないのは残念だけど、裏を返せば、また富士山に登るための理由ができたとも言えます。次行くときは晴れているときにまたくればいいのです。
あるいは、このような雲が火口から噴き出すという実に神秘的な光景を見ることができたのは、晴れているときよりもラッキーなことかもしれません。
そして何より、普段の生活である程度の無茶をすることは、死の危険性までは伴いません。しかし、今目の前の無茶は、死に直結します。
私は、最終的にそう判断を下して、細い道をゆっくりと戻ることにしました。
*
今回は以上となります。
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